AltiumLive 2018: 年次PCB設計サミットの予告と基調講演紹介

Judy Warner
|  投稿日 八月 15, 2018  |  更新日 十二月 11, 2020

はじめに、アルティウムを代表して私個人が皆様を第2回AltiumLive PCB設計サミットに招待いたします。

開催地: 米カリフォルニア州サンディエゴ、ロウズコロナドベイリゾート

開催日: 2018年10月3~5日

ロウズコロナドベイリゾート

 

アジェンダ: 2018年10月3日、University DayおよびHigh-Speed Day(オプション)

  • アルティウムのトレーニングチームにより、Altium Designerの12トラックが終日提供されます。
  • 並行して、Lee Ritchey氏による高速設計の1日コースが行われます。

 

*定員は160人です。お早めにご登録ください。

 

  • カクテルタイム: 「ハッピーアワーをHappy Holden氏と」およびAltiumLiveキックオフ(参加者は3日間を通して入場できます)
  • Happy氏から、氏の著書の「HDIハンドブック」のデジタルコピーが配布されます(参加者ごとに1部提供)。また、「PCBハンドブック」のコピーが配布されます(部数限定)。

 

 

10月4日: メインセッション1日目

  • 基調講演: Eric Bogatin氏とJeremy Blum氏の2名
  • 3つの専門的な開発設計コース
  • Altium Designer 19の公開
  • 6つのブレークアウトセッション(ユーザおよびサプライチェーン専門家)
  • すべて食事付き
  • カクテルタイム、夕食、ロボット競技

 

10月5日: メインセッション2日目

  • 基調講演: Rick Hartley氏とBil Herd氏の2名
  • 2つの専門的な開発設計コース
  • 6つのブレークアウトセッション(ユーザおよびサプライチェーン専門家)
  • すべて食事付き
  • 閉会式と抽選会

 

2018年サンディエゴの基調講演

 

                                   Dr. Eric Bogatin氏                               

シグナルインテグリティのエバンジェリスト, Teledyne LeCroy

 

経歴: Eric Bogatin氏は現在www.beTheSignal.comのTeledyne LeCroy Signal Integrity Academyの学部長です。また、米コロラド大学ボルダー校のECEE学部の非常勤教授でもあります。Bogatin氏はMITから物理学の理学士号を、ツーソンのアリゾナ大学から物理学の修士および博士号を授与されています。ベル研究所、Raychem、サン・マイクロシステムズ、Ansoft、Interconnect Devicesで上級エンジニアリングおよび管理職を勤めました。現場で6冊の技術書を執筆し、シグナルインテグリティについて全世界で講義を行ってきました。妻のSusanとともに1990年に設立したBogatin Enterprisesは、2011年にTeledyne LeCroyにより買収されました。2013年にライブのパブリッククラスを終了した後、Webポータル「Signal Integrity Academy」を設立し、個人および企業向けにクラスおよびトレーニングコンテンツ提供に労力を注いできました。

 

トピック: ホワイトスペースの価値をどのように教えるか: コロラド大学ボルダー校でPCB設計クラスの前期に1つの講座を作成した経験

このプレゼンテーションでは、Eric氏が回路基板設計について学生に教授してきた経験から、最も重要な設計原則についていくつかの見解を解説します。氏は、イベントに参加するすべての人に対して、電子機器の設計を最初に行った頃、さらに直面した課題について振り返ることを推奨しています。設計者に対しては、プリント回路基板の設計について、(今はマスターしている)最も重要な原則の1つか2つを学校で学んでいれば、業務がずっと楽になったであろうことを考えるよう求めています。Eric氏は、サミットでこれらの見解を耳にすることを期待しています。

 

Dr. Bogatin氏からのコメント

「私は、コロラド大学ボルダー校で学部生や院生向けのPCB設計コースで教えています。私が学生に教えることを楽しんでいる理由の1つは、若い人たちの頭に、自分が最適と考えることを植え付けたいためです。」

 

Jeremy Blum氏

ハードウェア責任者, Shaper Tools

Jeremy Blum氏はShaper Toolsのハードウェア責任者で、コンピュータービジョンを使用して、携帯パワーツールの使用方法の変革を目指しています。Jeremy氏はShaperに入社する前はGoogle [x]で機密プロジェクトの主任電気アーキテクト/エンジニアを勤めていました。いくつかの特許を保有しており、Forbesの2017年「30-Under-30」リストに名を連ねています。

Jeremy氏は義手構造物に登れるロボット3Dプリンターホームオートメーションシステムを設計してきました。Jeremy氏の著書(Arduino探求)ブログ動画は全世界で数百万人の人々によって、電気工学と組み込みソフトウェアの設計を学ぶため活用されています。Jeremy氏は、プライベートの時間をインターネットに「モノ」を接続して楽しんでいます。最近では帽子、傘、日よけ、木などが彼の犠牲になりました。Jeremy氏は自分のWebサイトJeremyBlum.com上に、自分の各種のプロジェクトについてアクティブなアカウントを維持しています。

 

トピック: エンジニアからアーキテクトへ: システムレベルの設計思考法を活用する方法

製品がますます複雑化するにつれ、電気技術者やレイアウト設計者だけでは要求に対応することが難しくなってきています。今日の電気技術者は、機能、製造の現実性、美観を同時に満たすような優れた製品を構築するため、設計の思考法を実践して機械技術者、産業向けデザイナー、ソフトウェア技術者、製品マネージャーとの間で効果的に連携を行う必要があります。電気技術者でシステムアーキテクトであるJeremy氏が、設計の思考原則を活用して、重要な技術の核心を見失うことなく、システムレベルで製品の構造設計を行う方法について解説します。

 

Jeremy氏からのコメント

「製品がますます複雑化するにつれ、電気技術者だけでは要求に対応できなくなりつつあります。AltiumLiveでは、今日の電気技術者にとって、機能、製造の現実性、美観を兼ね備えた優れた製品を構築するため、馴染みのある技術分野以外のどのような分野に足を踏み出す必要があるかについて解説します。また、皆様から新しい情報を学べることにも期待しています。」

 

Rick Hartley氏

RH Enterprises、L-3ミサイルシステムの元主管技術者, シグナルインテグリティ/EMI専門家、教師

 

経歴: Rick Hartley氏はL-3 Avionics Systemsを最近退職した元主管技術者で、現在はRHartley Enterprisesの社長としてコンサルティングや教育を国際的に行っています。Rick氏はEMI、ノイズ、シグナルインテグリティの問題を防止または解決するための正しい回路およびPC基板の設計を主眼としています。米国および他の12か国の主要な企業に対してコンサルティングを行ってきました。職歴はコンピュータ、電気通信、航空電子装置に加えて、自動車や家電機器の分野にも及んでいます。Rick氏はIEEE EMC Symposium、PCB West、IPC Apex/Expoなど各種のコンファレンスのセミナーで講義を行っています。過去にPrinted Circuit Design誌の編集審査会のメンバーを勤めており、ノイズ、EMI、シグナルインテグリティの制御方法について多くの技術資料や記事を著しています。

 

ここをクリックすると、AltiumLiveで行われるRick氏の講演について、OnTrackポッドキャストを視聴できます。

 

トピック: PCBの積層の大きな重要性

PC基板の設計者や技術者のうち、EMIや他の形態の干渉について十分に理解している人々は、これらが物理的な現象であり、PC基板のレイアウトで何かが不十分、または完全に間違っているために起きるということを理解しています。

設計においてコントロールする要素のうち、最も重要なのはPCBの積層です。確かに配置、配線などの要素も重要ですが、基板の積層が不適切なら、他の全ての要素も定義上不十分になってしまいます。基板の正しい積層を最優先にする必要があります。

この基調講演では、この言葉がなぜ真理なのかということを説明し、2層、4層、6層、さらには60層の理想的な基板の積層を作成する方法について解説します。また、最も一般的に使用される4層および6層の基板積層の一部が致命的に間違った考えである理由と、なぜこれらが干渉を引きおこすのかについても解説します。そして最も重要な点として、どのように修正すればよいのかについても説明します。

Rick Hartley氏からのコメント

「積層について、干渉の問題を確実に引き起こす、致命的に誤った考えがいくつかあります。私の基調講演では、なぜそれらの考えが間違っているのかについて説明し、最も重要な点として、設計が4層基板であれ60層基板であれ、問題を解決する方法について解説します。また、サンディエゴの美しい景観の中で技術者の皆様とお会いし、PCB設計の複雑性に特化してお互いに学ぶことができる、めったに得られない機会には大いに期待しています。」

 

Bil Herd氏

CEO、MCG、LLC

 

経歴: Bil Herd氏はコンピューター技術者で、1980年代初頭から中盤にかけて、Commodore Business Machinesに勤務して、いくつかの8ビットの家庭用コンピュータを設計しました。Herd氏は最初にCommodore Plus/4、C16/116、C264、C364コンピュータの主管技術者として設計作業を行い、その後Commodore 64の上位互換の後継機として、デュアルCPU、トリプルOSのCommodore 128を設計し、より大きな成功を収めました。Herd氏はC128より前に、Commodore LCDコンピューターの初期アーキテクチャーを開発しましたが、これは発売されませんでした。

Herd氏はCommodoreを退職した後、マシンビジョンに重点を置いて、より高速で強力なコンピューターの設計を続けており、n次元パターンマッチングに関する特許を共同で所有しています。またHerd氏はIndian Valley Mfg.での勤務中、1986年に車両用超音波バックアップセンサーを設計しました。これは今日の多くの自動車に見られる機能です。

それ以降、Herd氏は起業家として、いくつかの小さな企業を所有しています。近年の低レベルのコンピューターハッキングについて、Jeri Ellsworth氏により設計されたC64 DTV製品のスプライトロジックコードのスニペットに貢献しています。

Bil Herd氏は現在、Hackaday用の動画を制作しており、Commodoreと家庭向けコンピュータの成長の初期を描いたドキュメンタリー「8ビット世代の成長」(別名「Commodore戦争」)に出演し、ナレーションを行っています。さらに氏はドキュメンタリー「Atariの運命: 言うは易く行うは難し」でもナレーションを行っており、「8ビット世代」ドキュメンタリーシリーズの公式なナレーションになっています。

トピック: Bil Herd氏とのパネルディスカッション — Commodoreの体験: ホームコンピュータの初期世代におけるエンジニアリング

Bil氏がCommodoreの製品を立ち上げ、ホームコンピュータの市場を生み出し、発展させるためにどのような役割を果たしたか、氏の経験を語ります。また、Hackaday vlogと、現在行っている作業についても解説されます。さらに、この対談はオープンなので、皆様からの質問も受け付けます。

Bil氏からのコメント

「私がこの仕事を始めたのは、紙テープと手書きの回路図が使用されていた時代でしたが、物理法則は当時も今も変わっていません。配線をより早くレイアウトできるようになり、インピーダンスの計算の二重チェックをツールが自動的に行ってくれるようになっても、物理法則の制限を受けることは昔と同じです。幸運にも私たちは、基板が最初からうまく動いてくれるよう願っていた時代から、うまく動くだろうと信じられるように変わってきました(ただし今でも、普通は設計のたびに最低1つのフットプリントは間違えてしまうものですが)。今では、ツールが愚かな間違いを防いでくれ、その代わりに非常に巧妙な間違いを見出す必要がありますが、そのようなツールがまだなかった時代を思い返してみましょう。また、専門家の発言者の皆様から、私の作業をより的確に行う方法をお聞きすることにも期待しております」

 

今回のイベントの内容についてご紹介した予告を見て、イベントに参加して頂けることを期待しております。今すぐAltiumLiveに登録し、今年唯一の、純粋にPCB設計に特化したイベントをご予約ください。これ以外にも多くの催しが用意されています。ぜひお見逃しなく。晴れ渡ったサンディエゴで、集まった技術者や専門家と共に学び、関係を深め、アイディアを共有しましょう。

 

 

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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