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    フェライトビーズの機能と適切な選択方法

    October 11, 2017

    スナップオン フェライト

     

     

    ときどき、電磁波が目に見えたらいいと思います。もし見えたら、EMIをはるかに簡単に検知できるでしょう。複雑な設定やシグナルアナライザーをむやみにいじり回す代わりに、私なら一体何が問題なのかを見極めます。EMIを見ることはできませんが、場合によってはオーディオ回路を通じて音を聞くことはできます。この種の干渉に対して可能な解決方法の1つがフェライトビーズです。困ったことに、フェライトビーズにはちょっと不可解なところがあります。フェライトビーズを適切に使用するためには、その電磁特性と使用中にそれがどのように変化するかを理解する必要があります。フェライトビーズの原理を理解したら、自分の基板に適したものを注意深く選択する必要があります。適切なフェライトビーズを選択しないと、最終的には手に余る問題が生じる可能性があります。

    フェライトビーズの原理

    フェライトビーズは、高周波信号を減衰するために使用されます。このように説明すると、コイルと同じだとお考えになるかもしれませんが、フェライトビーズはコイルよりやや複雑です。簡素化したフェライトビーズの回路モデルは、その周波数特性を理解するのに役立ちます。ただし、その特性は、電流と温度の関数として変化します。

    フェライトビーズは、直列抵抗体の後にコイル、コンデンサー、抵抗器を全て並列したコンポーネントとしてモデル化できます。直列抵抗体は、DC電流に対する抵抗です。コイルは、高周波信号を減衰する主要コンポーネントです。並列された方の抵抗器は、AC電流の損失を示します。コンデンサーは、寄生容量を示します。フェライトビーズのインピーダンス対周波数の曲線では、大部分が抵抗であるインピーダンスが、狭い帯域でのみ極端に高くなります。ここでは、フェライトビーズのインダクタンスが優位です。この帯域より上では、寄生容量が引き継ぎ、高周波インピーダンスはすぐに低くなります。

    フェライトビーズには、通常、特定のDC電流に対する定格電流があります。アンペア数が指定された電流値より大きいとコンポーネントが損傷する可能性があります。問題は、この制限が熱により大きく影響を受けるということです。温度が高くなると、定格電流がただちに下がります。定格電流は、フェライトビーズのインピーダンスにも影響します。DC電流が大きくなると、フェライトビーズは「電磁飽和」してインダクタンスを損失します。電流が比較的大きい場合は、飽和により、インピーダンスを最大90%減らすことができます。

     

     

    空気中のESD
    負荷電流はフェライトのインピーダンスを変える可能性があります。

     

     

    適切なビーズの選択方法

    ここまでで、フェライトビーズの原理を理解できたことと思いますので、次に、自分の回路に適したビーズを選択します。これはそれほど難しくはありません。ビーズの仕様に注意するだけです。

    多くの設計者は、フェライトビーズが「高周波を減衰する」ことを知っています。ただし、フェライトビーズは、特定範囲の周波数成分を除去できるのみで、広帯域のローパスフィルターのようには機能しません。不要な周波数成分が抵抗帯域内にあるフェライトビーズを選択する必要があります。不要な周波数成分が抵抗帯域よりやや低い/高いものを選択すると、期待する効果が得られません。

    ビーズの製造業者が、ビーズのインピーダンスに対する負荷電流曲線を提供可能かどうかも確認してください。負荷電流が非常に大きい場合は、電磁飽和してインピーダンスを損失することなく電流を処理できるビーズを選択する必要があります。

    注意事項

    フェライトビーズは、高周波では基本的に抵抗負荷ですので、回路で若干の問題を起こす可能性があります。ビーズを配置する場合は、電圧降下と放熱を考慮する必要があります。

    高電圧回路の時代、電圧降下は大して問題になりませんでした。現在では、2V前後の電圧で動作する低消費電力回路が多数あります。それらのレベルで多くを失うわけにはいきません。フェライトビーズは、必然的に回路で電圧降下を引き起こします。多くはないかもしれませんが、ICに短絡による大電流引き込み状態が発生した場合、電力損失が顕著になる可能性があります。フェライトビーズは、電圧降下問題を引き起こさない場所に配置してください。

    フェライトビーズは、高周波では抵抗として機能しますので、吸収したエネルギーを主に熱として放散します。この熱は必ずしも問題にはなりませんが、アクティブまたはパッシブな冷却システムを設計する際に放熱を考慮しないと問題になることがあります。システムのノイズが特にひどく、ビーズが多くの高周波成分を吸収していると、この熱はさらに問題になる可能性があります。必ず、ビーズの放熱を考慮してください。

     

     

    摂氏45度の温度計
    負荷電流はフェライトのインピーダンスを変える可能性があります。

     

     

    フェライトビーズは、その働きを正確に理解した場合にのみ、極めて便利なコンポーネントになります。フェライトビーズは、非常に小さい帯域で信号を減衰し、その効果は温度と負荷電流に依存することを忘れないでください。フェライトビーズを最大限に利用するには、必ず自分の仕様に完全に一致するようにしてください。そして、配置する際は忘れずに電圧降下と熱を考慮してください。

    フェライトビーズのようなコンポーネントの扱いは難しい場合がありますが、回路設計は必ずしも難しくはありません。Altium Designerは、最適な回路の構築に役立つツールを備えた、最先端のPCB設計ソフトウェアです。さらに、電源解析ツール PDN Analyzer などのアドオンもあり、電圧降下や放熱のような問題に対応することができます。

    フェライトビーズについてのご質問は、Altiumの専門家にお問い合わせください。

     
     
     
     
     
     

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