PCB設計に関していえば、基板における不均衡な電力は、設計者の自信を打ち砕く可能性があります。電力の不均衡は、設計プロセスの形勢を瞬時に変える可能性があり、相当量の修正作業を行うことなく状況を打開することは至難の業です。それでは、電圧レベルを適正に保つためにはどうすればよいでしょうか。また、電力消費を抑えながらデータ転送量を増やすことはできるのでしょうか。まず第一に、単体デバイスのさまざまな電圧要件に対応する、「発熱」せずに複数機能を処理できる手段が必要です。これは実現するようには思えませんが、接続性に関するより実用的な方法によって可能になります。
より高度なシステムでは、情報の伝送方法として、多くの場合ワイヤレス技術によるデータ転送が好まれます。携帯端末でも状況は同じです。効率的なワイヤレス技術は、多くの携帯電話ユーザーがよく知っているように、端末の電力供給をあっという間に消耗させます。
また、携帯電話のようなワイヤレス技術は、付属電源が必要です。例えば、今日携帯電話を購入したとすると、多くの場合、電源はUSBケーブルとアダプターの形で付属しています。従来型のUSBケーブルは、USB Type-AとUSB Type-Bの2種類があります。この2種類は、お互いを区別できる明らかに異なる特徴があります。次のような違いです。
端末ごとに異なるUSB
これらの主流コネクタは、長い間、電源供給とデータ転送の基本的なニーズを満たしてきましたが、端末で可能な全ての機能を利用する一般的な解決策にはなりません。
現在の端末の多くにUSB接続が導入されたことで、場所を問わずに充電が可能になったばかりでなく、他の技術形態への接続も容易になりました。私たちは、端末をどこにでも持ち出し、それをさまざまな用途で使用することを望んでいます。そこで、USBのラインナップに比較的新しいタイプ、USB Type-Cが追加されました。それでは、USB Type-Cは従来のタイプとどこが異なっているのでしょうか。
USB Type-Cは、いくつかの理由で、他の各USBより「優れている」と考えることができます。何十年もの間、USB Type-AやB、その他の専用ケーブルがさまざまな電子機器のデータ転送をサポートしてきましたが、電力供給や表示出力に関しては多用途性に欠けていました。USB Type-Cは、それらの機能を1つの単体コネクタに集約することで、その隙間を埋めることに成功しました。USB Type-Cは、多くの異なる機能を処理できるため、Type-AやBに比べて、より多くの電力量も供給できます。
USB Type-Cが、新時代の端末が関与する変化を引き続き加速させるにつれ、エレクトロニクス企業は、このより高度で多彩な接続形態を支持し始めることでしょう。消費者は、端末への電源として、また各種電子機器への接続手段として、USB Type-Cコネクタを標準オプションとみなし始めるでしょう。USB Type-Cコネクタは、極めて広範囲の互換性、利便性、および接続性を活用します。これらの多くの部分は未開発で、モノのインターネット(IoT)をさらに進化させる機会を提供してくれます。近い将来、複数端末の接続、送電、単独媒体を通じた各種媒体の表示など、可能性は無限に広がることでしょう。USB Type-CをUSBコネクタのスイス アーミーナイフと考えると、この有能な技術をうまく活用すれば、設計目標の達成が簡単になります。
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