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    PCB回路設計で微細な短絡の発生を防止する方法

    August 14, 2017

    髪をとかしている男性

     

     

    デートで出掛けたディナーのパスタに髪の毛が入っていたということほど、悲惨な話があるでしょうか。口に入れた後に気付いたとすればなおのことでしょう。この悲劇を避ける方法は2つあります。ひとつは、料理を口に運ぶ前に髪の毛が入っていないかどうかを徹底的に確かめること。もうひとつは、料理に髪の毛が入ってしまう危険を完全になくすこと(ただし、この場合は別のレストランを選ぶ必要があるかもしれません)。PCBの設計では、2~3本の髪の毛がそれほど大きな損害をもたらすことはありませんが、QCではどんなに微細な短絡も大問題になります。短絡を見つけるのには時間がかかるうえ、その修正コストはPCB実装よりも高額になることがあります。レストランの食事に髪の毛が入っていては困るように、設計でも短絡が発生するのを回避しなければなりません。とはいえ、人間はミスをするものです。短絡を完全には回避できないかもしれませんが、成功事例を実践して危険を最小限にすることは可能なはずです。

    微細な短絡とは何か?どのように発生するのか?

    短絡は、関連していない2つの信号間の想定外の接続によって発生します。たとえば、正の電圧がGND信号と接続した場合には短絡と見なされます。信号が太い銅箔で接続されていれば、短絡は肉眼でも確認できます。これは、PCBが機械を使わずに手作業で作成されている場合にあてはまります。

    微細な短絡が懸念事項となるのは、PCBが機械で製造される場合です。これは、髪の毛のように細い銅箔が2つの信号を接続してしまうことがあるからです。こうした短絡は、実装されたPCBで一連のQCテストが実施されるまで、肉眼では特定できません。残念ながら、製造工程のこうした遅い段階で短絡が見つかると、それまでに費やした時間や原材料のコストは確実に無駄になります。

    短絡がどのように発生するのかを理解するためには、PCB製造の一般的なプロセスを把握しておく必要があります。通常、PCBは非導電性の基板にラミネート加工された銅箔を使って製造されます。電気回路をPCBに実装するための一般的な方法は写真製版法で、電気回路の画像を含むシルクスクリーンのラミネートが、フォトレジスト コーティングされたPCB上に配置されます。

    次に、PCBに紫外線(UV)が照射され、シルクスクリーンで覆われていない領域がアンモニアベースの溶液でエッチング除去されます。大半の場合、これらの処理は自動で行われ、問題がある場合は信号のパッドやトラックに接続する細い銅箔が残ることになります。製造後に徹底したテストを実施しない場合は、製造のその後の段階で不要な問題が発生する危険があります。

     

     

    PCBで使用されるマルチメータ プローブ
    大半の場合、微細な短絡を早い段階で特定することはほぼ不可能

     

     

    微細な短絡は適切な電気テストによって削減可能

    PCB設計を独学で勉強した私にとって、製造後の電気テストを実施しなかったために大変な痛手を負ったことは最大の教訓の1つです。「製造後に必要な電気チェックはPCBの製造業者がすべて請け負ってくれる」と考えるのは安全ではありません。PCBを実装工程に送る前に、必ずフライングプローブテストなどの電気テストを実施して合格するようにしてください。フライングプローブテストでは、高精度のプローブが高速で移動しながらコンポーネントのパッドやビアをチェックし、製造での欠陥や設計のミスが特定されます。

    なお、電気テストは100%確実なものではなく、微細な短絡を特定できない場合もあります。とはいえ、欠陥のあるPCBを実装工程に送ってしまう危険は大幅に低減できます。また、電気テストを通過したPCBに欠陥が見つかった場合に製造業者が確実に補償してくれれば、危険をさらに減らすことができます。上記の場合、評判のよい製造業者であれば、欠陥のあるPCBを交換し、実装されたコンポーネントの費用を弁償してくれます。

     

     

    「Q.C. OK(品質管理に合格)」と書かれたステッカーとPCB

    PCBは実装工程に送る前に必ずテストすること

     

     

    微細な短絡の発生を削減するために設計者が実践できること

    多くの場合、微細な短絡はPCBの製造での問題が原因になりますが、電気設計者もこの危険を減らすことができます。フォームファクタや予算に関する制約がどの程度厳しいかによって左右されるものの、銅箔接続部とパッドの間には大きめのクリアランスを設けるとよいでしょう。

    銅箔配線間の空間距離と微細な短絡を関連付ける研究はないものの、小型の複雑なPCB設計で微細な短絡が発生しやすいことを私は経験から学びました。この問題を最小限にするために、私はサプライヤーの製造能力を最大限に使うのを避け、クリアランス許容差を可能な限り大きくするようにしています。たとえば、サプライヤーが5milのトレース幅とクリアランスに対応できる場合は、クリアランス制限を6milに設定するなどです。新しいサプライヤーと仕事をするときは、必ずこの方法をとっています。技術者としては、製造全体を危険にさらすことのないよう、製造業者の制限を小さな規模でテストして慎重を期すようにしています。

    品質の高いPCB設計ソフトウェアでは、カスタマイズしたclearanceルールを使って、製造用のファイルを確定させる前にデザインをチェックできます。設計ツールであるCircuitStudioのClearance Matrixは、銅箔接続部を分離することに役立ちます。

    clearanceルールに関してご不明な点がある場合は、Altiumの専門家にお問い合わせください。

     

     

     

     

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