わずか4つのステップで電源分配ネットワークを最適化する方法

David Haboud
|  投稿日 二月 21, 2017  |  更新日 十一月 23, 2020

 

最近の設計者は、電源分配ネットワーク(PDN)インテグリティという、従来考える必要のなかった問題に直面しています。私たちは皆、何十年もの間、シグナルインテグリティーの必要性を感じてきましたが、その間、パワーインテグリティーは、脇に置かれてきました。従来は、専用の電源プレーンを使用するスペースが多くありました(動作に必要なものをデザインに容易に含めることができました)。

 

しかし、設計の物理的な制限を押し広げ、より小さなフォームファクターに、より多くのコンポーネントを詰め込み続ける中、フォームファクターの縮小を続けながらPDNを最適化する方法が必要となっています。物理的な試作やシミュレーションのエキスパートに頼らないで、設計環境で直接、電源プレーンの形を最適化できれば、どうでしょう?

 

PDN Analyzer powered by CST®は、Altium Designerワークスペース内でPDNインテグリティーへの道を提供します。従来は非常に長く骨の折れた解析プロセスを、単一の設計環境で完了できる複数のステップに分割できるようになりました。リアルタイムで変更を行い、解析を再実行できます。

 

PDN Analyzerを使って、わずか4つのステップで簡単にPDNを最適化できる方法を説明します。

 

 

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構成されたPDN Analyzer設定

 

 

1. ソース電源ネット、負荷電源ネット、GNDネットを定義する

電源ネット、負荷ネット、GNDネットを選択することによって、DC電源で解析可能なコンポーネントを全て見つけることができます。これには、解析対象のネットを選択するだけです。PDN Analyzerが、既存の受動素子を利用して自動的に信号経路を作成し、ネット間のギャップを埋めます。ネット間の接続を全て追跡する必要はありません。

 

 

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PDN Analyzerでソース、負荷、GNDネットを定義する

 

 

2. 対象となる特定のDC電源に対して、ソースデバイスや負荷デバイスを定義する

全てのソースと負荷はフィルター処理され、DC電源の全てのネットに接続されているコンポーネントのみが表示されます。時間を無駄にせずに、解析のための重要な負荷を簡単に識別できます。デザインの全てのコンポーネントを調べ、適切なコンポーネントを探します。

 

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PDN Analyzerでソースデバイスと負荷デバイスを定義する

3. ソースネット電圧と最大電流を定義する。

ソースからの電圧と電流を定義することは、解析でPDNがどのように動作するかを判断するのに重要です。PDN Analyzerでは、設計の上限と下限をテストできます。例えば、電流密度の高い領域や予期しない電圧降下の領域を視覚的に確認できます。

 

これらの領域を識別すれば、変更が必要な領域を表示することで、電源の範囲を容易に最適化できます。デザインから削除すべき共振構造が見つかるという利点もあります。

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定義されたソースパラメーター

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定義された負荷パラメーター

4. 特定の電源ネットに対して、負荷ネット電流および最低電圧レベルを定義する

必要な電圧およびコンポーネント負荷からの電流を解析し、PCBでのそれらの適切な利用が可能になります。電圧や電流密度のフローを視覚化すれば、設計が意図したように機能するという安心感が生まれ、また、リターン電流に関する問題を設計で簡単に見つけることができます。

 

PDN解析を全てのPCB設計者に利用できるようにする

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負荷からソースへの電流密度プロット

 

これらの4つのステップで、あらゆる経験レベルの設計者が、電源の範囲を縮小、リターン電流の最適化、共振するGNDの削除など、PDN解析の恩恵を受けることができます。設計時にPDNを最適化したい場合は、今すぐPDN Analyzerの無料トライアルに登録してください。

筆者について

筆者について

David Haboudは、Altiumのプロダクト マーケティング エンジニアです。南カリフォルニア大学で、コンピューター アーキテクチャとハードウェア/ソフトウェア設計に重点を置き、電気工学を学びました。Davidは、航空宇宙産業で組み込みソフトウェア技術者としてキャリアをスタートさせました。以来、ハードウェア技術者とソフトウェア技術者間でコミュニケーションをもっと簡単にできるように努力してきました。組み込みソフトウェア技術者時代は、補助電源ユニット向けのファームウェア開発やデータ収集に取り組んでいました。余暇には、カリフォルニア州サンディエゴで、即興劇やスタンドアップ コメディ イベントを主催し、自身も舞台に立っています。

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