2023年の貴社のプロジェクトに最適なPCB設計者を雇う方法

Zachariah Peterson
|  投稿日 四月 5, 2023  |  更新日 七月 13, 2024
2023年の貴社のプロジェクトに最適なPCB設計者を雇うには

想像してみましょう。あなたは、会社に応募してくれるエンジニアを引き付けるためにさまざまな努力をしてきました。募集要項を作成し、LinkedInで人材を探し、フリーランスサイトにめぼしい人がいないかをあたり、さらには採用会社にもお願いしたかもしれません。優れた候補者が複数集まったので、ここでプロジェクトに適したPCB設計者を絞り込みたいと考えています。さて、どうすればよいでしょうか?

個人的に、これまで採用プロセスで何かを決定する際には、自分がどのような面接を受けたかや、プロジェクトの成功要因は何であったかを思い返してきました。したがって、この記事では、新製品開発でPCB設計者を雇うために私が行っている採用アプローチをまとめることにします。企業の規模にかかわらず、新たにPCB設計者を雇う際に面接戦略を立てるヒントにしていただければ幸いです。

PCB設計者を雇う際に予想されること

1. 正社員を雇うか、請負業者や設計会社と契約するか?

多くのPCB設計者は、大企業で多岐にわたる設計プロジェクトに取り組んできた長いキャリアがあります。しかし、常にフルタイムの正社員としてこれらのプロジェクトに携わってきたとは限りません。しかも、すべての企業が会社で常勤するPCB設計者を必要としているわけでもありません。企業が必要としているのは、プロジェクトを成功に導くために一定時間を捧げてくれる熱意ある人材です。別の観点から言えば、設計は期間的で、プロジェクトがあるときにだけリソースが必要となり、かつ、フロントエンドの設計や構築とラボでの作業が求められます。

貴社が求めているのはどのような設計者で、どのように連携したいと考えていますか?設計頻度、時間的制約、要件に応じて、社員にすべきか、外部業者に委託すべきかが決まります。

  • 各プロジェクトの期間は?
  • 設計者は複数の製品で保守を行っているか?
  • フロントエンドエンジニアリング業務も行っているか?
  • 設計者に調達/製造部との調整や管理が必要となるか?
  • ラボやテスト施設での作業が必要となるか?

場合によっては、フルタイムの正社員を雇うよりも、請負業者や設計会社と定額契約を結ぶ方が賢い選択となる場合があります。作業を行う場所も重要です。請負業者や設計会社は社外で作業する傾向があります。自社施設で作業させる場合は、一般的に、正社員でなければならないでしょう。

2. 専門領域

過去の実務経験は重要ですが、より重要なのは、候補者がこれまでどのような設計に携わってきたかです。大規模な多国籍企業では、設計者がハードウェアの特定のサブモジュールに何年も費やしていることがあります。一方、小規模な会社での実務経験がある、または起業家として会社を営んできた設計者であれば、多数の異なるプロジェクトに携わってきた可能性があり、極めて広範な設計プロジェクトに関わってきたかもしれませんが、その専門性は低いかもしれません。

あなたが直接携わっている分野だけでなく、プロジェクトに影響を与えうる関連の技術分野での彼らの経験も把握しておく必要があります。たとえば、複雑なデジタルボードを開発している場合、設計者は差動ペアの配線以上のことを知っている必要があります。SI/PI/EMI、特定のインターフェース、ボード上での配電方法などは必須知識となります。また、ボードの素材とスタックアップについても知っておかなければなりません。製造業者に任せてそれで終わりという話ではありません。

PCBネットワーキングカード
高速ネットワーキングカードを構築するために電源システムの設計者を雇うべきではないでしょう。

3. 設計プロセスの理解

単発の簡単な仕事の枠を超えてキャリアを積んできた専門性の高い設計者であれば、回路設計 やPCBレイアウトだけでなく、設計プロセス全般に深い知識を有しているはずです。高度システムの設計プロセスは極めて精緻なプロセスで、製品開発における次のいずれかの分野で設計者が他を率いるポジションにいた場合なら、なおのことです。

  • フロントエンド回路設計およびエンジニアリング
  • 関連規格の特定とこれに関する知識
  • 製品仕様書の作成方法
  • 材料選択およびDFMのニーズとPCBの性能との調整
  • ハーネス、筺体、またはコネクタの設計
  • ECAD/MCADコラボレーションにおけるやり取りの理解
  • ファームウェア/ソフトウェア開発プロセス

今日の設計チームは各専門分野のエキスパートが必要です。つまり、PCB設計者は、上記のいずれかの分野で知識を提供したり、リーダーシップを発揮したりする必要があるかもしれません。

4. 製造プロセスの理解

高度な製品に、DFM/DFAが極めて重要である今日、設計者はPCB製造プロセスについて極めて多くのことを知っています。最先端の製品を開発するスタートアップ企業では、一般的に大量生産が想定されるため、PCB設計者は製造プロセスのニュアンスを理解し、スケジュールやコスト目標を達成するため、生産面と物流面での管理方法に精通していなければなりません。

現代の電子機器のサプライチェーンでの作業も、電子機器の設計、開発、および製造に欠かせません。サプライチェーンのデータを活用して賢く部品選択する術を理解している設計者には極めて大きな価値があります。こうした設計者の意見は、設計のやり直し、生産の遅延、コストの超過を防ぐのに役立つでしょう。

5. ソフトウェア習熟度

最後に、あなたが採用を検討している設計者には、貴社で使用しているCADツールの使用経験がある程度なければなりません。請負業者や外部の設計会社は通常、独自にライセンスを取得する必要がありますが、従業員であれば、貴社がライセンスを提供する必要があります。PCB設計ソフトウェアの機能は、過去20年間で大幅に改善されてきましたが、製品開発プロセスで必要とされるエンジニアリングアプリケーションは、次のように他にもあります。

  • ベンダー固有のSPICEシミュレーター(例:LTSpiceまたはTINA-Spice)
  • SI/PI/EMIシミュレーションアプリケーション(Simbeor、Ansys など)
  • 機械部品の製図およびモデリングツール(SOLIDWORKSなど)
  • テスト、測定、および解析アプリケーション
  • システムレベルのシミュレーションおよびモデリングツール(Keysightなど)

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筆者について

筆者について

Zachariah Petersonは、学界と産業界に広範な技術的経歴を持っています。PCB業界で働く前は、ポートランド州立大学で教鞭をとっていました。化学吸着ガスセンサーの研究で物理学修士号、ランダムレーザー理論と安定性に関する研究で応用物理学博士号を取得しました。科学研究の経歴は、ナノ粒子レーザー、電子および光電子半導体デバイス、環境システム、財務分析など多岐に渡っています。彼の研究成果は、いくつかの論文審査のある専門誌や会議議事録に掲載されています。また、さまざまな企業を対象に、PCB設計に関する技術系ブログ記事を何百も書いています。Zachariahは、PCB業界の他の企業と協力し、設計、および研究サービスを提供しています。IEEE Photonics Society、およびアメリカ物理学会の会員でもあります。

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