ずっと昔、あのフロッピーディスクを使っていたことを覚えていますか? 私のコンピューターにフロッピーディスクドライブが2つ付いていたのを覚えています。一方のドライブにプログラムの入ったディスクを入れ、もう一方にデータ用のディスクを入れていました。そのうち、ハードディスクという驚くべき発明品が登場し、保管容量は爆発的に増えました。メモリ容量は、まだ増加を続け、今ではサイズは、それほど有用な要素でなくなりつつあります。モノのインターネット(IoT)の場合、エネルギー消費が次の重要項目です。スマート家電からスマートシティまで、あらゆるものが構想されており、これらが機能するには、非常に消費電力が低いメモリが必要となります。そこで、超低消費電力CBRAM(導電性ブリッジング ランダムアクセスメモリ)の出番です。Adestoは、他のストレージ技術の1/100の電力で動作できるかもしれない、この技術を推進している主要な企業です。
もはやこれらは必要ありません。
低消費電力の要件
先ほど、ストレージのサイズは問題ではない言いましたが、それは嘘です。デバイスが小型化するとともに、小さなバッテリーで動作できる、より小型のメモリが必要となります。特にウェアラブル機器は、フォームファクターの小型化と効率的なエネルギー利用について、この傾向を促進しています。機械の小型化に加えて、広域IoTセンサーネットワークも、低消費電力ソリューションを必要としています。
メモリが増加しただけでなく、計算能力も向上しました。今日のスマートフォンは、NASAが月旅行に使用したコンピューターより何百万倍も強力であると言われています。ウェアラブル電子機器は、まだまだそのレベルに達していませんが、その方向に向かっています。より強力になりつつあるだけでなく、スマートウォッチは、センサー機能の統合を始めつつあり、高度なユーザーインターフェイス(UI)とサポートアプリケーションを既に備えています。プロセッサー、センサー、アプリは、動作するためにエネルギー効率の高いメモリを必要とします。そうでなければ、1日に何度もウォッチを外して充電することが必要になり、誰もそれは望みません。
低消費電力を本当に必要とするもう1つの領域は、低消費電力高域ネットワーク(LPWAN)で使用されるデバイスです。人は長い間、「スマートシティ」を構想してきました。そこでは、自動車が自分で駐車スペースに止まり、インフラが効率的に監視、保守され、公共の利益を求めてデータマイニングが行われます。これらのシステム全てに共通していることは、何でしょうか? それらは全て、広い地域に展開された何百、何千ものセンサーを使用するため、LPWANを必要とします。低消費電力は、LPWANの頭字語の一部であり、それが重要であるのは明らかです。地下に何千ものセンサーを備えた水道システムを監視している場合、3か月ごとにバッテリーを交換するのは、おそらく嫌でしょう。低消費電力ネットワークだけでなく、これらのセンサー向けの低消費電力メモリソリューションが必要なのは、こういう理由からです。これらのセンサーは全て、データを収集し、どこかに送信するため、メモリを必要とします。
CBRAMの使用は、フロッピーディスクからハードディスクに飛び移るようなものです。
IoT向けのCBRAM
Seagateが、小型のハードディスクでメモリ業界を革新したのと同様に、Adestoは、低消費電力メモリの次のステップに取り組んでいます。Adestoは、使用するエネルギーが、現在の低消費動力技術より大幅に少ない、あるタイプのCBRAMを開発しました。実際、このメモリは、消費電力が非常に低く、場合によっては、バッテリーを使用する必要さえありません。
CBRAMは、「抵抗変化型RAM」というカテゴリーに属する、新しいタイプの不揮発性メモリーです。この不揮発性の部分が、非常に重要です。つまり、CBRAMは、フラッシュメモリーのように、電気に接続されていなくてもデータを保管できるのです。この機能によって、CBRAMは、使用されないと電力を消費しない、ディープスリープ状態に入ることができます。動作する際、AdestoのCBRAMは読み書きするのに、フラッシュなど、同等のソリューションが使用するエネルギーの100分の1しか使用しません。IoTが待っていたのは、このような数字です。所要電力がそれくらい低いと、一部の回路はバッテリーを必要とさえしません。
バッテリーは、大規模センサーネットワークの悩みの種です。デバイスにバッテリーが搭載され、充電システムに接続されていなければ、バッテリーはいずれ切れます。動作中にエネルギーを取り込み、バッテリーを充電するか、またはバッテリーをまったくなくすことができるチップを現在作っているのは、そのためです。AdestoのCBRAMは、消費電力が非常に低く、これらのタイプの取り込みチップからの電力のみで理論上は動作できます。想像してください。センサーバッテリーを交換するために下水道に入る必要がないのです。それは誇張かもしれません。では、スマートフォークやソックスセンサーを充電する必要がないことを想像してください。CBRAMでは、そこまで可能です。
モノのインターネットは、刺激的な業界ですが、まだ課題に直面しています。デバイスに常識を与える方法を見つけ出すとともに、IoTは、低消費電力回路も必要とします。エネルギー効率の高い基板は、電気的に経済的なメモリソリューションを必要とします。CBRAMは、IoTのストレージ電力要件を満たす見込みのある技術の1つです。
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