今や日本でも、海外で開発されたソフトウェアが当たり前のように使われています。特に電子機器の開発に使用される専門性の高いツールは、ほとんどが海外製品です。そこで注意しなくてはならないのが日本語環境への対応です。アルファベットと数字で埋め尽くされた回路図であっても、日本語化が不十分だといろいろと不都合が出てきます。
しかし、Altium Designerでは画面の日本語表示はもちろんのこと、回路図やPCBにも日本語を自由に書き込めますので心配は無用です。
Altium Designerのユーザーインターフェイスは、メニューとダイアログボックス、そして、ツールヒントが日本語化されています。ツールヒントとは、マウスのカーソルをツールボタンに当てた時に表示される機能説明です。ただし、初期設定は英語表示になっていますので、何もしなければ画面は英語のままです。
この英語の画面は、次の手順で日本語化できます。
Altium Designerを起動後、メニューバーの右端付近にある[歯車ボタン]を押して[Preferences]画面を開きます。これにより、[System-General]というタイトルのページが表示されるはずです。もし、他のページが現れた場合には、左側に表示されるツリーから[System]を選び、その下に展開したツリーから[General]を選んでください。
この設定ページが表示されたら、その一番下のエリアにある[Localization]グループの[Use localized resources]にチェックを入れます。さらに、この下には、[Display localized dialogs]と [Display localized help only]、その右に[Localized menus]というオプションがあります。初期値として、[Display localized dialogs]と[Localized menus]にチェッが入っているはずです。この状態で[OK]ボタンを押せば設定変更は完了です。そして、Altium Designer を再起動すればこの設定が反映され、日本語の画面に切り替わりますます。なお、この設定はいつでも変更できます。
[Preferences]-[System General] ページ
[System General] ページの[Localization]で画面を日本語に切り替える。このページには
統合プラットフォームの表示や振舞いに対する基本的な設定を行う為の項目が用意されている。
Altium Designerでは、回路図とPCBレイアウトの両方とも日本語TrueTypeによる文字入力がサポートされていますので、一般的なWindowsアプリケーションと同じように簡単に日本語を書き込む事ができます。また、部品表や他の自動生成されるドキュメント等でも日本語を正しく取り扱う事ができます。
Altium Designerでは、回路図上のどこにでもTureType フォントを使って日本語を入力する事ができます。また、パワーオブジェクトなどのシンボルに含まれるテキストについても、フォントを自由に選ぶ事ができます。
漢字は小さくすると潰れてしまい、それを避けようとするとスペースを浪費してしまいます。このような場合、縮小しても破綻しにくい形状のフォントや文字幅の狭いフォントを選ぶ事によってスペースを節約する事ができます。なお、欧文フォントのまま日本語を書き込んだ場合でも日本語の部分が自動的に日本語フォント(MS UI Gothic)に置換えられますので、文字化けを起こす事はありません。
[Properties]パネルで個々にフォントを指定
回路図上で使用するテキストに対して、個々にフォントを指定する
タイトルブロック内へのテキストの書き込みも、フォントを自由に選んで行う事ができます。ただし、この場合、回路図シート(.schdoc)上ではなく、テンプレートファイル(.schdot)のスペシャルストリングに対してフォントを指定しなくてはなりません。タイトルブロック中の会社名に使用するフォントが決まっているような場合には、それをスペシャルストリングに対して設定しておけば、回路図にその設定が反映されます。
回路図上で使用するフォントは個々に選ぶ事ができますが、端子番号(Pin Number)と端子名(Pin Name)、及び他の一部のオブジェクトに対してはシートごとに一括指定する事もできます。
この指定は、[Properties]パネルで行います。回路図シートを開き、何もセレクトされていない状態で[Properties]パネルを開くと、中央付近に[Document Font]の設定項目があり、ここで、この回路図シートに使用するファントを指定します。
なお、このフォント指定は、端子番号と端子名、ポート名、図面枠のリファレンスゾーンに適応されます。
[Properties]パネルによるドキュメントフォントの一括指定
端子名と端子番号に使用するフォントは、ドキュメントフォントとしてシートごとに指定できる。
このドキュメントフォントは、ポート名、図面枠のリファレンスゾーンにも適応される
フォントの指定は、文字を入力しながらその都度行う事ができますが、常用するフォントをデフォルトに設定しておけば、その都度フォントを選択する手間が省けます。
デフォルトの変更は[Preferences]画面で行います。
まず、[歯車ボタン]で[Preferences]を開き、左のツリーから[Schematic]を選びます。そして、開いたツリーから [Defaults]を選ぶとデフォルト設定ページが表示されます。そして、表示されたページ左側の[Primitive List]から 対象とするテキスト(例えばText Frame)を選び、右側に表示された設定ページの[Font]の部分を変更します。 デフォルトは、[Times New Roman]になっていますので、これを[MS UI Gothic] などの日本語フォントに変更します。
[Preferences]-[Schematic-Defaults]でデフォルトフォントを設定
回路図上で最も良く使うフォントをデフォルトに設定する
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