適切なPCBデザインパッケージを利用すると
こうした古い携帯電話のレイアウトを再利用することもできます
最近、新しいパソコンを購入しました。古いハードドライブのデータが「魔法にかかったように」壊れはじめたせいです。新しいパソコンに入り込んでデータを移し替えると、昔のデータを再利用できなくなるのではないかと不安になりました。テキストファイルや画像のような単純なものなら、問題はありません。ファイルをすぐに開き直して再利用できます。PCB設計データを利用すれば、古いレイアウトを新しいプロジェクトで当たり前のように再利用したくなるかもしれません。場合によっては、地球の反対側のユーザーと設計を共有し、プロジェクト内のすべてのデータにアクセスできるようにしたいと考える可能性もあります。
この場合、Altium Designerの新しいバージョンで以前の設計データを利用できるようにするために、注意すべきことがあります。Altium Designerのライブラリ管理機能を使用すれば、古い設計データを新しいプロジェクトに簡単にインポートし、新しい設計で使用することができます。Altium Designerで古いデータを再利用する方法について、いくつか見ていきましょう。
古い基板レイアウトを新しいプロジェクトで再利用する方法はいくつかあります。回路図および基板レイアウトはライブラリのコンポーネントデータに依存するため、設計データがこのデータに適した位置を指していることを確認する必要があります。例として、Altium Designer 19で作成した回路図およびレイアウトを見てみましょう。このレイアウトと回路図には、「Miscellaneous Devices」ライブラリ(Altium Designerに付属している)の100pFコンデンサーと、ATMega328Pマイクロコントローラーが含まれています。マイクロコントローラー用の統合ライブラリは、インターネットからダウンロードしたコンポーネント データから作成しました。
回路図と基板レイアウトは独自のプロジェクトで作成されたもので、回路図ファイルとレイアウトファイルはローカルハードドライブに保存されています。これらのファイルを別の設計者に転送するシミュレーションを行うため、私は新しいプロジェクトを作成し、Altium Designerの[Components] パネルからATMega328Pマイクロコントローラーライブラリをアンインストールし、コンピューターから統合ライブラリファイルを削除しました。
回路図ファイルと基板レイアウトファイルを新しいプロジェクトで開くだけの場合は、フットプリント シンボルと回路図シンボルを表示できますが、コンポーネントのデータにアクセスすることはできません。コンポーネントのプロパティ(PCBエディターの [Properties] パネル) を調べると、次のエラーが表示されます。
基板レイアウトの再利用中のコンポーネントデータエラー
画像の右側を見ると、[Source] ドロップダウンメニューがグレーアウトされています。省略記号をクリックすると、上記のメッセージボックスが表示されます。レイアウトと回路図を別のECADプログラムから移行する場合、関連するコンポーネントデータがライブラリに含まれていないと、同じ問題が発生する可能性があります。これにより、シミュレーションを実行する場合や、ボードの部品表をコンパイルする場合に問題が発生します。Altium Designerは、コンポーネントに関連するモデルを推測しようとしますが、これは必ずしも正確とは限りません。
デザインでコンポーネントの欠落データが少ない場合は、足りないライブラリをインストールするだけで済みます。上図のエントリーは、[Library] 欄にリストされている特定のファイルを指していることに注意してください(ハードドライブのAD19-> Libraryディレクトリーを参照してください)。ライブラリ名が、[Properties] パネルで参照されている名称と一致していることを確認する必要があります。
この場合、コンポーネントデータを格納するコンピューター上の場所に統合コンポーネントライブラリをコピーします。[Components] パネルを開き、下図のエントリーをクリックします。使用可能なライブラリのリストが開きます。欠落しているライブラリを、このウィンドウから手動でインストールできます。
基板レイアウトの再利用中のコンポーネントデータエラー
Altium Designerはすぐに更新され、以前の画像のエラーはこれ以上発生しなくなります。これは、古い基板レイアウトを再利用する際に欠落しているコンポーネントデータエラーを解決する1つの方法です。ただし、設計データを共同作業者と共有する必要が明らかな場合、必要なデータをすべて統合ライブラリにパッケージ化し、統合ライブラリと回路図/レイアウトデータを共有することになります。
この問題を回避するために、古いデータから統合ライブラリを作成できます。このライブラリには、古い基板レイアウトを再利用する際に、回路図およびレイアウトドキュメントを対応するために必須のデータが含まれています。
設計データを共有する場合は、統合ライブラリを共同作業者と共有するだけです。または、このライブラリの共有を保留し、データを後で使用することもできます。関連するコンポーネントデータにアクセスする準備ができたら、ライブラリをAltium Designerにドラッグし、[Install Library]をクリックします。[Extract Sources]をクリックして、PCBlib、およびSchLibデータにアクセスすることもできます。
統合ライブラリからデータを導入して抽出
Altium Designerで古い.pcbDocファイルを開くと、任意のコンポーネントのpropertiesパネルに移動し、プロジェクト用に作成した統合ライブラリにデータを再割り当てできるようになります。これにより、レイアウトは、ファイル構造内に存在しないライブラリを指すのではなく、古いプロジェクト専用の統合ライブラリファイルを参照するようになります。
統合ライブラリからデータを導入して抽出
Altium Designerのスニペット機能は、古いレイアウトの一部だけを取り出して新しいデバイスで再利用できる優れた方法です。このプロセスでは、レイアウト内の回路図の一部やその関連部分を選択し、新しいプロジェクト内に簡単に配置できるブロックを作成できます。これは、上で説明したものとは異なるプロセスに従っていますが、新しいデザインを作成するときに「車輪の再発明」に陥るのを防ぐことができます。
PCB設計ソフトウェアに包括的なライブラリとデータ管理機能のセットが含まれている場合、基板レイアウトの再利用がはるかに簡単になります。Altium Designerは、データを完全に制御できる唯一のプラットフォームであり、設計データを共同作業者と簡単に共有できるツールを提供します。Altium Designerに組み込まれた統合ライブラリ機能を使用して、設計を他のユーザーと共有できます。
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