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今は南カリフォルニアに住んでいますが、生まれはテキサスです。聞いたことがあるかもしれませんが、そこには「テキサスでは何でも大きい」という言い回しがあります。私が親戚中で一番背が高いので、私にはそれが本当であることが分りました。Massive MIMO(multiple input multiple output)アンテナアレイの背後にある精神もテキサスで生まれたと考えたいです。MIMOは何年も前からありますが、Massive MIMOは、特に5G分野で、注目され始めたばかりです。5Gは、高速で低遅延を可能にしますが、それには、Massive MIMO独自の利点を活用する必要があります。これらの利点には、優れたスペクトル効率やユーザー追跡などがあります。このテクノロジーを使えば5Gを実現できます。
Massive MIMOとは何か?
「テキサス」に真正面から向き合うと、多くの人は及び腰になります。例えば、テキサス州のステートフェアでビッグテックスに迎えられたときなどです。同じようにMassive MIMOも、最初はやり過ぎだと感じるかもしれません。そこで、通常のMIMOから始めて、その後、「大規模(massive)」に話を進めましょう。
MIMOは、multiple input multiple output(複数の入力、複数の出力)の略です。つまり、アンテナアレイは、同時に複数のデバイスとデータを送受信できます。これを実現するために、各アレイは複数のアンテナを使用します。セルタワーは、これらのアンテナや複雑な信号処理とともに、さまざま伝搬モードを利用し、送信データの増加と信頼性の向上を実現します。
Massive MIMOも、考え方は同じで、アンテナの数が増えるだけです。MIMOシステムでは、約4台の送信機を使用しますが、マッシブMIMOでは、100本近いアンテナを使用します。更に説明すると、送信機の数がユーザーの数を上回るよう、Massive MIMOが使用するアンテナは過剰になっています。これらの全てのアンテナのおかげで、Massive MIMOには、現在のMIMOより更に多くの利点が備わっています。
これらのアンテナは過去のものになるでしょう。
Massive MIMOの利点
Massive MIMOシステムは、非常に複雑であり、その実装は、ロデオで荒馬に乗るより難しいでしょう。しかし、Massive MIMOに備わっている利点には、馬から数回振り落とされる価値があります。
スペクトル効率 - このトピックは非常に重要です。ますます多くの電磁スペクトルが、さまざまな通信プロトコルに使用されているからです。政府は、幅広い周波数帯を5Gに確保していますが、それらのスペクトルには終わりがありません。Massive MIMOは、アンテナのアレイを活用して、各ユーザーまでビームを集中させることができます。これにより、4Gに使用されているMIMOシステムに比べて、スペクトル効率は10倍になっています。
エネルギー効率 - テキサスは永久に石油を生産できるわけではありません。したがって、電子システムのエネルギー効率についても考え始める時期に来ています。Massive MIMOでは、送信された信号のゲインを大きくするため、アンテナを一緒に使用できます。つまり、データ送信時に放射する電力が少なく、エネルギー効率がよりよいシステムになります。
ユーザー追跡 - そのエネルギー効率がよいのと同じ理由で、Massive MIMOは、各ユーザーを正確に追跡できます。アンテナビームが集中しゲインが高くなるにつれて、ビーム幅は狭くなります。したがって、タワーは、狭い信号ビームで各ユーザーを追跡する必要があります。この追跡によって、今まで使用された広域信号より、接続の品質は改善され信頼性は高くなります。
5Gは、何十億ものデバイスを効率的に接続するため、Massive MIMOを必要とします。
5Gへの応用
Massive MIMOは、テンガロンハットのように、格好よく聞こえます。しかし、私はテンガロンハットを買ったことがありません。では、なぜMassive MIMOを支持するべきなのでしょうか? 移動通信の世界では、5Gが必要とするので、Massive MIMOを丹念に調べ始めています。5Gに利用可能なスペクトルの量に限りあるので、スペクトル効率は非常に重要です。また、5Gネットワークは、何十億ものデバイスに接続する必要があります。そのためには、Massive MIMOの抜群の精度やエネルギー効率が必要です。
最近、米国政府は、5Gテクノロジーのために高周波スペクトルの新しい部分を開放しました。今後、これは非常に役立ちますが、短い過渡期の間、6GHz以下の周波数が、4G/LTEからのよりスムーズな移行を提供します。たまたまですが、Massive MIMOは、6GHz以下の周波数で最も性能を発揮するのです。この帯域は既に混雑しており、Massive MIMOが、優れたスペクトル効率のため、第一候補になります。
テクノロジーが進歩するにつれて、私たちの世界は、つながりが増えています。モノのインターネットが登場し、自動運転車の姿が見えつつあり、スマートシティー向けのネットワークが既に設置されています。5Gは、これらの分野全てに進出する準備を整え、何十億ものデバイスを接続する必要があります。そのためには、各デバイスとデータをやり取りできるように、Massive MIMOが必要となります。また、Massive MIMOのエネルギー効率のおかげで、これらのネットワークに電力を供給するのに、更なる石油ブームは必要ありません。
Massive MIMOは、ロデオとほとんど同じくらい刺激的な技術です。ほとんど同じです。多くのアンテナを使って、セルネットワークは、多くのユーザーを効率的かつ確実に接続できます。偶然、これらの属性は、5Gを実装するにも必要です。何十億ものデバイスが接続され、周波数スペクトルには限りがあるので、5Gは、未来への移行に役立てるため、Massive MIMOを必要とします。
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