IoT向けPCB設計時のFCC認証の準備

April 13, 2017

PCBを背景にした電子機器の接続
PCB上の全てのコンポーネントが基板の性能および認証テストの合格に影響する可能性があります。

初めてIoT製品の仕事をしたとき、私は、ガレージで社員2人が立ち上げたスタートアップ企業に務めていました。私は、文字どおり「第三の男」でした。私たちは皆、生意気で熱狂的で、自分たちの設計コンセプトの証明に躍起になっていました。新入りだった私は、製品を仕上げ、認証または承認を受けて市場に出荷する計画だと思っていました。ネタばれ注意-私は完全に間違っていました。IoT製品がどれほど優れていても、認証されずに市場に出荷された製品は誰一人評価してくれないことを身をもって学びました。

 

IoTがどこにでも存在し、ますます普及することもわかっていました。スマートウォッチフィットネストラッカーを身に着けたり、洗濯室のボタンで洗剤を注文したり、電気鍋に夕食ができたことを示すテキストが表示されました。日常生活のあらゆる場面にIoTが存在したので、認証は大した問題ではないと私は思っていました。

 

これらのIoTデバイスは全て、MU-TH-ER、あるいはエイリアンのファンでなければ「クラウド」と呼ぶものに情報送信については依存しています。デバイスが相互の承認済み周波数を妨害しないよう、あるいは安全でない電力レベルで通信しないよう、連邦通信委員会(FCC)によって無線周波数(RF)による伝送が規制されています。製品に気まぐれでRFモジュールを追加した場合、製品のテストを適切に実施せず認証されなければ、多額の罰金を科される可能性があります。これらの罰金は多くの場合、伝送機器ごとに違反日数分請求されますので、システムが導入済みの場合、あっという間にコストがかさみます。

 

私たちは罰金を科されませんでしたが、認証については他にも多くの問題がありました。製品を出荷する前、あるいは設計の前に、あらかじめ認証に関する計画を準備する重要性を過小評価しないでください。認証には費用も時間もかかります。初めから認証を考慮して設計してください。認証テストの不合格による再設計を回避できます。

 

 

必要なテストと認証の種類

モジュールの選択はアプリケーションの要件によって異なり、大がかりなプロセスになる可能性があります。ATTのモジュールライブラリのように、最適なモジュールの特定に役立つオンラインの比較ツールがあります。2つのカテゴリーのうちのいずれかのモジュールに落ち着くでしょう。

 

完全にEMCに準拠したテストと登録

ほとんどのデバイスは、FCCによって設定された制限を超える電磁波放射が発生していないことを確認するため、さまざまなテストが必要です。これに続いて、デバイスを認証して登録するための書類を作成します。すべての受信機の設計は完全に認証される必要がありますが、モジュール認証により、送信機の認証手続きを簡略化することができます。

 

モジュール認証

一部のモジュールは基本的に「事前認証」されており、FCC認証の大部分がすでに完了しています。完成したシステムは、意図しない電磁波放射についてテストを行う必要がありますが、テストの大部分は完了しています。IoTの設計に初めて進出する場合はこのアプローチをお勧めします。

状況は理解しましたが、設計にはどのように影響しますか?

接地ノイズリダクション、インピーダンス整合など、RF設計で考慮すべき目につきにくい難しい処理が多々あります。システムの多くの要素が意図せずアンテナの役割を果たし、設計仕様外で送受信する可能性もあります。

 

つまり、設計のちょっとした変更のため、RF放射周波数が変わって誤った放射が引き起こされ、出力電力が変わってシステムが予期しない場所に出力するということを意味します。それが全て発生すると、認証テストは失敗です。

 

これらの問題を解決するため、PCBを設計する際に留意すべき点がいくつかあります。

  • 配線長を最短にします
  • 特に、デジアナ混在信号設計では、高速コンポーネントどうしを近くに配置します。
  • よい接地方法を使用します。
  • 入力を隔離します。高感度入力は、別の配線レイヤーを必要とすることもあります。
  • バイパスコンデンサーを使用してDCコンポーネント周辺のノイズを低減します。

コンポーネントの賢い選択はレイアウトと同様に重要です

私たちの最初の設計は、売り上げを伸ばすチャンスに喜々としている小さな会社(おそらく私たちの会社より小さい)の商用センサーを使用しました。さまざまな理由から、彼らはセンサーを認証しませんでした。このため、プレスキャン(明らかな問題をチェックする安価で非公式なテスト)で制御基板に接続したときに興味深い驚きを覚えました。技術者は、「うわー、センサーがきしんでる! 今まで見た中で最悪! 」と言いました。この技術者は製品テストで12年もの経験があったので、言葉に重みがありました。当時は、世界の終わりのように感じたものです。

 

 

ルーターを分解する子供
使用したセンサーが認証されていないことに気付いた後の自画像

 

このようなシナリオを避けるには、コンポーネントについて事前に多少調査を行ってください。それにより、シールドソリューションを探したりハードウェアを変更したりして奔走せずに済みます。PCBの域を越えて目を配り、システム全体から問題のあるコンポーネントを取り除くようにしてください。

  • 障害が発生した1つのコンポーネントが、デバイス全体に干渉する可能性があります。トレースが長いセンサーのように、システム全体に問題を伝播させる可能性のあるコンポーネントが含まれているかどうかを確認してください。
  • ワイヤーやケーブルは、小さな電磁放射物の問題になるので、外部コンポーネントへの接続には注意してください。
  • システム内の各単体オシレーターがトラブルの原因になる可能性があります。問題のない設計に含まれているコンポーネントを選択し、テストで発生した鋭いMHzのきしみ音を避けるため、可能な限り遮蔽してください。
  • モジュール認証を使用している場合は、元の認証で承認されたアンテナを搭載したモジュールのみを使用できます。そうでない場合は、認証を最初から始める必要があります。

 

最後に、テストで入力、出力、または電源装置の接続と切断が必要になることがあります。コネクターが、プラグを抜いても基板に悪影響を及ぼすことなく機能することを確認してください!

 

逆の方向を示す「SAD」と「HAPPY」の標識
初めにFCC認証の適切な準備をすることで、「Happy」な方向に進めます

 

認証は、場合によってはわかりにくいプロセスですので、事前に準備して将来の問題を最小限に抑えることが重要です。幸いにも便利なツールがあります。

 

プロ向けのPCB設計ソフトウェアAltium Vault と組み合わせて使用することで、以前の設計で問題なく使用されたコンポーネントを特定したり、認証に簡単に合格するための特定要件を満たしたりすることができます。一部のRFモジュールがすでに含まれています(同社Linx Technologiesは、認証についてわかりやすい概要も提供しています)。

 

設計が成功すれば、モジュールを再利用して、次のIoT製品から設計と認証の両方をより簡単に進めることができます。賢い設計を始める準備ができましたら、Altiumの担当者に連絡してサポート内容をご確認ください!

 

 

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