私は長年にわたって小さなボートを所有しており、水上での趣味に使用していましたが、いくつかの重要なルールに従う必要がありました。ルールの1つは、ボートを水に浮かべる前に、排水プラグを必ず取り付けるということです。新しいボートをが沈んでしまい、回収するために泳ぐくらいなら、ただ泳ぐため水に入る方がはるかに安くつきます。
ルールは自分たちを保護するためのものだということは、誰でも知っています。しかし、不注意または意図的に、ルールが無視されることもあります。回路基板の設計にも、従うべきルールがあります。さいわい、今日のPCB設計ソフトウェアにはデザインルール チェック(DRC)が組み込まれています。設計者はこれらを使用するだけで十分です。
ルールは設計の失敗を防止するためのものです。
基板のDRC
回路基板の設計のサイズや複雑性にかかわらず、デザインルールのチェックは行う必要があります。特定の設計は非常に単純なため、DRCに時間を費やす価値はないと主張する人もいます。しかし、最も単純な設計でも、予期しない設計違反を見逃したたために、大きな問題を引き起こす可能性があります。DRCにより、設計を製造のため提出する前に、設計の整合性を確認できます。回路基板設計のDRCは、ツールごとに名前や説明が異なるため、基板設計ソフトウェアでレイアウトに対してチェックすべき、いくつかの一般的な要素を以下に示します。
基板のテクノロジーのルール: レイアウトツールでは、設計の各種物理パラメーターの有効性、たとえば物理レイヤーが正しく定義され、重複していないことをチェックできる必要があります。
フットプリント: レイアウトツールは、設計に使用されているフットプリントを個別に、またはバッチモードでチェックできる必要があります。
コンポーネント: レイアウトツールを使用して、コンポーネントが適切なフットプリント用に正しく設定されているかどうかをチェックできます。また、コンポーネントの間隔や位置が正しいことや、グリッド上またはグリッド外、および基板の予想される輪郭内に正しく配置されているかどうかもチェックする必要があります。
ネット: 基板上の電気的なオブジェクト(ピン、ビア、配線、フィル、プレーン)のクリアランスや、他の電気的な制約をチェックするよう、デザインルールを設定できます。
高速: 長さの一致、差動ペア、開始/終了点のネットルールなど、高速の制約を持つ設計を行う場合、レイアウトツールはこれらの制約もチェックできる必要があります。
設計の回路図側も忘れてはいけません。DRCは多くの場合、回路基板のレイアウトのみに関連付けられますが、回路図のルールチェックも同様に重要です。回路図エディターのルールチェックにより、プロジェクトのデザインが正しく整合しているかどうか、および個別のシートやシンボルに問題があるかどうかを確認できます。ネット接続の問題があるかどうか、回路図が物理的なレイアウトとどれだけ的確にリンクされているかを検証できます。更新されたライブラリ部品や、レイアウトに事前に注釈しておく必要があるルールや制約もチェックできれば理想的です。
DRCを使用して単純なエラーを見つけます。
DRCを実際に使用する
このストーリーの教訓は、これらのデザインルール チェックは全て、使用しなければ役に立たないということです。複雑なDRC設定を省略して、最低限またはデフォルトの設定のみを使用してチェックを行いたくなる場合もあります。それでも一部のエラーは確かに見つけられますが、単純なエラーが発見されず残ったままになる可能性があります。例えば、基板の背面にあるコンポーネントの配置が、影響を受けやすい部品と近すぎる場合を考えます。このような違反が見逃されると、最低でもプロジェクトのスケジュールが遅延し、最悪の場合には大量の不良基板が製造されてしまう可能性もあります。これによってコストの予定超過、スケジュールの遅延、さらには失業までもが引き起こされます。
排水プラグを再取り付けせず、ボートを水に浮かべたことがありますか? もしあるなら、ボートがどれだけ短時間で沈んでしまうかをご存じでしょう。PCB設計では、DRCを使用しなければ、同じように短時間で設計が失敗する恐れがあります。しかし、設計ツールのDRCを最大限に利用すれば、スケジュールの遅延により厳しい作業を強いられることや、不良基板が製造されることを回避できます。Altium Designer 17のような高度なPCB設計ソフトウェアは、設計の失敗を避けるため役立ちます。
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