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Altium Designer - 回路・基板設計ソフトウェア

EMI/EMC設計: AC信号およびDC信号の絶縁によるPCBノイズリダクション EMI/EMC設計: AC信号およびDC信号の絶縁によるPCBノイズリダクション AC信号およびDC信号は、動作のために両方を使用するデバイスにとって重要です 高校で、物理の先生がいつもEdisonとTeslaの「電流戦争」について話してくれたものです。当時は、Edisonが直流送電(DC)を好んで使用し、Teslaが交流電力(AC)を好んだ理由など、全く関心がありませんでした。それが、PCBのACシステムとDCシステムの間で起きる「電流戦争」を直接体験するようになって変わりました。今日、多くのPCBはACとDCの両方の回路を使用します。ACとDCがぶつかると、多くの場合電磁妨害(EMI)という形で問題が起きます。幸い、「電流戦争」と同じように事態は治まります。最新のPCBでは、ACとDCの信号は協調的に共存できます。カギは絶縁です。 電磁妨害からの絶縁 AC回路とDC回路の間の干渉を管理する簡単な解決策がいくつかあります。主に、コンポーネントの遮蔽、システムの隔離、専用電源、十分な基礎知識、非橋絡絶縁などです。 遮蔽: ご存知のとおり、EMIを放射する可能性のあるコンポーネントはPCBに多数あります。電源、ICクロック、オシレーターなど、いずれもACコンポーネントと干渉する可能性があります。「ノイズを発する」DCコンポーネントからのEMIを制限する、あるいは影響されるACコンポーネントを保護する方法の1つとして、ノイズの単純な遮蔽があります。遮蔽は基本的に、筐体内の空気を通じて放射されているEMIが遮蔽された回路を妨害しないことを保証します。したがって、保護や制約が必要なものがある場合は、人類が何百年も行ってきたことを行い、金属ボックス内に配置します。マルチレイヤー基板がある場合は、シールドとしてグランドプレーン層を使用することもできます。効果的である一方、遮蔽は基板の重量とコストが増加するので、EMIの低減と他の問題とを注意深く比較検討してください。 基板が単純でも複雑でも、AC/DCの隔離によるメリットはあります 隔離: EdisonとTeslaが同じ部屋にいたら、お互いに聞きたいことが必ずあったはずです。ないとすると、より物理的な妨げによるものでしょう。幸い、この2人は通常離れていたので、ACコンポーネントとDCコンポーネントはそれぞれの導線につながっていたはずです。チップでもトレースでもACシステムとDCシステムをPCB上に相互に離して配置すると、システム間に「クロストーク」がない状態を確保できます。ACとDCのシステム間に物理的な距離をとる十分なスペースが基板上にない場合は、隔離が必要なコンポーネント間のグランドプレーンにギャップを設けることもできます。グランドプレーンのギャップは、プレーンを流れる電流を強制的にギャップの周りに流します。この方法は、戦略的に使用して、反応しやすいシステムの周りに電流を経路変更できます。要するに、配線を交差しないということです。単純な回路では簡単にうまく隔離できますが、より複雑な回路ではかなり難しくなります。ACとDCの隔離のために最善を尽くしてください。ただし、最適な結果を得るのは難しい場合があることを覚えておいてください。 電源: 各AC/DC PCBでは、ACコンポーネントとDCコンポーネントに別々のパワーレールが必要です。DCコンポーネントは、電源からスパイクを引き起こし、電圧過渡になる可能性があります。ACコンポーネントはこの電圧過渡で動作する(あるいは動作しない)場合がある一方で、このとき最高能力で動作することはありません。電圧過渡が極端な場合、ACコンポーネントはエラーを発生するか、完全に動作を停止します。電源を別にすることは不便かもしれませんが、チップが動作しないよりはましです。 接地: ご存知のように、AC/DC回路の接地は複雑な問題です。あまりにも複雑なため、この記事では完全に掘り下げて考えることができません。しかしながら、アドバイスを提供することは可能です。接地グリッドまたはプレーンの電流のリターンパスを確認してください。DC電流は、最小の抵抗性インピーダンスパスに流れる一方で、ACのリターン電流は最小のリアクタンス性インピーダンスパスに流れます。ACのリターン電流では、最小リアクタンス性インピーダンスのパスは常にトレースの下にあります。リターンパスは忘れがちですので注意してください。グランドプレーンをチェックして、電流のリターンパスをトレースしてください。前の「隔離」の推奨事項も適用して、配線が見えない場合も、配線を交差しないようにしましょう。 橋絡(しない): 読者の皆様は、私が提供した(すばらしい)全てのアドバイスに従った場合、2つの適正に隔離されたACシステムとDCシステムを持っているはずです。プレーンにギャップがあり、それらの橋絡を考えているなら、お止めください。この記事全体は、AC/DCの隔離について書いていますので、橋絡を行うと、これまでのアドバイスは全く意味がなくなります。 PCB設計ソフトウェアが、AC信号とDC信号が隔離された基板の設計をサポートします ソフトウェアによりACとDCを隔離する方法 経験に基づくこれらの方法は、よいアドバイスかもしれませんが、実施計画なしに活用することはできません。ここで PCB基板設計ソフトウェアの出番です。隔離は、PCB設計を色分けすることで完了できます。ACおよびDCシステムは、それぞれに異なる色を割り当てることにより、トラッキングできます。両システムが物理的にも電気的にも相互に隔離されていることを確証できます。方法については、
適切なPCBレイアウトでは、どのようにして設計へのヒートシンクの追加を回避できるか Thought Leadership 適切なPCBレイアウトでは、どのようにして設計へのヒートシンクの追加を回避できるか 不具合のあるコンピューターモニターなどの製品リコールは、避けることのできる経済的負担です 私は、何年にもわたって、コンピューター技術が提供する必要のある高解像度や色深度を表示できる新しいモニターを買い続けてきました。モニターをつないで機能をテストするさまざまなアプリケーションを試すときはワクワクしました。どのアプリケーションも全く問題なく動作していたので、私は新しいモニターを自慢するため、オフィスを離れました。戻ってくると、モニターの表示がちらついているではありませんか。動揺した私は、電源を切ったり入れたりしてちらつきが解消するか確認しました。新しいモニターは明らかに壊れていました。 数日後、問題があるかどうか確認するため、モニターの筐体を開けて中をのぞいてみました。すると、ビデオ回路の1つが電源に直接取り付けられていることが判明しました。このため、仕様通りに機能しない温度にまでビデオ回路が熱くなって、モニターは壊れてしまったのでした。遮熱材を取り付けてビデオ回路から熱エネルギーを移すことで、簡単に修理できました。とはいえ、本当の問題は製品の設計にありました。ビデオ回路は、これほど電源に近い場所に配置されるべきではありませんでした。 PCBの最悪の敵である熱 コンポーネントは余分な熱で壊れたり仕様外の動作をしたりすることは誰もが知っていますが、いつ熱が問題になるかわかりません。場合によっては、熱管理のトラブルシューティングは特に難しく、稀な状況でのみ問題になることがあります。例えば、高温が発生する場合があります。さらに、放熱の問題は、度重なる熱サイクルで熱膨張や熱収縮が起きたために割れたはんだ接合のように、経時的に発生する可能性があります。これらの放熱の問題は試験で見逃される可能性があります。したがって、このようなシナリオを避けるため、適切に基板をレイアウトすることが重要です。 PCBにコンポーネントを配置する前に外部熱源の位置を考慮する PCB設計者はどうすべきか PCB設計では、 SMTヒートシンク 、ファン、サーマルビア、その他の技術を使って、熱を緩和するのが一般的です。これらの方法はとても効果的ですが、設計のコストと複雑さが増します。最も安価で最も信頼性の高い対策は、好ましくない外部熱源からの熱伝導が問題にならないようにPCBを設計することです。問題を回避する設計をしましょう。問題箇所にコンポーネントを配置しないことです。 設計を考えるとき、PCBはより大きいシステムの一部であることを忘れないでください。PCB上で、相互に関連する発熱部品どうしの配置や、製品全体の他の部分と関連する発熱部品の配置を考慮する必要があります。PCBは、それが設計されるデバイスによって異なるので、外部熱源は基板の周りに3次元的に配置される可能性があります。このことを念頭に置いて、以下の点を考慮する必要があります。 熱源の隔離: 電源など、発熱するサブシステムをレイアウト内で隔離し、他のコンポーネントに影響を与えないようにします。 他のPCB: 近くのPCBに、発熱するコンポーネントまたは熱に弱いコンポーネントが含まれている可能性が十分にあります。 物理的な部品: 機械部品、配線、および取付けフレームが、PCBから熱を吸収したり製品の他の部品に熱を伝達したりすることがあります。これには、ユーザーが接触する可能性のある部品が含まれます。 筐体: 設計者として、製品をより小さくコンパクトにするプレッシャーが常にあります。つまり、PCBの周りの筐体がますます窮屈になっています。このことが、PCBからの熱伝導にどのように影響するかを注意深く検討する必要があります。空間が狭くなるほど、対流による冷却機会は減り、熱に敏感な他の場所への熱伝導の機会が増加します。 PCBの筐体のサイズを考慮しましょう。基板をどのようにレイアウトするかに影響する可能性があります。
複雑なパッド形状の実装方法 Thought Leadership 複雑なパッド形状の実装方法 PCB設計への複雑なパッド形状の実装方法 大部分のコンポーネントのパッケージのパッド形状は、共通して単純な長方形または円形です。そのようなパッケージのフットプリントを作成することは、手作業でも、自動IPCフットプリントジェネレーターを使っても、簡単な作業です。しかし時として、コンポーネントのパッケージは複雑なパッド形状を必要とし、それらをうまく調整するのに人手による多くの労力と余分な時間が必要になることがあります。複雑なパッド形状を素早くPCB設計に実装し、時間と労力を節約する方法があれば非常に便利です。 複雑なパッド形状を素早く設計に配置 場合によっては、設計の際に幾何学的に複雑または不規則な形状のパッドが必要になることがあります。例えば、LED照明のコンポーネントは、複数の切り抜かれた曲線を含む独特な形状の放熱パッドを必要とする場合があります。そのような曲線は、複数の標準の円形/長方形パッドを組み合わせることや、フィルまたはリジョンを手作業で配置することでは実装できません。それを行うには、見落とされがちだった1つの方法があります。つまり、閉じた輪郭線を形成する一連の直線と円弧として必要な形状の輪郭線を配置(またはインポート)できる場合は、その輪郭線そのものを、パッドを定義する精密な形状のリジョンにPCBライブラリエディター内で簡単に変換できます。その上、そのリジョンオブジェクトのプロパティ設定を使って、はんだペーストマスクをDRCルールで自動的に制御できます。この方法をもっとよく理解するために、以下に示すBourns社SRR5028シリーズシールド付きSMDパワーインダクターのフットプリントを作成することでこのプロセス全体を詳しく検討できます。まず、この例の製品(製品番号SRR5028-101Y)のデータシートが部品メーカーのウェブサイトの こちらにあります。この2ピンデバイスの各パッドは半径2.2mmの切り抜かれた曲線を含んでいます。次に、データシートに記載されている例を使ってパッド形状の輪郭線を定義してみましょう。 パッド形状の輪郭線の定義 SRR5028シリーズのデータシートの推奨レイアウトのセクションに、コンポーネントのパッドの主要な寸法が原点に対して図示されています。コンポーネントの原点に対する各パッドの主要な寸法を取り込むために、PCBライブラリエディター内でメカニカルレイヤーに6つの直線と1つの円を配置します(図1参照)。これらの直線と円の正確なサイズと配置が、部品メーカーのデータシートに記載された寸法と完全に一致していることを確認します。部品メーカーの寸法を正確に再現できるように、PCBライブラリエディターのスナップグリッドを0.05mmに設定します。 部品メーカーのデータシート(左)から作成したメカニカルレイヤーの輪郭線(右) コンポーネントのパッドの主要な寸法を配置および確認したら、メカニカルレイヤー上のパッド形状を表す2つの閉じた輪郭線のみが残るように、無関係な直線または円弧を全て切断、リサイズ、除去します。この例では、閉じた輪郭線を手作業で作成および確認しました。その代わりに、DXF/DWGフォーマットから複雑なパッド形状の輪郭線をインポートすることもできます(そのようなデータが存在し、それを使う方がより実用的である場合)。 Altium Designerで複雑なパッド形状を簡単に作成またはインポート 部品メーカーの推奨レイアウトでは、一部のコンポーネントで複雑または不規則なパッド形状が必要となることがあります。複雑なパッド形状を素早く実装する簡単で効率的な方法があることを常に心に留めておいてください。直線と円弧を使った複雑なパッド形状の正確な輪郭線を作成またはインポートすることで、結果をリジョンオブジェクトに変換できます。 複雑なパッド形状をAltium Designerに素早く実装する方法の詳細をご覧になるには、無償のホワイトペーパー 『複雑なパッド形状の実装方法』を今すぐダウンロードしてください。
PCB設計プロセスを容易にするモジュールの使い方 Thought Leadership PCB設計プロセスを容易にするモジュールの使い方 画像出典: Adobe Stockユーザー alexbrylovhk ヨセミテへの初めての旅で、私はとんでもなく大変なことをしようとしていました。大きな山と無謀な計画。私はクラックにすっぽりと入り込んで身動きが取れなくなってしまいました。一晩の緊急野営の後、私のプロジェクトは終わりを告げられ、谷底に戻った私は征服できなかった山を見上げる羽目になりました。PCB設計でも、概念的な仕様を実際の設計に移す際に適切に計画を立てないと、空しく終わったこの登山のような結末になる可能性があります。同時に考慮すべき要素が多数あります。例えば、空間とパフォーマンスを最適化するため、主要コンポーネントをどの場所に配置するか、どのコンポーネントを最初に配置するかなどがあります。また、サブシステムをどこに収納するか、どの配置が結果的に最もきれいにトレースできるかなども検討する必要があります。このような最初の決定事項は、面倒な作業だったり、先送りされたり、ヨセミテ登山のように完全に最初からやり直しをする必要があったりする可能性があります。 設計者の障害物を打ち破るため、仮想コンポーネントにモジュール化することで設計の概念を容易にします。 画像出典: Flickrユーザー Uwe Hermann (CC BY 2.0) 山を分割する 登山者が山にアプローチする方法と同じように、PCB設計を管理可能な「ピッチ」に分割し、頂上に到達するまで各ピッチに個別に取り組みます。設計を開始するには、設計内に自己完結している部分やよく知っているインターフェイスがある部分を探します。それらの部分は、最終的には詳細に設計する必要がありますが、最初の段階では基板上に存在することを明らかにしておくだけで十分です。それらの部分が特定できたら、プレースホルダーを使って一時的に作業対象から外し、「ブラックボックス」として扱います。これにより、登山ルートを計画するように、全体像に焦点を絞り、後で各部分に戻って作業を進めることができます。設計にプレースホルダーを使用してレイアウトのセクションに優先順位をつけることを、一般に「設計のモジュール化」と呼びます。 モジュール化を検討する場合、設計で使用する実際のコンポーネントは、2つの理由でブラックボックスになります。 それらのコンポーネントは、ピン配列および仕様で明確に定義されたインターフェイスを提供します。 パフォーマンスは事前定義され、インターフェイスに固有であることがわかっています。この結果、それらがインターフェイスで どのように機能するかを定義する必要はなくなります。 アンペア、CPU、レギュレーターなどの内部のしくみを示す必要があるとしたら、プロジェクトがどれほど複雑になるか想像してみてください。極めて複雑になるはずです。