初公開!Altium Designer 20の新機能

Judy Warner
|  Created: October 28, 2019  |  Updated: March 16, 2020

 

Judy Warner: アルティウムのVP of Corporate MarketingであるLawrenceからインタビューを始めたいと思います。今回のリリースで最も注目すべき点はどこでしょう? 

Lawrence Romine: 早くから寄せられているユーザーからのフィードバックを踏まえると、インタラクティブ配線の新機能です。これによって、Altium Designerは世界No.1の基板設計CADとしてさらにリードを広げることになるでしょう。Altium Designerの現在のバージョンで、すでにあらゆる機能を対応しているものの、Altium Designer 20では全体的なユーザー エクスペリエンスが向上しています。これまでを超える洗練されたスムーズな操作性は、どなたにもお気づきいただけるでしょう。高速設計や高密度設計では、使いやすさとスピードという点でまったくストレスなく仕事を進められます。Altium Designer 19では、レイヤースタックマネージャーと部品ライブラリに導入されたソルバー技術によって機能が強化されましたが、そこに今回の改良を組み入れることでデータ速度スペクトルの上端の遅延機能が一新されました。 

Warner: 次は、アルティウムのTechnical Marketing DirectorであるBenにお話を聞いてみたいと思います。日常業務に直接的に影響があり、ユーザーから好評を得られると考えられるのはどんな機能でしょう?

Ben Jordan: これは出費の問題に似ています。たとえば、こまごまとした雑貨、お茶やランチ、新しいTシャツ、Amazonでの衝動買い、電話の追加料金といった出費を月末に合算するとしましょう。それぞれの出費はそれほど大きくないのに合計するとかなりの金額になり、給料ぎりぎりで生活することになります。これは基板設計CADにも当てはまります。コンポーネントが欠落していたり、回路図コンパイルが低速だったりすると、あっという間に一日が終わってしまいます。膨大な数のマウスクリックや大量の編集が伴う配線となるとこれは特に顕著で、プロジェクトの時間や予算を浪費してしまうことになります。Altium Designer 20ではそんな事態を回避できます。細部の強化が多数行われた結果、莫大な時間を節約できるようになっています。たとえば、高密度BGAのフットプリント パターンのエスケープ配線では、角度を選ばない配線機能を使用して、完璧な正接円弧を自動的に追加できます。こうしたトレースの編集では、どの角度でもpush and shoveできるようになったため、高密度基板の配線がはるかに効率化されます。また、DirectXのさらに高速化された回路図エディタ エンジンや配線Glossingなど、多数の要素が強化されているため、大幅な時間の節約が実現します。時間短縮につながるこれらの機能は、古いバージョンのAltium Designerはいうまでもなく、Altium Designer 19と比較しても大きく改善されています。

Warner: Lawrence、この新バージョンで「控えめ」なものの、重要な点はどのようなことでしょうか?

Romine: 新しいSPICEエンジンは比較的地味な機能ですが、今後は大いに注目されることになるでしょう。SPICEは、アルティウムが長い間それほど注力してこなかった領域ですが、ツールセットに加えてほしいというユーザーの希望があることが判明したのです。Altium Designer 20のインターフェースはこれまでのバージョンと変わらないものの、ほぼすべてのモデルを使用できるようになっています。Altium Designer 19に採用されたソルバー技術と同様に、今回のリリースではSPICEがさらに強化され、エンジンで同様の円弧を使用できるようになりました。改良はまだ続きますが、現時点でもほぼすべてのモデルが機能します。率直に言ってこれは少し遅い対応ですが、これまでと同様に今後もしっかりと目を向けていく予定です。 

Warner: ではBenに伺います。Altium Designer 20で個人的に気に入っている改善点を教えてください。

Jordan: 全部と言いたいところですが、1つに絞るとすれば、リターンパスの空間に適用されるデザインルール チェックでしょう。この機能は、ほぼすべての設計者に大きな影響を及ぼします。EMIに関する問題への対処はつきものですから。PCBについては、テストや実環境で発生するEMI関連の問題の一番の原因は、不適切なリターンパス管理です。また、こうしたシグナルインテグリティ関連の機能は、アルティウムを業界の技術リーダーとしてさらに進化させています。実に目覚ましい成果です。

Warner: Lawrenceに伺います。アルティウムの開発に対してユーザーからどのように意見が寄せられていますか?特に、今回のリリースについてはいかがでしょうか?

Romine: これは比較的簡単です。PCBツール市場の第一人者となった今、私たちはいわゆる「ユーザーにとってなくてはならないツール」という考えをこれまで以上に真剣にとらえなくてはなりません。製品のユーザー数という点でNo.1になることはこの業界を転換する取り組み、つまりAltium 365のリリースの通過点にすぎません。確実に言えるのは、今の私たちには得るものより失うもののほうが多いということです。この転換を実現するには、開発に対するユーザーの意見を積極的に取り入れなければなりません。この取り組みはすでに始まっていますが、ごく近いうちにさらに具体的で明確なものになるでしょう。たとえば、Altium Designer 20の [Properties] パネルは、わずかな改良によって非常に便利になっています。このパネルは、Altium Designer 18のユーザー インターフェースで変更され、新規のユーザーは気に入ってくれたようでした。 — ところが、パワーユーザーからは、「残念ながら、あまり気に入りません」と言う丁重なフィードバックがありました。そこで、ベータグループと協力しながら改良を行いましたが、これには、かなり前向きなフィードバックが寄せられています。この非常に細かな改良は、ユーザーの声を踏まえて実現したものです。さらに、Altium Designer 20でのバグの修正はAltium Designer 19で行ったときのほぼ2倍となり、BugCrunchフォーラムでの投票数と比較して、かなり多くのユーザーに影響が及びました。Altium Designer 18以降、これは全体として上昇軌道に乗っています。アルティウムのフォーラムでははるかに有益な双方向のやり取りをしながら、有意義な方法ですぐに変化に対応できるようになります。 

Warner: ではBen、今回のリリースでユーザーからの声が反映されているのはどのような点でしょう?

Jordan: 追加された新機能や改善点はほぼすべて、ユーザーからのフィードバックや要望のほか、強化が必要な領域を明らかにしてくれるユーザー行動を観察した結果に基づいています。たとえば [Properties] パネルでは、共通のオブジェクトの属性をグループ化して一括で編集できますが、オブジェクトを手早く変更するにはダイアログのほうが効率的な場合もあります。そのため、単一のオブジェクトをダブルクリックして編集する場合、これまでと同じモーダル ダイアログが採用されています。また、ユーザーからずっと要望があった領域にも注力していくことになりますが、その1つがSPICEのシミュレーションです。Altium Designerのシミュレーターを試した技術者の多くから、対応していないモデルがあるとか、動作が遅いなどといった声が寄せられていましたが、今回のリリースではまったく新しいNGSPICEベースのエンジンが採用されています。これにより、今後は回路とPCBのシグナルインテグリティの両方で、これまでになかったシミュレーション機能が提供されることになります。言うまでもありませんが、この新バージョンにも過去のリリースと同様に、AltiumLiveフォーラムに投稿された数え切れないほどのアイディアが反映されているほか、バグも修正されています。

Warner: Lawrence、何か言い残されたことはありませんか? 

Romine: 私からは何も。Benはどうでしょう?

Jordan: 今回のリリースにあたって、製品チームと開発チームが本当に素晴らしい仕事をしてくれました。この新バージョンは、ユーザーにも気に入ってもらえるはずです。Altium Designer 20には、優れたUI、高度な新ルール、新しい回路図エンジンとシミュレーション エンジン、角度を選ばない配線とチューニングの機能が搭載されています。必ずや皆さまにご満足いただけるでしょう。

Warner: 貴重なお話をありがとうございました。

About Author

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Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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