PCB設計者Cherie Litson: BSEEの学位を持つCIDマスターインストラクター

Judy Warner
|  投稿日 2017/06/2, 金曜日  |  更新日 2020/03/16, 月曜日

 

 

Warner: ご自身のこと、設計者としてのキャリアパスについてお聞かせください。

 

Litson: 1971年に(ネバダのテストサイトを手伝う)製図見習いとして働き始めました。それから、機械と電気の製図技師として下積みを重ねました。そのとき、複雑な手張りで電子部品を設計している設計者たちと出会いました。私は、その部品の芸術的なできばえにすっかり夢中になり、設計者たちが驚くべきレイアウトを作成する様子に見入りました。そして「いつか自分もやってみよう」とひそかに考えました。まもなく私は、電子工学の知識が必要であることに気付き、学校に戻って電気技師になりました。ところが、製造を考慮した設計について十分に理解していないことに気付きました。そこで、IPCに参加して製造の問題について学びました。この経験で私は生まれ変わり、よい基板設計に必要な機械、電気、製造の全ての要素を総合的に理解するに至りました。

2006年にはCID、2008年にはCID+を取得しました。2015年、IPCのマスターインストラクターになり、そのとき業界の2人の達人であるGary FerrariとDieter Bergmanの指導を受けました。

Dieterは厳しかったので、最初は好きになれませんでした。今ではいい友人ですが。私は、業界に対する彼のコミットメントとPCB設計への情熱を理解するようになりました。Garyは、必ず、設計のサプライチェーン全体への影響に関連させて理解していた点がすばらしかったです。その後、PCB設計の学校に戻って卒業しました。

他にも2人の偉大な師、一人はもう亡くなりましたがGlen Wells、もう一人はすでに引退しているMary Sugdenと出会いました。Maryは、複雑な概念をわかりやすく説明するのが得意です。その点については、Maryを見習おうと努めています。

PCB設計者になる、明確に定義された道はありません。多くの人は私と同じような方法でPCB設計者になっていると思います。

 

Warner: これまでを振り返って、早い段階で、設計者になるきざしが何かありましたか?

 

Litson: パズルがとても得意でした。美術が大好きで、兄弟と一緒に小屋やテントのようなものを作るのも大好きでした。いつも、兄弟よりたくさん作ろう、もっとすごいものを作ろうとしていました。Lincoln log(ログハウスなどの建物を作るおもちゃ)で遊ぶのも大好きでした。

50年代に小学校、60年代に高校に通いました。そのころは、女性がキャリアパスを選択できる機会は多くはありませんでした。女性がキャリアにおいて何をするか、何をできるかについてはたくさんの思い込みがありました。適性テストを受けたところ、歯科衛生士が適しているという結果が出ました(笑)。家族は私が秘書に向いていると考えていたので、速記とタイピングのクラスを取りましたが、大嫌いでした。エンジニアリングとは全く関係ありませんでした!!

 

Warner: 今日、女性の技術者や設計者に特有のメリットや課題があると思いますか?

 

Litson: 今はそれほどありません。若いときは、会議で話を聞いてもらうのも、真面目に理解してもらうのも大変でした。IPCからCIDとCID+の認定を勧められて、状況はがらりと変わりました。今では認定された設計者は全員、以前より認められ、尊敬されています。認定は、知識を証明し、専門技術を承認するものです。CIDのトレーニングは、1990年代後半頃から提供されています。

男性と女性は違います。よいとか悪いとかではありません。ただ、違っているのです、特に違う刺激に対してどのように反応するか。私はゴルフが大好きで、エグゼクティブ女子ゴルフ協会に所属しています。ゴルフコースで起こることは、役員室で起こることを理解するための参考になります。ビジネスで男女の違いを理解することは非常に有効です。一般的に、女性は社会的で負けず嫌い、他人への影響をとても気にする傾向があります。女性は、環境が整っていると成功します。男性は、何かに悩まされたり、追い立てられたり、あからさまに挑戦されたりすると成功する傾向があります。彼らは、危機的状況を望み、また必要としているのです。男性は、あまりにも整った環境では、安全地帯に引きこもりたがります。女性が何かに悩まされたり極度に追い立てられたりした場合、たいていは意地悪と理解し、個人的なことと受けとめます。ビジネススキルを向上させようとしたらどうしますか? 誰かに聞き、習い、実行します。女性がどのように、人生、ゲーム、ビジネスにアプローチするかは、ゴルフコースでわかります! その後は必ず飲み会や親睦の機会があり、ビジネスに役立つすばらしいネットワークを構築できます。それに、1年を通じてセミナーやトレーニングもあります。


 

 

 

Warner: 職業としてPCB設計を考えている人たちにアドバイスするとしたら何をアドバイスしますか?

 

Litson: 優れた指導者を、できれば2人以上見つけてください。信頼できて、いつでも電話で質問できる人です。もちろん適切なトレーニングも受けてください! いつでも積極的に新しいことを学んでください。業界も技術も常に変化しているので、いつでも学ぶことはあります!

 

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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