電源/GNDネット用の大きな銅箔領域を実装する方法には、ポリゴンとプレーンの2つの選択肢があります。電源ネットを実装するのにどち らの方法が良いですか、というご質問を多くいただきますが、どちらを使っても最終的な結果はほぼ同じになるため、唯一の正解というも のは存在しません。どちらの構成でも、適切な電源/GNDネットが作成できます。このホワイトペーパーでは、実際の要件に合った方法をご 自身で選んでいただくための参考として、ポリゴン構成とプレーン構成の類似点と相違点について解説します。
ポリゴンとは、いわゆる「銅箔(copper pour)」や「ポリゴン (polygon pour)」と呼ばれるもので、PCBの領域のうち、既存のコ ンポーネントやトレースの周りに銅を流し込み、塗りつぶした部分 のことを言います。ポリゴンは、信号層(ポジで表現される)上のみ に定義できます。配置すると、銅が追加されます。 ポリゴンがよく使用される場所は次のとおりです。
• コンポーネントや配線が存在する表面レイヤー
• 配線が存在する内層の信号層と、電源専用の信号層
• コンポーネントや配線が存在しないGND
ポリゴンは、ソリッドの銅箔、格子状の銅箔、または単に連続した 外形として作成できます。ポリゴンの属性は、[Properties] パネル、 またはGlobal Editorで管理できます。ポリゴンはPCBエディタで直 接、変更することも、MCADツールからDXF/DWGフォーマットでイ ンポートすることもできます。
プレーン層とは、いわゆる「インターナルプレーン」、「パワープレーン」、「スプリットプレーン」などのことで、PCBの領域のうち、インターナルレイヤー全体が元々すべて銅箔である領域のことを言います。プレーンは、インターナルプレーン層(ネガで表現される)のみに定義できます。そこに配置すると、銅箔が除去されます。
インターナルプレーン層は、電源/GNDネット専用です。インターナルプレーン層にコンポーネントや配線トレースを配置することはできません。1つのプレーン層を、複数の電源ネットやGNDネットを表す複数のセクションに分割(スプリット)することができます。分割されたスプリットプレーンは、既存のプレーン内にネストできます。
「電源/GNDネットはポリゴンとプレーンのどちらで実装するのが良いですか」とよく聞かれます。どちらの方法でも必要な銅箔の形状を作成できるため、どちらかが正しくて、どちらかが間違っているとは言えません。それぞれの構成の特性上、どちらかの方法が望ましい状況もあります。
ポリゴンは信号層に配置する必要があり、インターナルプレーン層では使用できません。ポリゴンの利点の1つは、レイヤー全体を電源分配専用にする必要がないことです。任意の信号層(トップレイヤーとボトムレイヤーを含む)に、電源/GNDネットを分配するために複数のポリゴンを配置しながら、同時に電源とは関係のない信号トレース配線の領域も配置できます。インターナルプレーン層ではインタラクティブなトレース配線が不可能であることが、使用する構成を選択する際の1つの決め手になるかもしれません。
ポリゴンのもう1つの利点は、ポジで表現されていること—つまり、PCBエディタの信号層に表示される形状が、実際のPCB銅箔に描画される形状とまったく同じであることです。これに対し、プレーン層はネガで表現されるため、インターナルプレーン層に配置されるオブジェクトは、 銅箔「でない」ものを定義します。ネガで作業するため、プレーンの実際の形状をイメージするのが難しかったり、違和感を覚えたりすること があります。 (※続きはPDFをダウンロードしてください)
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