Altium DesignerのPCBエディタは、回路図エディタと同様にメニューとダイアログボックス、ツールヒントが日本語化されています。そして、日本語TrueTypeによる文字入力もサポートされていますので、さまざまな書体を使ってPCB上に日本語を書き込む事ができます。
日本語を使う為に必要な事は、ただ単に日本語フォントを選ぶ事だけです。このPCBエディタの初期設定は、日本語書体が含まれていないストロークフォント(Stroke)になっていますので、日本語フォントの選択は必須です。
このフォントの選択は、文字を書き込む際に [Properties]パネルを使って、その都度行う事ができます。
[Properties]パネルでフォントを選ぶ
PCB上の文字(String)を選択した状態で[Properties]パネルを開いて使用するフォントを選ぶ。
例えば、[Micron]の代わりに[マイクロン]と記入したい場合などには日本語フォントを選ぶ。
使用するフォントによる見映えの違いを確認するために、PCB上に日本語を書き込んでみました。
使用するフォントによる見映えの違い
Altium DesignerのStrokeフォントと7種類のTrueTypeを使って配置した文字のスクリーンショット。
Strokeフォントの文字サイズ(Text Height)は、デフォルト値の60milで、その他のフォントは全て
100milに設定。日本語の書体を持たないStrokeフォントとArialでは日本語が再現されない。
MS UI GothicとMS P ゴシックはほとんど同じに見えるが、MS UI Gothicの方が文字列全体の
長さがわずかに短い。メイリオは文字が一回り小さく、文字列全体が極めて短く収まっている。なお、標準
ガーバー(RS274)フォーマットではTrueTypeで配置された文字や絵柄を出力することはできない。
Altium DesignerのPCBエディタでは抜き文字が簡単に作れる他、通常の文字入力と同じ手順でバーコードを生成する事ができます。
抜き文字とバーコードの配置
[Inverted]ボタンにより、抜き文字を配置する事ができる。またフォントタイプを
[Barcode]にする事によってバーコードを生成してPCB上に配置する事ができる。
もし、日本語を頻繁に使うような場合には、デフォルトを日本語 TrueType フォントに変更してしまった方が楽です。
このデフォルトの変更は、[Preferences]画面で行います。まず、[歯車ボタン]を押して[Priferences]画面を開き、左のツリーから[PCB Editor]を選びます。さらに、展開したリストから[Defaults]を選ぶとデフォルト設定画面が現れます。次に、表示されたページの左側にある[Primitive List]から[String]を選びます。そして、右側に表示された設定項目の[Font Type]を[Stroke]から[True Type]に変更し、[MS UI Gothic]などの日本語フォントを選びます。
さらに、もし部品の[Comment]にも日本語を使いたい場合には、左側の[Primitive List]から [Comment]を選んで同様に変更します。
[Preferences]画面-PCBデフォルトの変更
[Preferences]画面でデフォルトフォントを変更する。
頻繁に日本語を使用する場合にはこの画面で日本語フォントを選ぶ。
TrueTypeフォントには、数字やアルファベット、漢字、ひらがな等の通常のフォーマルな文書に利用する文字の他に、絵文字も多く含まれています。また、絵文字や様々な絵柄ばかりをTrueTypeフォントの形式で収容し提供されているものもあります。これらの絵柄は、通常のテキスト入力と同じ方法でサイズを決め、PCB上に配置する事ができます。
そして、PCB設計の分野でも絵柄の配置にTrueTypeが利用されており、その一つにMooretronicsフォントがあります。
このMooretronicsフォントは安全規格の認証マークをTrueType化したもので、次のような絵柄が含まれています。このフォントはこちらからダウンロードできます。
Mooretronicsフォントの絵柄サンプル
Mooretronicsフォントには安全規格の認証マークをはじめPCBで良く使われる絵柄が含まれている
そこで、このフォントをWindowsにインストールし、PCB上に絵柄を呼び出してみました。アルファベットの大文字と小文字にそれぞれ絵柄が割り付けられており、ワンストロークで呼び出す事ができました。
MooretronicsフォントをPCB上に配置
Mooretronicsフォントにはアルファベットの代わりに絵柄が割り付けられている
本来、Stringオブジェクトは文字の配置を前提としたものです。しかし、TrueTypeのフォーマットにさえなっていれば、何でも区別なく配置できますので、頻繁に利用するロゴなどの絵柄をTrueType化しておけば、省力化できるのではないかと思います。また、TrueType であればサービスマニュアル等で共用したい場合にも便利なのではないでしょうか。
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