筆者について

Mark Forbes

Mark Forbesは、Altiumの製品・ペルソナマーケティング担当ディレクターです。 過去11年間、PCB設計ソフトウェアのマーケティングに携わってきました。また、半導体分野、ネットワーク、組み込みソフトウェア設計に携わり、エレクトロニクス業界誌の編集を担当した経験を持っています。

ブラッドレー大学で電気工学の理学士号、サンタクララ大学でMBAを取得。2つの特許を持ち、130以上の技術・ビジネス記事と、デジタル・エレクトロニクスの教科書を含む3冊の本を執筆しています。余暇には、写真、ハイキング、釣り、旅行などを楽しんでいます。

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組み込みソフトウェア開発のためのリスク管理 組み込みソフトウェア開発のためのリスク管理 1 min Blog 成功したダウンヒルスキーヤー、F1レーサー、登山家に共通するものは何でしょう? そのスポーツについて、できるだけ多くのことを学び、最高の道具を使用していることです。このアプローチを取ることによって、単なるリスクを、明確な見返りのある計算されたリスクに変えるのです。しかし、組み込みソフトウェアの開発は危険なスポーツではない、と言われるかもしれません… 実際には、先進運転支援システム(ADAS)アプリケーションや自動運転アプリケーション用の埋め込みソフトウェア開発は、考えているよりリスクの大きい場合があります。少なくとも、ほぼ時速160 kmで山を滑り降りたり、またはむき出しの断崖の表面を登ったりする人たちのように、リスクを減らすのに必要な知識とツールを蓄積している場合を除いて。 うまくいかないのは何か? ADASや自動運転技術は、組み込みソフトウェア、マイクロプロセッサ、プリント基板(PCB) を組み合わせた組み込みソリューションによって、アダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警告、自動シフトなどの機能を可能にしています。我々は皆、電子機器の誤動作を目にしたことがあります。Microsoft Windows®の死のブルースクリーンを考えてください。しかし、車が時速110 kmで走行中、急にギアがバックに入った場合や、センサーが物体の距離を間違えて計算した場合、ブレーキが予想通りにきかなかった場合、大けがや死に至る場合さえあります。 電子排出ガスコントロールなど、組み込みソフトウェアのさほどドラマチックでない不具合でさえ、巨額の損失や評判への大きなダメージに至る場合があります。(フォルクスワーゲンの場合、「 排出ガス不正問題」の後、株価は25%下落しました。) 組み込みソフトウェア企業が行うべきこととは? ADASアプリケーションや自動運転アプリケーション用の組み込みソフトウェア開発には、関連するビジネスリスクが存在しますが、自動車業界で最も活発な市場で取り残されるという、同様に迫り来る危険を受け入れる余裕のある車載組み込みソフトウェア企業は、ありません。2020年まで年平均成長率(CAGR)が16%~18%になると推計される、ADASの世界市場は、 大きな収益を生む可能性を示しています。同様に、IHS Automotiveは、 自動運転車市場の、2025年から2035年までの、年平均成長率が43%に達する、と予測しています。 ADASや自動運転の組み込みソフトウェア開発のビジネスリスクを軽減するのに役立つアイデアをいくつか示します: · 安全基準について学び、それらを開発サイクルに統合する · 記事を読む
車載アプリケーション用コンパイラの選択 車載アプリケーション用コンパイラの選択 1 min Blog 図1: 「未来の自動車」は、それほど先のことではない! 車載アプリケーション用のコンパイラ機能 コンパイラ機能に求められることは、自動車業界の製品によって異なります。一部のコンパイラは、オープンソースのコンパイラがベースとなっています。一見すると、これらは有能で安価に見えます。しかし、「有能」と「安価」は、両立する場合がほとんどなく、ここでも同様です。安価ではあるが、大きな欠点がいくつかあり、実際の製品のコードを開発するときには,以下のような頭痛の種がたくさん出てくる可能性があります。 コンパイラが、再販業者の管理下にない。バグが蔓延、増殖する可能性がある オープンソースのコンパイラは、しばしばハードウェアを意識していない。ハードウェアが提供するパフォーマンスや安全性を全て利用できない場合がある。 一般に、カスタムコンパイラの生成するコードの方が優れている。より速くサイズが小さい。 コード最適化を行わないコンパイラを検討している場合、結局は自分をごまかすことにもなりかねません。コード最適化では、コードを単純に、サイズを小さくし、実行を速くする方法を探すようコンパイラに指示できます。また、一部のコンパイラは、独自のアセンブリ命令を使って、C/C++にない関数をインクルードすることによって、コードのアクセラレーションも行います。 優れたコンパイラは、デバッグが簡単にできることも必要です。完璧なコードを書く人間はいません! 一部のコンパイラは、実際にデバッガーを実行するよりも、しばしば時間がかかる、骨の折れるセットアップを必要とします。セットアップが素早く簡単にでき、選択したデバッガと連携できるコンパイラが必要です。 安全性 自動車業界では、安全性より重要なものはありません。車間距離、緊急ブレーキ、車線逸脱など、安全運転機能を搭載した製品が、既に生産されています。間もなく車は、自動運転機能を搭載し、無線でソフトウェア更新データを受信するようになります。つまり、ハードウェアとソフトウェアが、安全基準を満たす必要があります。 順守する必要のある基準や、満たす必要のある安全要件は、多くあります。まずはハードウェアです。ほとんどのハードウェアは、チップに安全機能を搭載しています。その機能は、最終製品の安全性を確保します。 ただし、使用するコンパイラが、これらの安全機能を認識していない場合、うまくいってもアセンブリコードを書くのに行き詰まり、最悪の場合、ハードウェア機能を適切に作成できない可能性もあります。 考慮すべきもう1つの要因は、コンパイラの認定です。 ASPICE認定ソフトウェア開発ツールでは、早期にエラーを修正でき、製品開発 コストを時には大幅に削減できます。 図2: 高品質のハードウェアを、トップエンドのソフトウェア開発ツールと組み合わせると、高速で効率の良いコードが生成される 適切な選択 記事を読む
リジッドフレキシブル基板設計の課題を克服する リジッドフレキシブル基板設計の課題を克服する 1 min Thought Leadership ウェアラブル電子機器には「大ヒット商品」となる資格があることに、疑問の余地はありません。 ウェアラブル機器の市場は、2016年は300億ドルになると予測されており、2026年には1,500億ドルまで成長するでしょう[1]。リジッドフレキシブルPCBの技術がなければ、これらの機器のほとんどが設計できません。つまり、エンジニアやPCB設計者は、ウェアラブルと「折り畳み型」の世界で設計、テスト、製造の専門家になる必要があります。 最も身近な製品は、おそらくスマートフォンとリンクしているスマートウォッチや、同じく手首に着用するフィットネストラッカーでしょう。しかし、これら民生品の他に、ウェアラブル機器は、医療機器や軍事用途に大いに進出しています。今では、リジッドPCBを組み込むことがほとんど不可能なスマート衣服も現れつつあります。それでは、市場に遅れないように、フレキシブル基板やリジッドフレキシブル基板をうまく設計するには、何が必要でしょう? ウェアラブル技術 - 何が問題なのか ウェアラブル機器は、小さくて、着ている人の注意をほとんど引かない必要があるのは、言うまでもありません。医療用ウェアラブル機器の場合、ユーザーは普通、他の人の注意も引きたくないと思います。何らかの方法で人体に取り付けるウェアラブル機器は、フレキシブル回路および非常に高密度のレイアウトを要求します。それだけでなく、多くの場合、基板の形は円形や楕円形であり、さらに変わった形の場合さえあります。設計者の観点から、これらのプロジェクトには、巧みな配置と配線が必要です。このように小さく高密度の基板では、リジッドフレキシブル設計に最適化されたPCBツールを使えば、変わった形状を非常に簡単に扱うことができます。 通常、リジッドフレキシブル設計では、コンポーネントを搭載したリジッド基板同士が、フレキシブル回路によって接続されている。フレキシブル回路を使用すると、製品筐体に収まるようアセンブリを曲げることができる 今日設計されるPCBの大半は、基本的に、回路を接続するためのリジッド基板です。しかし、PCB設計者にとって、ウェアラブル機器には、リジッド基板にはない以下のような問題点があります: 3Dパッケージに収まるよう、接続ポイントに負荷をかけずに、フレキシブル回路とそれぞれのコンポーネントを正確に配置する。 最終製品がそうであるように、アセンブリのリジッド部分とフレキシブル部分を統合してスタックアップを設計する。 フレキシブル回路を曲げることによる負荷をかけずに、製品筐体に収まるよう、リジッド基板とフレキシブル基板からなる最終アセンブリを形成する。 その上、設計が完了した後、リジッドフレキシブル製造業者を選定するという課題があります。これは、標準的なリジッド基板製造業者を見つけるより少し困難な場合があります。このようなさまざまな課題が加わった中、標準のリジッド基板設計では通常遭遇しない、よくある問題を回避しながら、リジッドフレキシブル設計の整合性をどのように確保しますか? リジッドフレキシブル基板設計の技術をマスターする Altium Designer®は、リジッドフレキシブル設計を扱う最も包括的なツール群を提供します。スタックアップを完全にマッピングし、 3Dでモデル化することができます。ティアドロップおよび信頼性向上技術を簡単に素早く使えます。さらに、製造出力データをフォーマットするためにODB++またはIPC-2581を選択し、設計意図を完全に伝達できます。 3Dモデリングを提供するPCB設計ソフトウェアによって、設計者は、PCBアセンブリがどのようにフィットするかを正確に把握できる Altium Designerの強力な技術を使用して、リジッドフレキシブル設計がもたらす多くの課題を克服する方法について、詳しくお知りになりたい場合は、今すぐ無料のホワイトペーパー 記事を読む
設計データ管理の構造化により設計手順での失敗を回避する 設計データ管理の構造化により設計手順での失敗を回避する 1 min Blog 適切な設計データ管理システムがPCB設計プロジェクトに組み込まれていない場合はどうなりますか? プロジェクトを完成させて製造に進めることが最終的な目的であるものの、これを達成するにはデータ管理とドキュメンテーションのプロセスに細心の注意を払う必要があります。では、こうした手法を計画に組み入れることがなぜ重要なのでしょうか。安定した透明性の高いシステムが導入されていなければ、データやドキュメンテーションの整合性を維持することは極めて困難になります。これによって、完成したPCB設計プロジェクトの内容や今後の設計に悪影響が及ぶ可能性があります。 組織化された設計データ管理システムがない場合、技術者は次のような問題を抱えがちです。 設計が複雑になる中でデータの整合性を確保する 正確なデータをやりとりする ワークフローを変えずに進める データとECOの変更を管理する ただし、効果的かつ正確に自動で情報を取り込んで維持できる管理とドキュメンテーションのシステムを整備すれば、こうした課題を緩和することが可能です。 現在の設計データ管理の優先順位を見直す データ管理とドキュメンテーションで発生し得るすべての問題については、組織化されたシステムをPCB設計の計画に組み入れることが重要です。これを怠ると、情報が信頼できないものになったり、ワークフローが無秩序になったり、必要な変更の管理が難しくなったりする恐れがあります。 一元化されたシステムがあれば設計の意図が明確になるため、チームの全員が自動更新によって常に最新情報を確認して責任性を強化し、設計の納期を厳守できるようになります。 Altium Vaultのスクリーンショット: 設計の変更を容易に伝達 PCB設計プロジェクトでの適切なデータ管理とドキュメンテーションがもたらす利点について詳しく知りたい方は、 ホワイトペーパーを無料でダウンロードしてください。 Altium Concord Pro (旧製品名:Altium 記事を読む