Maker FaireおよびOpen Source Hardware SummitでのPCB設計ツール

Judy Warner
|  投稿日 2017/09/20, 水曜日  |  更新日 2020/12/8, 火曜日

maker faire

 

 

「メイカー」ムーブメントが一般の人々の間で盛り上がったことを受け、Maker Mediaは2006年、第1回Maker Faireをサンフランシスコのベイエリアで開催しました。それ以来、2014年までに、ニューヨーク市とサンフランシスコで開催された2つの主力イベントを訪れた参加者は215,000名に上りました。その間、これらの大規模イベントから、Featured Maker Faire、Mini-Maker FaireSchool Maker Faireが世界各地で生まれました。

 

 

Maker Faireについてご存知ない場合、Webサイトの説明が最も分かりやすいでしょう。

 

 

「Maker Faireは、地上最大の展示発表会です。家族で楽しめる、発明と創造と役に立つ情報がいっぱいの展示会であり、メイカームーブメントのお祭りです。科学展示会や農産物品評会、さらには完全に新しい要素からなるMaker Faireに出展するメイカーは、技術愛好家、クラフト作家、教育者、機械いじり愛好家、技術者、科学部、著者、芸術家、学生、企業など多岐にわたり、年齢も経歴もまちまちです。そこは人々が自分で作った物を見せ合う場所であり、自分が学んだことを共有する場所でもあります」

 

 

Screaming Circuits at Makerfaire

 

 

Altiumがメイカーコミュニティの一員として、CircuitMakerと呼ばれる無償のEDAツールを提供していることを意外に思う方もいるでしょう。このツールを使うことで、独創的なメイカーは無償のPCB設計ツールを使用し、CircuitMakerコミュニティに参加することができます。これまでに、世界中の何百もの技術的なメイカーが、このソフトウェア上で協力して、電源からニキシー管時計までのさまざまなモノを製作してきました。

 

 

 

ニューヨーク市で開催されるMaker Faireは、2つの主力イベントの1つです。9月23 ~ 24日、Altiumのアプリケーションエンジニア(AE)であるColby Siemerと私自身を含む少人数のチームが、主催者としてこのイベントに参加しました。下の写真は、創意に富む展示作品を撮影したものです。準備でき次第ビデオも共有する予定ですので、是非ご覧ください。それまでの間、昨年のSan Diego Maker Faireのビデオをお楽しみください。また、Maker mediaはMakeという非常に多彩で人気のある雑誌を出版しています。

 

 

 

メイカー文化は一般に、オープンソース ハードウェアに対応しています。メイカー文化で注目されている領域には、エレクトロニクスロボティクス3Dプリンタなどの技術者主導型研究と、金属加工や木工などのより従来型の作業、さらにはその前身である伝統美術および工芸が含まれます。

 

 

 

このつながりから、Siemerの9月の予定にはOpen Source Hardware Associationの年次サミットが入っていました。2017年のサミットは、コロラド州デンバーの市庁舎で10月5日に開催され、オープンソース ハードウェアのハッカーたちが意見を交わし、講演を聴き、仲間をつくるためにやって来ます。

 

 

 

世界有数の専門職向けPCB設計ツール(Altium Designer)を製造しているAltiumが、メイカーとハードウェアハッカーのコミュニティにかかわり、そのための無償ソフトウェアツールを提供するのはなぜなのか、不思議に思う方もいるでしょう。ここで説明させてください。Altiumのルーツは、タスマニア大学に通うオーストラリア出身の2人の若いイノベーターが、ハードウェア製品を開発しようとした頃に遡ります。当時、ECADツールを使えたのは、豊富な資金とミニコンピューター(または専用のエンジニアリングステーション)を持つ大企業だけでした。

 

 

 

Nick MartinとDave Warrenは、これらのツールを使用できないことを歯がゆく思い、ちょうど登場したばかりで、2人がメイカー/ハッカーとなる基盤となったパーソナルコンピューターの初期バージョンを使用して、自身のためにソフトウェアツールを開発しました。これは、エレクトロニクス史における「EDAのビッグバン」と呼ばれることもあります。Altiumは、フル機能つきのEDAツールを誰もが使えるようにしたいと考えた、MartinとWarrenの精神を受け継いでいます。これまでに、いくつかの非常に優れたアイディアと卓越したPCB設計者が、創造性と革新性に富むメイカーおよびハードウェアハッカーのコミュニティから出現しています。だからこそ、弊社は引き続き、CircuitMakerCircuit Studioなどの無償または低コストツールを製造および対応し、豊富な機能を搭載することで、(私たちもその一員である)これらのすばらしいコミュニティの力になりたいと考えています。

 

 

是非、お住いの地域で開催されるMaker Faireを見つけて、目覚ましい創造的な展示の世界を満喫してください。文字どおりに「地上最大の展示発表会」です!

 

 

Marcus Cheung

 

 

Makerfaire Dragon float

 

 

Bike at Makerfaire

 

 

Judy at Makerfaire

 

 

 

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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