Requirements Portal で、エンジニアの新しい働き方をご紹介します。プロジェクトデータに対して動作する AI エージェントを通じて実現します。 |
新しい Agentic Requirements Engineering 機能により、要件を扱う際の不要な摩擦を取り除き、頭の中にあるメンタルモデルと、チーム全体で共有して使うモデルとのギャップを埋めます。
そのメリットは? 単純作業の削減、チームの足並みの向上、ミスの減少、そしてより高速な反復です。
実際の動作は、以下の動画でご覧ください。
優れた要件が製品開発で重要であることは、すべてのエンジニアが理解しています。
つまり、要件はハードウェア開発プロセス全体の中核にあります。仕様を正しく定義できれば、チーム全体の反復は速くなり、より優れた製品を構築できます。
優れたエンジニアは、要件を製品とともに進化する共有のメンタルモデルとして扱います。 |
しかし実際には、多くのエンジニアリングチームがより要件主導で進めたいと考えながらも、手元のツールが生む摩擦がそれを妨げています。
一方の端には、文書やメモがあります。始めやすい反面、複雑さが増すにつれてすぐに限界がきます。情報は散在し、つながりを失い、プロジェクト全体で追跡することができません。
もう一方の端には、専用の要件管理システムがあります。理論上は強力ですが、エンジニアリングのためではなく、文書化とコンプライアンスのために作られています。管理プラットフォームのように感じられ、重く、フォーム中心で、実際のエンジニアリングワークフローから切り離されています。
どちらの選択肢も、プロジェクトの進展に合わせて要件を管理しやすいものではありません。その結果、要件は一度書かれたきり忘れられるか、会議メモやスプレッドシートを通じて非公式に受け渡されるだけになってしまいます。
そこで私たちは、エンジニアが要件を扱うことを妨げる摩擦を取り除くために、Requirements Portal に Agentic AI を組み込みました。
Agentic Requirements Engineering は、要件データに直接作用する AI エージェントを提供します。完全なコンテキストに基づいて質問に答え、変更案を提示し、継続的な品質チェックを実行します。
Requirements Portal には現在、次の 4 つの新機能が搭載されています。
質問したり、変更したい内容を説明したりすると、UI 上でプレビューを確認し、レビューして適用できます。確定する前に、すべての AI の操作を承認できます。
スプレッドシート、PDF、文書、メモなど、どこからでも要件をインポートできます。AI がそれらを構造化され、適切に整形された要件へ変換します。
自社のプロセスを、AI エージェントがプロジェクトをまたいで再利用できる指示として定義できます。チームと共有して、ワークフローを標準化できます。
AI をバックグラウンドで継続的に動作させ、要件をスキャンして、リスク、トレーサビリティの問題、カバレッジの不足を検出し、レビューできるようにします。(近日提供予定)
承認なしに変更が実行されることはありません。AI は単純作業を担い、エンジニアリング上の意思決定はあなたが行います。 |
実際のプロジェクト、つまり欠陥検出用のオンボード AI を搭載したクアッドドローンを例に、Agentic Requirements Engineering がどのように業務に組み込まれるのかを見ていきましょう。
すべての新規プロジェクトは、散在する入力から始まります。要件が最初から完全な形で届くことはほとんどありません。顧客メール、会議メモ、標準規格を含む PDF、過去プロジェクトのスプレッドシートなどの形で入ってきます。
プロジェクトリーダーは AI-Assisted Importer を使って、顧客から提供されたスプレッドシートから要件を取り込み、その後 Engineering Assistant を開いて次のように入力します。「顧客との会議メモを要件に変換して」
すると、識別子、タイトル、本文、根拠、タイプを備えた構造化要件が返され、レビューして適用できる状態になります。最初の設計判断を下す前に、チーム全体で共有された出発点を持てます。
ぜひお試しください: 次のプロンプトを Engineering Assistant に貼り付けてください:「これらのメモを構造化要件に変換して: Quad drone, Onboard AI for defect detection, Cameras: stereo RGB + thermal payload, MTOW 4 kg」。
プロジェクトの後半で、電子設計エンジニアがチームに加わったとします。基板設計に関係する内容を探すために 120 件の要件を読み込む代わりに、直接こう質問できます。
各回答はプロジェクト全体のデータに基づいているため、エンジニアは数分で自分に関係する情報へたどり着けます。
ぜひお試しください: サンプルの Drone_Example_Project を開き、次のプロンプトを Engineering Assistant に貼り付けてください:「I am designing the FMU. Which requirements are most relevant for selecting the MC? Return a prioritized list.」
プロジェクトの途中で、顧客から飛行時間を 30% 増やしてほしいという要望が来ます。一見シンプルですが、実際はそうではありません。
エンジニアは次のように尋ねます。 「飛行時間を 30% 増やした場合の影響は? レビューが必要なすべての要件を特定し、優先順位付きリストで返してください。」
まず直接影響を受ける要件が提示され、次に下流の電力および電気的制約が続きます。それぞれについて、何を変更すべきかが明確に説明されます。手作業でのトレースに何時間もかかっていた作業が、数分で終わります。
ハードウェアでは、見落とされた依存関係のコストは非常に高くつきます。作り込みの前に気づけるかどうかが、単なる改版で済むか、全面的な再設計になるかの分かれ目です。 |
ぜひお試しください: サンプルの Drone_Example_Project を開き、次のプロンプトを Engineering Assistant に貼り付けてください:「What is the impact of increasing the flight time in requirement D-005 by 30%? Identify all requirements that would need to be reviewed or revised as a result. Return a structured, prioritized list. Be concise and actionable.」
私たちは、チームが Agentic Requirements Engineering をこのように導入していくと考えています。まずはシンプルに始め、ツールが日々の仕事の一部になるにつれて活用範囲を広げていきます。
新しいプロジェクトを作成し、要件を取り込みます。
準備が整ったら、プロジェクトをチームと共有します。チームメンバーは同じ AI ツールを使って、自分の業務に関係する内容を理解し、質問し、フィードバックを提供し、その後すぐに作業を開始できます。
Engineering Assistant は要件と直接やり取りする手段を提供しますが、AI Skills を使えば、要件の記述方法、チェックの実行方法、検証計画の立て方といったチームのプロセスを再利用可能な指示として定義できます。これにより、あらゆるプロジェクトで同じやり方を繰り返し、一貫して実行できるようになります。
各スキルには、チーム固有のプロセス、テンプレート、用語、標準が組み込まれます。たとえば、次のようなカスタムスキルを定義できます。
Background Agents は要件を継続的に監視し、問題を先回りして検出します。これにより、ドキュメントの中に費やす時間を減らし、設計により多くの時間を使えます。スケジュール実行することも、要件変更時に自動で起動するよう設定することもできます。
なぜなら、何かが変わるたびに、すべての関連要件、設計項目、検証活動を手作業で追跡する時間を持てるエンジニアはいないからです。Background Agents はその作業を常時実行のチェックに置き換え、ミスが広がる前に捉えます。
要件はチームの全員に関わりますが、その関わり方は同じではありません。役割ごとに要件との関係が異なるためです。
要件は静的なドキュメントではなくなり、チーム全体で形作り、進化させていく、生きた共有モデルになります。 |
Agentic Requirements Engineering を支えるチームは、2023 年に初めて Requirements Engineering へ AI を導入しました。もともとは Valispace であり、買収を通じて Altium に加わり、Requirements Portal となりました。
この先行経験は重要です。今回のリリースを支える重要な知見は、実際のエンジニアリングチームとともに構築し、提供し、改善してきた長年の経験から得られたものです。エンジニアが求めているのは自律的な変更ではなく、レビューできる提案です。チャットだけでは十分ではありません。AI は単に質問に答えるだけでなく、プロジェクトデータに対して実際に作用しなければなりません。
AI ツールは、ハードウェア開発ワークフローの中で、実際に役立つ仕事をこなし始めています。しかし、AI の性能は、それが依拠するコンテキスト次第です。そして要件こそが、そのコンテキストです。優れた要件は、チームの足並みを揃えるだけではありません。AI 支援による設計、検証、テストを可能にする基盤でもあります。要件が正しければ、その下流にあるあらゆる AI ツールも、より高い性能を発揮できます。
だからこそ、今こそ要件を真剣に捉えるべきであり、そのために私たちはこれを作りました。
Agentic Requirements Engineering は、現在 Requirements Portal でご利用いただけます。
利用を開始すると、すぐに試せるサンプルデータが用意されているため、ご自身のプロジェクトで使う前に、エージェントが実際にどのように動作するかを確認できます。
まさにそこが重要なポイントです。Requirements Portal の AI エージェントは、あなたの明示的な承認なしに変更を確定することはありません。すべての提案は UI 上で事前に表示され、元の内容と並べて確認し、必要に応じて編集してから適用できます。提案するのは AI、判断するのはエンジニアです。
多くのツールは、既存のインターフェースにチャットウィンドウを付け加えて AI と称しています。Agentic Requirements Engineering はさらに一歩進んでいます。AI がプロジェクトデータに直接作用し、レビュー用に構造化された変更案を UI 上に提示します。当社の AI エージェントは技術要件に対応するよう特別に設計されているため、出力は正確で構造化されており、プロジェクトとの関連性も保たれます。
はい。使い始めるにあたって、正式な要件エンジニアリングの事前経験は必要ありません。多くのエンジニアリングチームは要件の重要性を理解していますが、従来のツールが専門知識や硬直的なプロセスを前提としているため、形式的なワークフローは避けがちです。Agentic Requirements Engineering は、エンジニアが普段考える方法に沿って機能するため、要件の専門家にならなくても意図をすばやく整理・記述できます。
Agentic Requirements Engineering は、現在 Requirements Portal でご利用いただけます。すでに貴社で Altium 製品をお使いの場合は、Altium Develop および Agile Teams のサブスクリプションに含まれているため、新しいベンダー契約や調達プロセスは不要です。以下のリンクから30日間の無料評価を開始してください。