BXL形式のライブラリを利用する

Altium Designer
|  August 3, 2020
BXL形式のライブラリを利用する

基板設計CADのAltium Designerではファイルベースとクラウドベースのライブラリが提供されており、膨大な数の回路図シンボルやフットプリントを利用できます。しかし、市場に出回っている全ての部品が網羅されている訳では無く、足りない部品は設計者自身が用意しなくてはなりません。

ライブラリエディタを使えばどのような特殊なものでも作れますが、できれば既存のライブラリを利用して作成の手間を省きたいものです。そこで役立つのが、部品メーカーによるライブラリのサポートです。

多くの部品メーカーでは設計者に対するサポートの一環として、CAD用の部品ライブラリを提供しており、各社のホームページからダウンロードする事ができます。そこで、主要なメーカーのサイトをいくつかあたってみるとそれらは、「BXL」という拡張子を持つファイルで提供されています。

しかし、Altium DesignerではこのBXL形式のファイルを直接、読み込むことはできず、何らかの方法で変換しなくてはなりません。

BXLファイルとUltra Librarian

調べてみると、このBXL形式のファイルはEMA Design Automation社の「Ultra Librarian Viewer」というライブラリビューワで使われているものであることがわかりました。Ultra Librarian Viewerでは、このBXLファイルを読み込み、その内容を表示させるだけでなくAltium Designerを含む各社のライブラリフォーマットで保存できます。要するに、部品メーカーからBXL形式で提供されている部品ライブラリを読み込み、Altium Designerの部品ライブラリに変換する事ができるわけです。

ちなみに、Ultra Librarianのホームページによると、ルネサス、MICROCHIP、ANALOG DEVICES、マキシム、Power Integration、TI、SILICON LABS、NXP、TE Connectivity、TOSHIBA、Linear TechnologyなどがこのUltra LibrarianのパートナーとしてBXL形式のライブラリを提供しているようです。

Ultra Librarian Viewerプログラムの利用

Ultra Librarian ViewerはローカルPCにインストールして利用するタイプのものと、Webベースのものが用意されています。

ローカルPC用のプログラムは、Ultra Librarianのホームページからリクエストする事により、無償で入手する事ができます。インストールプログラムは実行ファイル形式で提供されており、これを起動するだけで簡単にインストールが完了します。また、WebベースのツールはブラウザからURLにアクセスするだけで利用でき、プログラムのインストールは必要ありません。

部品メーカーのホームページからBXL形式のライブラリを入手

多くの部品メーカーがBXL形式でライブラリを提供しています。その中から今回は、ANALOG DEVICESのBXLライブラリを試してみる事にします。

ライブラリは、ANALOG DEVICESのホームページの、[設計支援] - [シンボル、フットプリント、3Dモデル] のページから入手できます。このページの検索窓に部品名を入力する事により、該当する部品がリストアップされますのでその中から目的のものを選びます。

そこで、A/Dコンバーター「AD4111」で検索したところ、「AD411BCPZ」と「AD4111」の2つがリストされました。

製品型番

Ultra Librarian Reader

 

AD4111BCPZ

BXL

Download

AD4111

ZIP

 

この2つはライブラリの内容に違いは無く、「AD411BCPZ」はWebベースのツールで利用するためのもので、「AD411」はローカルツールで利用する為のものです。

BXLファイルをAltium Designer 用のファイルに変換

PCにインストールされたUltra Librarian Viewerを利用する場合には、下段の「AD4111」を選びますが、今回はWebベースのツールを使って変換を試してみます。この場合、上段の「AD411BCPZ」の [Download] をクリックします。手順は次のとおりです。

  1. BXLライブラリの読み込み
    [Download] をクリックすると、BXLライブラリが自動的にUltra Librarian Viewerに読み込まれ、すぐにAD4111の部品形状が表示されます。そこで、この内容を確認し、 [Chose CAD Formats & Download] ボタンを押します。これにより、画面はフォーマット選択画面に切り替わります。
  2. フォーマットを指定
    画面に表示されているCADブランドの中からAltium Designerを選び、[Submit] ボタンを押します。これにより、ダウンロードが行われ、ローカルPCのドキュメントフォルダにデータが保存されます。

これで、Altium Designer用のライブラリを入手できました。

Altium Designer への読み込み

ライブラリデータはZIP形式に圧縮されており、解凍すると次のファイルが現れます。

図1. ローカルPCにダウンロードされたファイル(解凍後の状態)
図1. ローカルPCにダウンロードされたファイル(解凍後の状態)

しかし、IntLibや.SchLib、PcbLib等の拡張子を持つファイルはどこにも見当たらず、ライブラリデータがそのままAltium Designerで使える形式にはなっていない事がわかります。利用可能なライブラリは、スクリプトを実行して生成する仕組みになっています。このため、ダウンロードしたスクリプトプロジェクト、「UL_Import.PrjScr」を読み込んでこの処理を行います。

UL_Import.PrjScrの読み込みは、[ファイル] - [プロジェクトを開く]、またはワークスペースへのドラッグ・アンド・ドロップによって行います。

UL_Import.PrjScrを読み込んだ後、次の手順でスクリプトを実行します。

図2. スクリプトの実行によるライブラリの生成
図2. スクリプトの実行によるライブラリの生成

 

  1. [ファイル] - [スクリプトを実行] を選ぶ。
  2. [選択アイテムの実行] ダイアログボックスから、[UL-form.pas] を選んで [OK] ボタンを押す。
  3. 表示された [UL Import] 入力画面にデータファイル名を入力。このデータフアイルは、ダウンロードした日時の入ったファイル名を持つテキストファイル。
  4. [Start Import] ボタンを押してライブラリファイルを生成。

この一連の操作により、SchLib形式の回路図シンボルライブラリとPcbLib形式のフットプリントライブラリが生成されます。以下は回路図シンボルライブラリを開いた画面です。フットプリントも生成されており、回路図シンボルに割付けられています。

図3. 生成された回路図シンボルをライブラリエディタで確認
図3. 生成された回路図シンボルをライブラリエディタで確認

他の多くの部品メーカーでも同様に、BXL形式のライブラリを提供しています。これらのBXLライブラリは部品メーカーがリファレンスデータとしてオフィシャルに提供しているようです。

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