3D PCB設計はなぜ必要なのか? 設計者にとってどう役立つのか?

Altium Designer
|  August 29, 2017

父親と幼い男の子

 

 

先日、幼い男の子を肩車しながらあやしている若い父親を見かけました。父親にしっかりと支えられた男の子は、父親の顔を別の角度から見ようとして体を横に動かそうとしています。愛くるしい男の子はようやく父親の顔を左側から覗きこむことができました。そして、父親の髪をもてあそんだかと思うと、また右側に体を戻したのです

 

そんな微笑ましい瞬間を楽しく観察していましたが、それと同時に重要なことを思い出しました。男の子は父親の顔をなんとかして違う角度から見ようと、何度も視点を変えました。PCB設計者の私たちも同じように、設計をできるだけ多くの視点から確認したいと考えます。これまでは2DのCAD環境で作業するしかありませんでしたが、現在は3Dの設計環境が利用できるようになってきました。こうしたツールを使って設計を進めない手はないでしょう。

 

 

回路基板の3Dレンダリング

PCB設計を3D環境で進めることには多くの利点がある

 

 

3Dの利点と従来の2Dでの設計

私は、ディスプレイ装置を作っている会社でPCB設計者としてのキャリアをスタートさせました。当時はUNIXベースのCADシステムを使っていましたが、作業は2D環境に制限されていました。私が初めて手掛けた設計は、機構CADグループが3Dでレンダリングしてくれました。それは、ブロックの形状だけが表示されている単純なものでしたが、3Dで見る設計には目を見張りました。そんな風に設計を見たのは初めてのことでしたが、今でもその瞬間をはっきりと覚えています。3D環境での作業には、PCB設計者にとってたくさんの利点があります。その一部をご紹介しましょう。

 

3Dコンポーネントフットプリント: 3Dで表示された設計を初めて見たとき、装置のケースから大きな電解コンデンサーが飛び出していることに気付きました。これはDRCで検出されるはずのものでしたが、どういうわけかチェックをパスしていたのです。そのため、装置の後端が犬の尻尾のように垂れているのを見たときは本当に驚きました。現在のCADシステムでは、こうした問題を検出するためのDRCが標準的な機能になっています。3Dでの作業が可能な今であれば、コンポーネントの寸法についてのフィードバックもリアルタイムで入手できます。

レイヤー構造の可視化: 回路基板のレイヤー構造を3Dで正確に表示できるのは非常に有益です。画像を傾けたり、回転させたり、パンやズームを行ったりして、ビアスタックの状態や周辺の他のオブジェクトとの接続などを正確に確認できます。

3Dでの編集機能: デザインの3D表示は容易で、3Dモードではレイアウトの編集も可能です。回路基板のスタックアップの昇順や降順をインタラクティブに切り替えて、部品の移動、配線の押しのけ、別のレイヤでの配線を行うことができます。

MCADとECADの連携: 3D CADシステムでは、装置のケースなどの設計にメカニカルオブジェクトを追加することもできます。この機能を活用すれば、ケースに関連する3Dのコンポーネントや他のメカニカルオブジェクトを表示して、これらの要素を対象とする3Dクリアランスチェックを実行できます。

フレキシブル回路: 3D環境での作業のもう1つの利点は、フレキシブル回路の設計で利用できます。3D環境では、アセンブリが折り畳まれた状態で、完成したフレキシブル回路を表示することができます。つまり、使用時のフレキシブル設計の状態が3D CADシステムで表示されるため、当て推量をする必要がなくなります。これにより、最終的に折り畳まれた構造の設計で発生し得るアセンブリやクリアランスの問題を、製造前に特定できるようになります。3D CADシステムで問題を見つければ、基板を再設計して機構的な問題を解消する必要性を低減できるため、最終的にはコストの節約も実現します。

 

 

回路基板の3D画像

3D環境での作業は、設計ツールを最大限に活用することに役立つ

 

 

3D設計: 現在の設計要件に対応するための新しい基準

これまで、PCB設計者は2D環境で作業せざるを得ませんでした。これは長年にわたって通用してきましたが、現在のPCB設計は急速に進化しています。ウェアラブルデバイスやIoTなどの新しい技術が進展する中、設計業界は3D環境で作業する必要性に迫られています。設計をどこよりも先に市場に出すという競争の中では、複数の基板スピンを使って製造の問題を解消するなどというぜいたくは許されません。3D環境で基板を設計すれば、メカニカルクリアランスやフレキシブルアセンブリの詳細、コンポーネントのスペースの問題はすべて、製造前に解決できます。

 

父親の顔をもっとよく見ようとして視点を変えていた男の子と同じように、私たちも3Dを活用すれば設計をあらゆる視点から確認できます。回路基板設計の新しい方法はすぐ目の前に潜んでいます。後はこれを活用するだけなのです。Altium Designerなどの3D PCB設計ソフトウェアは、これを実践に移すための絶好の方法でしょう。

3Dが設計にどう役立つのかについて詳しい情報をお知りになりたい場合は、Altiumの3D設計環境の専門家にお問い合わせください

 

 

 

 

About Author

About Author

PCB Design Tools for Electronics Design and DFM. Information for EDA Leaders.

most recent articles

Altium Designerによるプリント基板の設計 プリンテッドエレクトロニクスは3D印刷と同様に一般化しつつあります。急速に広がりつつあるこの技術により、製造の分野において新しい可能性が生まれ、技術者や設計者は、これまで対応できなかった市場に製品を送り出すことが可能になりました。新しい基板とインクは、生体医療から航空宇宙、家電機器まで、様々な用途に対応するために開発されています。 この技術に対応できる契約製造業者が多数、出現したことで、コスト競争が激しくなりつつあります。試作と量産を迅速に行えることは多くの可能性を秘めています。Altium 365®を使用すれば、設計プロセス全体で製造業者と情報を常に直接共有できます。 以下は、セッションで紹介されたトピックとなります。 現在のプリンテッドエレクトロニクス設計で使用する独自の配線技法 プリンテッドエレクトロニクス用にレイヤー構成を指定する方法 プリンテッドエレクトロニクス用にビアを配置する方法 製造業者がすぐに使用できるデザインパッケージを作成する方法 Altium 365を使用して製造業者と直接、情報を共有する方法 今すぐAltium Designerの無償評価版をリクエストして、世界最高のPCB設計ソリューションをお試しください!ご不明な点などございましたら、お問合せフォームにご入力ください。 ビデオを見る
Altium Designer 21:より優れた設計手法 設計プロセスでは多くの場合、退屈な繰り返し作業が求められます。Altium Designer 21では、ユーザーの皆様からのフィードバックを基に長く使用されている機能に見直しを加え、ユーザーエクスペリエンスを改善するとともにパフォーマンスと安定性の向上が行われており、より優れた環境で設計を行うことができます。これらの改良点により、既存の設計タスクが合理化され、リアルな3Dモデリングで精巧なリジッド設計またはリジッドフレキシブル設計を完成させることができます。 さらに、Altium 365®はAltium Designerの最新リリースで、従来にも増して重要な役割を果たしています。詳しくご覧ください。 以下は、セッションで紹介されたトピックとなります。 SPICEシミュレーションの拡張 リジッドフレキシブル設計: 基板プランニングとレイヤースタックの定義 高速設計:トロンボーンとノコギリ歯のチューニング 回路設計の改良:一般的なコンポーネントとネットのプロパティ Altium 365:プロジェクト履歴、競合回避、コメント 今すぐAltium Designerの無償評価版をリクエストして、世界最高のPCB設計ソリューションをお試しください!ご不明な点などございましたら、お問合せフォームにご入力ください。 ビデオを見る
58:23 設計の規模に関わらず必要とされるデータの整合性と管理 今日の設計者が直面する課題はますます広範囲になり、複雑化しています。それとは対照に、作成した設計データを正しく編成、管理、共有する時間は少なくなっています。専任の担当者を置くことができなければ、設計者に選択を任せてしまうことになります。彼らはECADデータ管理システムを自分で実装して保守するかもしれません。あるいは、正しいデータ管理をあきらめ、誤った設計データが製造業者に送られる危険性や、さらには、顧客に供給される最終製品が誤ったデータで製造されるリスクを許容するかもしれません。 このオンデマンドWebセミナーでは、設計の規模に関わらず必要とされるデータの整合性とデータを正確に管理するメリットについて解説し、ECADデータ管理を効率的にするソリューションを紹介します。 以下は、セッションで紹介されたトピックとなります。 ライブラリ、設計、ワークフロー、共同作業者を1か所に整理し、どのようなデバイスでも、どこからでもアクセスや表示を行えるようにする。 デザインの履歴を、コンポーネントの変更から製造側の結果まで、およびその中間の全てを含めて保守し、以前のバージョンを迅速、かつ簡単に復元する。 根本的に整理され、検索可能で、多くのパラメーターを含む新しいコンポーネントを作成し、入手可能性、コスト、ライフサイクル状態を保証する。 コスト、入手可能性、製造性、信頼性の問題があるコンポーネントを使用している設計を迅速に識別し、更新する。 チームのメンバー、マネージャー、顧客、社外のサービスプロバイダーと設計をリアルタイムで、設計サイクルのどの時点でも簡単に共有およびレビューできるようにし、共同で作業を行う。 MCAD設計者のツールと統合し、MCAD設計者と共同で作業を行う。 今すぐAltium Designerの無償評価版をリクエストして、世界最高のPCB設計ソリューションをお試しください!ご不明な点などございましたら、お問合せフォームにご入力ください。 ビデオを見る
Back to Home