私は、子供の頃、必ず生物学者になると考えていました。あらゆる種類のトカゲやオタマジャクシ、昆虫を収集し、さまざまな生き物が住むための水槽に小遣いのほとんどを使っていました。しかし、1つのことが私を思いとどまらせました。寄生虫が大嫌いなのです。カマキリやヘビは、体のどこを這っていても平気なのに、サナダムシは、見ただけで吐き気がしてきます。結局、私は、週末の餌やりが必要ない工学を選びました。寄生回路パラメーターは厄介者ですが、そのために仕事中に吐くようなことはありません。
特に、寄生インダクタンス(L)は、静電放電(ESD)保護がどれほど効果的になるか、ということに大きく影響します。インターフェイスを管理すること、また、入力で過渡電圧サプレッサー(TVS)を使用することが、重要な第一歩です。ただし、寄生インダクタンスを最小化しないと、有効な対策が全て無駄になります。TVSを使用している場合、特にそうです。TVSダイオードが、大きな寄生インダクタンスの影響を受けると、ESDパルスが発生した場合、電圧が劇的にオーバーシュートし、コンポーネントをまったく保護しない可能性があります。
私は、アノールトカゲなどの小さな生き物を多く飼っていましたが、寄生虫がひどく嫌いだったので、生物学のキャリアを諦めました。
寄生インダクタンスは保護回路に何をするか?
TVS保護回路のインダクタンスを調べ、回路の入門クラスを思い出すと、その答えが分ります。
ESDパルスの電圧(VESD)は以下のように考えることができます: VESD = VBREAKDOWN(TVS) + RDYNAMIC(TVS)*IESD + LESD(dIESD/dt)。数式について詳しく知りたい場合には、Texas Instrumentsに素晴らしい説明があります。昼食を食べながら流し読みする私たちにとって重要なポイントは、最後の項です: LESD(dIESD/dt)。tは非常に小さいので、dIESD/dtは非常に大きくなります。インダクタンスLESDが非常に小さくても、システムで非常に大きな電圧スパイクが発生する可能性があります。
寄生インダクタンスを最小化するには?
それでは、問題がPCBのトレースに内在している場合、どうしますか? ポイントは、シャント経路とそこから生じる寄生インダクタンスを最小化するための、スマートなコンポーネント配置です。
トレースを短くし直接配線を使って、TVSからGNDへのインダクタンスを最小化します。LGNDに寄与する経路の長さや素材が増えないように、GNDプレーンへの接続にスタブやビアを使用しないでください。
同じことがTVSへの入力にも該当します。経路を短くし、ビアやスタブを使用しないでください。LESDも、寄生インダクタンスや保護機能にマイナスに寄与する場合があります。また、TVSを入力コネクタの近くに配置してください。寄生インダクタンスを低減しておく他に、近隣トレースへのESDパルスの一時的なカップリングを防ぐのにも役立ちます。
トレース長を最小化し、TVSへの接続にビアを使用しない。
敏感なコンポーネントの位置をどのように決めるか?
保護している敏感なコンポーネントをTVSから更に離してください。インダクタンスLESDを小さくしておくだけでなく、保護ライン上のLICとLinputの比を最大化する必要があります。Machine Designでは、「LICの非線形性は、ESD電流パルスの最初のピークへのバッファーとして機能する。これによって、ICへの大幅な電圧降下が生まれる。ESDデバイスとICが接近するほど、このインダクタンスは小さくなり、電圧降下も、これ以上の利点はないというほど小さくなる」と説明しています。
基本的に、敏感なコンポーネントを入力やTVS保護から更に離すことによって、寄生抵抗の一部が有効に機能します。コンポーネントに影響するESDパルスの電圧スパイクを減らすことができるからです。
配置を適切に行うことは、コオロギの心を支配する寄生虫ほど恐ろしくはありませんが(警告: これは未読にできません)、繰り返し行いたいものではないかもしれません。複数の製品で同様の保護方法を使用している場合、回路を一度設計すれば、モジュール設計を使用して、再利用を簡単にできます。Altium DesignerなどのPCBソフトウェアは、モジュール設計を簡単に実行し、PCBの保護に役立ちます。始めるに当たってのサポートは、Altiumの担当者までお問い合わせください。