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    高電圧PCB設計: 沿面距離と空間距離

    Altium Designer
    |  August 11, 2017

    “Danger High Voltage” sign.

    高電圧の応用には、通常のPCBよりも厳しい設計パラメータが必要になる

     

    大学生のとき、私は電気化学エッチングの実験を行いました。その経験をずっと履歴書に記載していたのは、高電圧源や危険な化学品を使った実験について、面接官が必ず話を聞きたがったからです。ところが、危険な職場環境をまったく意に介さない人間が求められる仕事には就きたくないと後になって気付きました。

    それがきっかけで、私は高電圧設計について学び始めました。高電圧の製品に要求される基準には圧倒されましたが、それと同時に安心もしました。私たちが作成した高電圧製品を大学院生たちが使うのを止めることはできないものの、基板がきちんと保護されているのが分かれば心配する必要はありません。

     

    安全の確保にあたって、特定のスペースルールが必要になる場合とは

    高電圧PCB設計に必要となる厳しいスペースルールは、すべてのPCB設計に適用されるわけではありません。一般的には、製品の通常の作動電圧が30VACまたは60VDC以上になると、基板設計にスペースルールを適用すべきでしょう。特に、高電圧で密集した設計の場合は慎重になる必要があります。密集したデザインではスペースが極めて困難になり、保護の観点からさらに重要になるからです。

    高電圧設計ではスペースがさらに重要になります。基板全体の電圧によって、PCBの導電性要素間でアーク放電が発生しやすくなるからです。発生したアーク放電は、製品にもユーザーにも極めて大きな危険をもたらします。こうした危険を軽減するために、空間距離と沿面距離という主に2つのスペース測定の基準があります。
     

    空間距離とは

    空間距離とは、2つの導体間の空間の最短距離を指します。私はこの定義をあき高(つまり、自分の頭が何かにぶつかる前に、どのくらいの空間があるか)として覚えています。PCBの空間距離が短すぎると、基板上で隣接する導電性要素間で過電圧によるアーク放電が発生する可能性があります。

    クリアランスルールは、PCB材料、電圧、環境条件によって異なってきます。環境による影響はかなり大きくなります。最も一般的には、湿度によって空間の破壊電圧が変化し、アーク放電が発生する可能性に影響が及びます。ここでは、粉塵についても考慮しなければなりません。PCBの表面に集まった微粒子は時間とともにトラックを形成し、導体間の距離を縮めてしまいます。

     

    Arcing between two wires.

    アーク放電は製品に損傷をもたらし、ユーザーに被害を及ぼします。
    基板でのスペースが重要な設計パラメータになるのはこれが理由です。

     

    PCBでの沿面距離とは

    空間距離と同様に、沿面距離もPCB上の導体間の距離を指しますが、こちらは空間の距離ではなく、絶縁材の表面に沿った最短距離になります。沿面距離の要件は環境や基板の材料によっても異なり、空間距離と同じく、基板上に蓄積した水分や微粒子によって沿面距離が短くなる場合があります。

    密集した設計では、沿面距離の要件を満たすことが困難になり得ます。トラックを移動させることが第一の選択になることは稀であり、表面の距離を延ばすには他にいくつかの方法があります。それは、トラック間にスロットを追加するか、または絶縁物に垂直の障壁を実装することです。いずれの方法でもトレースのレイアウトを変更することなく、沿面距離を大幅に延ばすことができます。
     

    材料の比較トラッキング指数(CTI)

    空間距離と沿面距離の要件のうちで作動電圧の次に重要な要素は、PCB材料の特性に関するものです。材料の電気絶縁性は、比較トラッキング指数(CTI)で示されます。CTIは電圧で表示され、材料の表面がいつ破壊するかを測定する標準テストによって決定されます。

    破壊値に基づいて、材料は「0」から「5」までの6つのレベルに分類されます。製品に対する絶縁物の規定レベルは、このCTIの分類に基づきます。最も低いレベルは「5」で、電圧は100V未満となります。破壊値が600V以上のレベル「0」に分類される材料が最も頑丈で、多くの場合にコストも高額になります。

     

    A pile of old PCBs.

    PCBの絶縁材の破壊電圧は、製品の応用に対応する安全性の分類によって異なる

     

    適切な材料やスペースを使用するには

    PCB設計や材料は、数多くの種類があるため、安全性に関する要件や基準を満たすための最善策は、それぞれのサプライヤーに確認することでしょう。最もよく参照される基準は2つあります。1つめは IPC-2221と呼ばれる一般的な基準で、PCB設計の空間距離と沿面距離に関するガイドを確認できます。2つめはIEC-60950-1(第二版)です。これは、AC主電源やバッテリー電源が搭載されるIT製品に関する基準で、特に製品を海外で販売する場合は読んでおいたほうがよいでしょう。

    不適切なスペースは法律違反のほか、死亡や破壊といった深刻な問題を引き起こすため、ご自身の設計に関連する基準に精通しておく価値は十分にあります。これにより、大学生たちも被害に遭わなくて済むようになります。

    基準を特定して対応するには時間がかかることもあります。そこで確保しておきたいのが優れた設計ソフトウェアです。こうしたPCB設計向けのソフトウェアでは、特定のデザインルールを作成して、プロセスの早い段階で問題を特定できるようになります。Altium Designerを活用すれば、こうした要件に対応できるだけでなく、基板の材料を選ぶ前に設計作業を開始することが可能です。

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    PCB Design Tools for Electronics Design and DFM. Information for EDA Leaders.

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