複数のオブジェクトをまとめて編集

投稿日 十一月 25, 2019
更新日 十一月 30, 2020

Altium Designerは豊富な機能に加え直観的な操作性を備えており、最小限の操作で回路図を編集する事ができます。配置済のオブジェクトの移動や属性の変更は、マウスのドラッグやダブルクリックで簡単に行う事ができ、コマンドの選択すら必要ありません。

しかし、回路図が完成に近づくにつれ、属性の編集が作業の大半を占めるようになり、短時間に回路図を仕上げるにはこの段階での作業時間の短縮が必要になります。

プリント基板CADのAltium Designerには複数のオブジェクトの属性をまとめて編集するための機能が複数用意されています。これらをうまく利用すれば、属性変更の手間を省き、素早く回路図を仕上げる事ができます。

[類似オブジェクトの検索]機能と[Properties]パネルを使って一括変更

[Properties]パネルを使って、[セレクト]された複数のオブジェクトの属性を同時に書き換える事ができます。複数のオブジェクトの[セレクト]は、[Sift]キーを押しながら対象をマウスでクリックする事によって行えますが、[類似オブジェクトの検索]機能を使えば多数のオブジェクトを一度に[セレクト]する事ができます。

この方法による一括編集は、以下の手順で行います。

  1. 一括編集したいオブジェクトのうちのどれか1つにマウスのカーソルを置き、右ボタンをクリック。

  2. 表示されたポップアップメニューから[類似オブジェクトを検索]を選ぶ。

  3. [類似オブジェクトの検索]ダイアログボックスが現れ、ここで一括編集の対象を絞り込むための検索条件を設定する。

  4. 検索条件の設定を終えた後、ダイアログボックスの下部にあるチェック項目の中の、[一致範囲セレクト]にチェックを入れる。
     

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[類似オブジェクトの検索]で多数のオブジェクトを一度に[セレクト]
[類似オブジェクトの検索]画面に検索条件を設定し、一致したオブジェクトをセレクトする。この例では、ネット
ラベルを検索し、全てのネットラベルを[セレクト]。[一致範囲セレクト]にチェックを入れる事が必要。また
[プロパティを開く]がチェックさていれば、この画面を[OL]ボタンで閉じた後、[Properties]パネルが自動的に開く。

  1. 全ての設定を終えた後[OK]ボタンを押す事により、検索条件に一致したオブジェクトが[セレクト]されダイアログボックスが閉じる。ダイアログボックスを閉じる前に検索結果を確認したい場合には[適用]ボタンを押す。

  2. 回路図上のオブジェクトが意図どおりに[セレクト]された事を確認した後、 [Properties]パネルを開いて属性値を入力する。これで[セレクト]された全てのオブジェクトの属性が同時に更新される。
     

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[Properties]パネルで一括変更
[Properties]パネルで属性を書き換える事により、[セレクト]されたオブジェクトの属性を一度に変更する事が
できる。今回の例では全てのネットラベルが[セレクト]されており、フォントを一括変更したい時に有用。

これを使えば属性編集が大分はかどるはずですが、もう少し柔軟に編集したいという場合には、複数のオブジェクトを一覧表示して編集できる[SCH List]パネルが役立ちます。

[SCH List]パネルによるオブジェクトの編集

[SCH List]パネルでは複数のオブジェクトの属性を一覧形式で表示し、編集する事ができます。複数の項目を選択する事により一括編集も可能です。

この[SCH List]パネルによる編集は次の手順で用います。

  1. 回路図編集画面の右下にある[Panels]ボタンを押し、表示されたポップアップメニューから[SCH List]を選ぶ。

  2. [SCH List]パネルが開く。回路図上のオブジェクトが[セレクト]されていない場合、画面には何もリストされない。タイトルバーの下には[View selected objects from current document include all types of objects]というセンテンスが表示されるが、これは単なる説明文ではなく[View] [selected] [objects] [current document] [all types]  [objects]が設定メニューになっている。

  3. 画面にオブジェクトを表示させるためには、回路図上のオブジェクトを[セレクト]するか、または [selected](タイトルバー直下に表示されるセンテンスの一部)をクリックして[all objects]に切り替える。さらに、編集を可能にするため、[View]をクリックして[Edit]に切り替える。

  4. 設定項目 [current document] [all types] [objects]を設定し、画面にリストするオブジェクトを絞り込む。回路図編集画面でオブジェクトを[セレクト]する事により対象を絞り込む事もできる。

  5. 絞り込まれたオブジェクトが画面にリストされる。このリストは各項目のタイトルをクリックする事によってソートできる。また複数選択やコピーアンドペーストが可能。

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[SCH List]パネルでまとめて変更
[SCH List]パネルではオブジェクトの続載が個別に表示される。個別に編集するだけでなく、
一覧から複数を選択して編集する事により、複数のオブジェクトの属性を同時に書き換える事ができる。
編集を可能にする為に、[View]から[Edit]への切り替えが必要。この例では、回路図上で全ての部品を
[セレクト]する事により、表示対象が[Part](部品)だけに絞り込まれている。

この[SCH List]パネルでは、複数のオブジェクトの情報が個々に分れて一覧表示され、それぞれに対して異なる値を書き込む事ができる為、柔軟かつ迅速な編集が可能です。

パラメータマネージャとフットプリントマネージャ

さらに、[SCH List]パネルとは別に、パラメータの編集に特化したパラメータマネージャが用意されています。

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パラメータマネージャの[Parameter Table Editor]画面
[ツール] -[パラメータマネージャ]で起動。パラメータに特化した一覧形式の編集機能。表示する内容は、
オブジェクトタイプごとに絞り込む事ができ、この例では[Part](部品)に絞り込まれている。

また、フットプリントの割り付けを編集する為のフットプリントマネージャが用意されています。フットプリントマネージャではプロジェクトに含まれているすべての部品の割り付け状態が一覧表示され、グラフィカルに確認と編集を行う事ができます。

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フットプリントマネージャ
[ツール] - [フットプリントマネージャ]で起動。部品の形状を2D、
または3D画像で確認しながら、割り付けを編集する事ができる。

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