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デザインの再利用:設計した基板を再利用するための手法とベストプラクティス Thought Leadership デザインの再利用:設計した基板を再利用するための手法とベストプラクティス 自分の仕事に関係する情報を再利用するのは一般的なことです。シェフはレシピを、仕立て屋はパターンを、技術者は回路を再利用します。ただし、設計済みの基板や回路の再利用については問題があります。それは、設計ツールが役に立たない場合があることです。 再利用の明白な利点は、時間とコストを節約できることです。また、機能することがわかっている修正済みの回路を使用できることも有益です。私は、自社製品向けに完全なシステム基板を設計する会社に勤めていたことがあります。新しい基板が必要になるたび、電源やファンのコントロールなどの機能に、他の基板で設計された回路を再利用していました。 とはいえ、「回路の容易な再利用」という要求は、利用しているPCB設計ツールで対処できるほど単純なものとは限りません。デザインを適切に再利用しなかったために、粗悪な回路基板が出来上がってしまったのも見たことがあります。また、設計済みの回路を信用せずに、回り道をして回路を一から設計する技術者もいました。「再利用」という言葉にまつわるあるまじき問題は多々あります。身に覚えはないでしょうか? 例を見ていきましょう: すべての要素を把握することは困難 長年にわたり、EDAでの設計の再利用とは、単にデータのコピーを使用することを意味していました。多くの場合、デザインの再利用に特化したツールを提供するソフトウェア ベンダーは、再利用の機能に別途料金を請求していました。CADツールの贅沢な機能に対してコストをかけることを上司に説得するのは、大半の人がなんとか避けたいと願う気の重い仕事でしょう。 そうなると、デザインを再利用するにはツール内でコピー&ペーストの機能を使うしかありません。この方法では多くの場合、最終的にコピーされた機能をあまりコントロールすることはできません。また、回路の不要な要素が誤って含まれていたり、重要な詳細が完全に欠落していたりすることもあります。これまでは通常、コピー&ペーストの機能は1つの設計に制限されていました。これは、新しい設計で回路を再作成したいときに極めて苛立たしいことです。また、設計システムによっては、デジグネータやネットの名前が複製されることもあります。そのため、行っている作業の内容を慎重に見直して、エラーがないことを確認する必要があります。 コピー&ペーストの機能は、「デザインの再利用」と言い換えることができるでしょう。多くのベンダーはそう捉えているものの、実際には深刻な問題が付随します。 デザインを再利用できるツールによって時間とコストを 削減できるのに設計を一からやり直す理由とは 破損した要素の修正はさらに深刻な問題 場合によっては、特定の設計ファイルをコピーして再利用のシステムを構築しようとする設計者もいます。つまり、コピーする回路はそれらのシートにのみ配置する必要があります。回路の一部を見逃す可能性もあるでしょう。また、破損したライブラリ リンクを慎重に修正し、必要なデータ、システム、ライブラリのファイルをすべて確実にコピーする必要もあります。こうした再利用を実現するためには、設計者がシステム管理者にならなければいけないこともあるのです。 複数のツールや設計環境で構成される設計システムを使用する場合には、さらに大きな問題が浮上します。こうしたケースでは設計を同期することが非常に難しく、最終的に多くの設計が破損し、作成し直すのに膨大な手動作業が必要になります。たくさんの設計チームはこうしたプロセスをなんとかやりくりしているものの、それは極めて困難な仕事です。そもそも、設計ツールがこの目的のために構築されていないからです。 デザインの再利用に役立つスニペットツール Altium Designerを使って設計済みの基板を再利用することで問題を解消 朗報は、デザインの再利用を容易にする Altium
PCBA製造 Draftsmanを使用してPCBA製造ドキュメントを作成する 私が電子業界で過ごした数多くの年月を振り返ると、我々は長い道のりを歩んできました。PCBレイアウトにマイラーにテープを使用していた時代から、高度なCADシステムへと、業界はここ30年ほどで文字通り光年のような進歩を遂げました。手描きの回路図が、その後物理的に手でつながれる(初期のレイアウトプログラムでもこれは真実でした)時代は(ありがたいことに)過ぎ去りました。ネットリスト?回路図でそれが何だったか?CADツールはそれ以来、長い道のりを歩んできましたし、Altium Designer®のような高度なツールを使用することは、他のCADパッケージではめったに(あるいは全く)提供されない自動化ツールでの多くの作業で大きな時間節約になり得ます。 しかし、話が逸れました。これは、受託製造業者にPCBA製造文書を提供するための重要なタスクを実行する方法を示す2つの投稿シリーズの最初のものです。 あなたのPCBA製造文書には何が含まれていますか? さて、PCBレイアウトを完了したとしましょう(あるいは、複数のプリント基板プロジェクトかもしれません)。レイアウトに満足して、最新の作品を実際に製造するために必要なファイルを生成しましたが、本当に受託製造業者が必要とするすべてを生成しましたか? 製造用のデータパックはたくさん見てきましたが、無関心なものから素晴らしいもの、正直なところひどいものまで様々です。表面実装パッケージの非常に細かいピッチコンポーネントなどの進歩に伴い、製造のルールも変わりました。古い方法では、新しいPCBアセンブリには適していません。製造データパッケージは、過去に十分だったものよりも、おそらくより多くの指導を提供する必要があります。 どのタイプのはんだを使用してほしいですか?リフロープロファイルの限界は何ですか?これらは、はんだ付けプロセスが高品質の接合部をもたらすことを確実にするために非常に重要な問題の2つ(多くの中の)です。しかし、はんだ接合部だけが考慮すべきことではありません。この投稿シリーズが示すように、解釈の余地がない明確かつ簡潔な方法で非常に詳細な情報を伝えることが可能です。 設計を送り出すとき、あなたは作成したいものを知っていますが、契約電子メーカーは知りません。彼らは設計の意図、使用される場所(これは通常のCADツールの出力の一部ではないステップを意味することがあります)や、提供しない限りテストの方法を理解していません。 製造されるものによって異なる種類のパックがありますが、この投稿では最もシンプルなもの、つまり四角で囲まれたPCB組立製造パックに限定します。このビューは組立階層を示しており、実際に出力が生成される方法ではありません。 表示されている階層は、PCBA製造パックの典型的な設定です。Altiumのツールを使用する(16.1以降から)、完全なデータパッケージを生成するのは非常に簡単です。完全に自動化されていますか?いいえ、すべての会社とすべての設計は異なり、最初に行うべき作業があります。 表示されているパックは単一の組立て用であり、他の上位または下位の組立てに対して簡単に子または親オブジェクトになる可能性があり、PDM(製品データ管理)/PLM(製品ライフサイクル管理)システムを持つ企業に理想的に適しています。ここにあるものを簡単に見てみましょう: マスター組立印刷 製造業者が知る必要があるすべての情報が電子出力(ピックアンドプレース、BoM)に含まれているわけではありません。特別な指示や使用するテスト手順、その他の情報が必要になることがよくあります。これらは多くのパックから欠落していることが多いですが、将来の投稿で見るように、生成するのは難しくありません。これは組み立てのためのマスター図面であり、他のすべては従属的です。私が働いてきた業界では、これを単一の真実の源と呼んでいます。回路図とBOMは 標準出力であり、一般的にはすでに存在します。後の投稿で、これらが内部チームと外部製造の両方をどのようにより良くサポートできるかを見ていきます。 組み立て用のPCBを文書化する方法についてもっと読む PCB製造マスター この図面は、時には単にPCB製造図面と呼ばれ、PCB製造業者が裸の回路基板を成功裏に製造するために必要なすべての情報を含んでいます。この図面に含まれる情報は、GerberやODB++ファイルなどの電子設計データには含まれていない場合がありますが、Gerberレイヤーを生成することは可能です。 PCB製造ノートとマスター製造図面についてもっと読む プリント基板組立に関する完全な情報があれば、契約メーカーは必要なすべてを正確に見積もることができ、正確な見積もりを生成することができます。つまり、テストが突然契約メーカーに送られたときの驚きがありません。テストを行うための料金を請求されるだけでなく、オペレーターの時間が利用可能になるまで組立プロセスを保留にする必要があるかもしれません。多くの契約メーカーは、数週間から数ヶ月先までラインを予約し、それに応じて人員と設備を整理します。不完全なパックは大きな悲しみにつながる可能性があります。文書化と単一の情報源は、品質の高いプリント基板組立プロセスの鍵です。 PCB製造業者(しばしば組立業者とは別の会社)も、必要な情報がすべて書かれているため、正確な見積もりを生成することができます(私の会社のテンプレートには、PCB製造プリント用に定義されたコメントが26あります)。
Altium Designerを使用したPCB設計ソフトウェアでの部品表の作成 Thought Leadership Altium Designerを使用したPCB設計ソフトウェアでの部品表の作成 ついに、回路基板ができあがり、PCBを実装する準備が整いました。回路図が完成し、レイアウトの確認と承認が済み、いよいよ組み立てです。ただし、そのためには部品表を作成する必要があります。幸い、それらのドキュメントを手作業で作成したのは遠い昔のことです。どのCADシステムでも、部品表は、ライブラリやその他のプロセスによって自動的に作成されます。しかし、そのためには何をする必要があるでしょうか? Altium Designer 18を使用すると、部品表(BOM)を非常に簡単に作成することができます。さまざまなオプションを選択して、非常に直感的な特定のニーズに応じて情報を構成したり整理したりできます。ここでは、設計から簡潔なBOMレポートを作成するために必要な手順について説明します。 部品表の準備 例として、いくつかの部品で構成される非常に単純な設計を取り上げます。これにより、画面に収まらないような部品表ではなく、簡潔で扱いやすいレポートができます。 Altium Designerでは、回路図、レイアウト、ActiveBOM(設計内のコンポーネントに直接アクセスするためのツール)のいずれかからBOMを作成することができます。BOMレポートの生成機能には、これらの3つの設計オブジェクトで同じメニューを選択してアクセスできます。3つの設計オブジェクトのいずれかをアクティブな状態にして、[Reports] ≫ [Bill of Materials] を選択します。3つのオブジェクトには若干の違いはありますが、下図のようにBOMレポートメニューは基本的に同じです。 Altium Designerの回路図、レイアウト、Active BOMのBOMレポートメニュー Altium Designerでの 回路図の作成やレイアウトの作成には慣れていても、ActiveBOMを使ったことがない場合もあるでしょう。ActiveBOMは、回路図やレイアウトと同様の、別の設計ポータルです。違いは、接続データ(配置と配線)を操作するのではなく、基板設計内の コンポーネントデータを直接操作する点です。ActiveBOMで作業するには、最初に、下図のように
障害物やその他のポリゴンに対応する自動インタラクティブ配線 Thought Leadership 障害物やその他のポリゴンに対応する自動インタラクティブ配線 プリント回路基板の手動配線が非常に楽しい作業であることに疑う余地はありません。最良のシグナルインテグリティを備えた最短の配線ができるよう、できる限り無駄がなくきっちり収まって、誤りのない配線をすることは、魅力的な挑戦です。配線が完了し、きっちり計った配線が完璧であること、差動ペアが適切であること、全てがすばらしいできばえに見えることを知って誇りを感じることができます。唯一の問題は、そのレベルの正確さで手動配線を行うには多くの時間がかかるということです。 今日のPCB設計ソフトウェアには、配線時間を短縮できるさまざまな配線手段が用意されています。本格的なバッチオートルータからトレースのクリーンアップツールまで、あらゆるものを見つけることができます。非常に便利になったアプリケーションの1つに、自動インタラクティブルータがあります。これにより、自動ルータと同じ速さで、ユーザ自身が配線の方向を指定できます。Altium DesignerのActive Routeテクノロジーは、自動インタラクティブルータとしては最も優れたものの1つとなっており、障害物を避けた配線では特に、非常に便利な機能を提供します。 手動インタラクティブ配線 プリント回路基板が作成された当初から、PCB設計者は手動で配線してきました。初期の頃はマイラー上のテープでしたが、現在は高度なPCB設計ソフトウェアとルール指向の設計により行っています。配線がより複雑になるにつれて、PCB設計者は、短時間で障害物を回避するための配線に役立つ自動化された手段がますます必要になっています。 Altium DesignerのPCBエディタには、このような配線に役立つ、以下に示すようなツールが用意されています。以下の単純な例では、PCB設計で未配線のエリアにフィルを追加しています。 これから作業する未配線のPCBのエリア PCB設計者は、障害物周りの手動配線に精通しており、少しの時間で、配線したい場所にトレースを巧みに配置できます。上図の右側に垂直方向のネットを4つ配線するには、通常は各ネットを個別に選択してから各頂点をクリックしてフィルの周りで配線操作を行います。 この場合、アルティウムは配線エンジンを通じた自動化により設計者をサポートします。下図では、トレースが下方向に引かれ、自動的に最短経路で障害物の周りに沿って(hug)配線されています。これにより、設計者は、経路上の各フィルやパッド、その他の障害物に沿って手動で配線する必要がなくなります。 インタラクティブ配線の「hug」機能は障害物回避に有効です 上図では、緑色の十字マークのところまで単純にトレースを引いたセグメントが表示されています。インタラクティブルータは自動的に障害物の周りに沿って(hug)そのままトレースを配置しています。この配線を行うため、Altium Designerのインタラクティブルータにはいくつかの設定が用意されています。これらの設定にアクセスするには、[Tools] プルダウンメニューから [Preferences] を選択し、[PCB Editor] カテゴリで [Interactive
PCB設計内に割り当てられたテストポイントの検索とレポート Thought Leadership PCB設計内に割り当てられたテストポイントの検索とレポート 学校のテストでも運転免許のテストでも、仕事で日常的に口にする類のテストでも、「テスト」という語は、普段落ち着いている人を不安な気持ちにさせる可能性があります。反対に、テストに関わりがなければ同じ人でも明らかにリラックスしています。おそらく、PCB設計者は、自分の設計へのテストポイントの割り当てを終えると、大きな安堵のため息をつくでしょう。ただし、テストポイントを割り当てただけでは作業は終わりではありません。 PCB設計でのテストポイントの割り当ては、プロセスの前半部分に過ぎません。割り当て後は、テストポイントの割り当てを検証して、テストポイントの情報をレポートする必要があります。幸いAltium Designerには、テストポイントをチェックする高度なDRC機能と、テストポイント情報を使いやすいファイルに出力するためのユーティリティが用意されています。テストポイント割り当て後のそれらの手順の進め方について、以下で説明しましょう。 テストポイントの設定と割り当てのおさらい ここでは、製造中に自動的に行われるテストで使用される、プリント回路基板のテストポイントについて復習します。ベンチテストを実行するために技術者に提供されるPCBのテストの位置については説明しません。自動的に割り当てられたテストポイントの位置は、bare-board(製造)テストと、基板の組み立て後に行われるin-circuitテスト(ICT)の両方で使用されます。 Altium Designerには、テストポイントとしてビアおよびパッドを割り当てる機能があります。この割り当ては、特定のビアまたはパッドの属性を変更することにより手動で行うか、Testpoint Managerを使って自動で行うことができます。Testpoint Managerには、テスト対象のネット、テストポイントの候補とすべき特定サイズのビアまたはパッド、テストポイントのグリッド、その他のオプションなど、テストポイントの制約に関する設定があります。 Testpoint Managerを動作させるには、テストポイントのデザインルールを設定しておく必要があります。このルールは、後続の手順で行うテストポイント割り当ての検証にも適用されます。テストポイントの設定および割り当ての詳細については、 Altium DesignerでPCB設計のテストポイントを使用する方法をご覧ください。 割り当てられたテストポイントの検証 テストポイントを割り当てた後は、それらを検証して確認する必要があります。Altium Designerは、テストポイントのスタイルとデザインルールで設定した使用ルールに沿って、テストポイントの割り当てをチェックします。テストポイントのチェックは、製造担当に基板を送る前に実行する必要があるもう1つのDRCです。 テストポイントの割り当て後に基板を編集した場合、何らかの形でテストポイントに影響を及ぼした可能性があります。設計を次のフェーズに移行させる前に全てをチェックしておくことはよい設計習慣です。 テストポイントの割り当てについての最初の記事と同じ設計例を使用して説明します。 最初に行うのは、検証プロセスを実際に実行するためのエラー条件を組み込むことです。テストポイントの候補が全てオフグリッドのスルーホールパッドだったので、テストポイントのグリッドの使用はオフにしていました。エラーを見つけるため、テストポイントのグリッドを以下のように表示します。テストポイントのデザインルールは、[Design] ≫