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    PianoArc: 第一人者や大スターにふさわしい円形ピアノ

    Judy Warner
    |  September 27, 2019

    Lady Gaga's circular pianoman

     

    今年初め、私はSan Diego Altiumユーザーグループで、非常に魅力的な設計者に会う機会がありました。Dave Starkey氏は、自身がパートナーとともに設計し製作した、PianoArcという円形のピアノについて語ってくれました。このインタビューでは、Starkey氏の経歴に加えて、中東のとある宮殿に飾られており、またLady Gagaのキーボード奏者であり、このPianoArcを考案したBrockett Parsons氏によって世界各地で演奏されている、この独創的な楽器を、どのようにして彼が共同制作するに至ったのかを紹介しましょう。

     

    Dave Starkey氏とBrokett Parsons氏のAbu Dhabi訪問

    Dave Starkey氏とBrokett Parsons氏のAbu Dhabi訪問

     

    Judy Warner: Dave、あなたの技術者としてのキャリアと、どのような経緯でPianoArcの設計と開発を行うことになったかを話してください。

    Dave Starkey: 私は高校で、プロの音楽家になるか、それが無理なら楽器を作る仕事に就こうと決めました。音楽家になることが無理なのは、あまりにも明らかでした。そこで、私はPurdueでBSEEを取得するため学業に勤しむかたわらで、電子楽器を可能にしたテクノロジーに注目しました。その後、多くの年月をさまざまな音楽関係の製品の設計に費やし、16の特許を取得して、自分のエンジニアリング会社をナショナル・セミコンダクターに売却しました。ナショナルを離れた後で、私はアコースティックピアノでMIDIを生成するシステムを開発しました。私は、大学の音楽教育研究室の開発および設置の仕事を行っていたChuck Johnsonと親しくなりました。ChuckとBrockett Parsonsは大学で一緒にジャズバンドを組んでいました。Chuckはキーボード、Brockettはトランペットのパートでした。Brockettはその後スタジオのキーボードプレイヤーとなり、リアリティTVで賞を獲得し、その後Lady Gagaのバンドに加わりました。Brockettは、ピアノを視覚的な表現にするという構想を抱いていました。これは、Gagaの派手なステージにおいて彼がほとんど目立たなかったためです。

     

    Dave StarkeyによるPianoArcのテスト

    Dave StarkeyによるPianoArcのテスト

     

    このとき、BrockettはChuckを呼び出しました。Chuckは私に連絡して、私のシステムを円形のキーボードに組み入れることが可能かとたずねました。私はこのような課題に取り組むのが大好きなので、一緒にこの問題に挑戦することにしました。私はAltium Designerを使用して、既存のPCBのいくつかを再設計し、既存のキースキャンシステムを再構成しました。最初の製品は約3か月後に完成しましたが、重さが900ポンド(約408kg)もありました。この最初の製品はまったく量産できるものではなく、再現すら不可能でした。

     

    Brockett Parsons氏とLady Gaga

    Brockett Parsons氏とLady Gaga

     

    Warner: Pianoarcのどのような機能が、音楽家たちの注目を集めたとお考えですか?

    Starkey: まず、ステージで非常に目を引いたことでしょう。しかしそれだけではなく、色分けされた288ものキーにより完全な音のパレットを連続したプレーンにマップすることが可能です。例えば、Brockettはよく正面のピアノを演奏し、右側には大音量のシンセサウンドが、左側にはストリングが、後ろにはドラムキット一式が並びます。キーの連続的な位置検出により、このキーボードは市場のどんなキーボードよりも速くリピート演奏が可能です。ここが注目を集める部分でしょう。確かにこの製品は斬新なものですが、それだけでなく市場で最高のキーボードコントローラーです。

     

    カスタマイズされたPianoArc用のピアノキー

    カスタマイズされたPianoArc用のピアノキー

     

    Warner: PianoArcを開発する上でのエンジニアリングの課題は何でしたか?

    Starkey: たくさんありますが、挙げてみましょう。

    • 高価な工作機械を使用せずに製造できるように設計する。

    • キーを製造するために適した材料を見つける。スペースにうまく収まり、仕上がるようにするために、8回は作り直しました。

    • 輸送可能なよう軽量化する。最初の製品は900ポンドありましたが、新しい製品は出荷用ケースに収納しても300ポンドです。

    • モジュールごとに製作し、組み立てや撤収を数分で行えるようにする。

    • 一般的な運送車で輸送可能にする。できれば航空機にも持ち込めるようにする。

    • 試作の資金を調達して製作する。

    • 回路基板がキーの機械的な同期システムの一部になるところまで設計を進める。

    • コストを下げる方法を見つける。

       

    ネオンライトで照らされたPianoArc

    ネオンライトで照らされたPianoArc

     

    今日の世界では、キーボードは高価な工作機械を使用して大量生産されます。私たちのエンジニアリング予算は乏しく、工具用プラスチック部品はあまりに高価です。300のキーを3Dプリントするのは極めて高価で、音楽家が希望する価格にはとても収まりません。そこで、私たちは開発のあらゆる段階で熱心に私たちを支援してくれる、非常に協力的な機械工場を見つけました。多くの種類の材料とプロセスを試した結果、ようやく現在のキーに辿り着きました。要するに、この製品の設計は非常に大変でした。

     

    設計フェーズで使用された基板とキー

    設計フェーズで使用された基板とキー

     

    Warner: それでは、内部でどのようなPCBが使用されているのですか?

    Starkey: 現在の設計は5つのPCB設計にまとめられており、合計34のPCBアセンブリで、全周囲360度にわたる、288音階のシステムを構成しています。これらのPCBのうち13は4層で、他のPCBは2層です。ラックマウントのコントロールボックスにも4層PCBが使用されています。これらの基板には、合計18のKinetisマイクロプロセッサが搭載されており、それぞれにUSBポートが付属しています。円内のすべてのプロセッサはコントロールボックスと通信を行い、コントロールボックスがすべての情報を集約して変換します。そのデータは、USBや、従来型のMIDIを使用して、コンピューターやシンセサイザーに送られます。

     

    展示会に参加したPianoArcチーム

    展示会に参加したPianoArcチーム

     

    Warner: 市場の観点から、PianoArcはどのような層にアピールしましたか?

    Starkey: 製品を市場に合わせるのは難しい課題です。多くの人たちにとって、私たちの提示した価格は法外なものでした。それでも、ピアノやキーボードの熱心なファンで、注目を集めることを望んでおり、自分の演奏機材を刷新するために多額を投じられる人たち、たとえばトップスターや、スタジアムを満員にするような大物スターなど、一般に傑出した人々が存在します。

     

    円形に収まるよう機械加工およびカスタマイズされたピアノキー

    円形に収まるよう機械加工およびカスタマイズされたピアノキー

     

    Warner: Dave、PianoArcの開発についての話を聞かせていただきありがとうございました。また、San DiegoのAltiumLiveでPianoArcを展示し、Brockettによる演奏まで手配してくださったことには、大いに感謝しております。私たちは、PianoArcを目にし、Brockettによる演奏を聴くことに大きな期待を寄せています。

    Starkey: ありがとうございます、Judy。私たちも、AltiumLiveのコミュニティにPianoArcを紹介できることに期待しております。

    About Author

    About Author

    Judy Warner has held a unique variety of roles in the electronics industry since 1984. She has a deep background in PCB Manufacturing, RF and Microwave PCBs and Contract Manufacturing with a focus on Mil/Aero applications in technical sales and marketing.
    She has been a writer, contributor and journalist for several industry publications such as Microwave Journal, The PCB Magazine, The PCB Design Magazine, PDCF&A and IEEE Microwave Magazine and is an active member of multiple IPC Designers Council chapters. In March 2017, Warner became the Director of Community Engagement for Altium and immediately launched Altium’s OnTrack Newsletter. She led the launch of AltiumLive: Annual PCB Design Summit, a new and annual Altium User Conference. Judy's passion is to provide resources, support and to advocate for PCB Designers around the world.

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