除雪ビジネスを変えるロボットSnowBotにご注目ください

Judy Warner
|  投稿日 February 14, 2018  |  更新日 November 27, 2020

Snowbot Pro

 

Judy Warner: Shaneさん、お会いできて光栄です。珍しい社名ですね。お話しを始める前に、ぜひその由来をお聞かせください。

 

Shane Zinner: この辺りには、Niwot(左手という意味)(1825–1864頃)というネイティブアメリカンの族長がいました。彼はアラパホ南部の部族のリーダーで、コロラドの歴史上重要な役割を果たしました。Left Hand Canyon(峡谷名)やLeft Hand Brewery(地ビール醸造所)、コロラド州のNiwot(地名)など、彼の名前に由来して様々な名称に「Left Hand」が使われています。ですから、設立者たちがコロラド州のNiwot出身であることを考えると、社名を「Left Hand Robotics」としたことも納得できます。

 

Chief Niwot namesake of Left Hand Robotics

Chief Niwot(「左手」の意)とそれにちなんだ社名のLeft Hand Robotics

 

Warner: 興味深い背景ですね。それで、Left Hand Roboticsはいつ設立されたのですか?

 

Zinner: 2016年7月26日です。

 

Warner: 自律型のSnowBotのしくみを説明していただけますか?

 

Zinner: SnowBot Proは、運転中、高度なGPS技術を使ってあらかじめ定められた道に沿って進み、多数のセンサーで障害物を避けます。1回通行するだけで、回転ブラシによって歩道の端から端までを除雪して、最高基準を満たすことができます。

 

Warner: どのようなコントローラーとエンジンが搭載されているのですか?Zinner: 今のところ、ブルドーザーやその他の重機に代表されるような油圧装置を備えたガソリンエンジンが搭載されています。いつか完全な電動式モデルを作りたいと思っています。

 

Warner: 対象市場はどこですか? 自律型SnowBotをどのような方法で売り込むのでしょうか?

 

Zinner: 私たちが対象とする市場は、24時間体制の介護施設や病院、不動産管理会社、商業施設や集合住宅など、完全に商用です。いずれの顧客も、安全確保のための除雪と作業の軽減を必要としています。夜分の除雪は、これらの人々にとって大きな問題です。早朝2時に雪が降り始めた場合、そのような時間に除雪をしてくれる業者を探すのは並大抵のことではありません。また、24時間対応の除雪サービスはとても高額です。私たちの製品を導入するとなった場合は、購入またはリースすることができます。

 

Warner: 一般の人たちの多くは、ロボットに雇用を奪われることを危惧するでしょう。このような危惧や不安にはどのように対応なさいますか?

 

Zinner: ビジネスとしての雪や氷の管理は、危険をともなう重労働です。また、北米のほとんどの地域の降雪は予測不能ですし、散発的です。雪と氷に関する専門業者によれば、道路や歩道からの除雪を喜んで引き受けてくれる作業者を確保するのは難しいとのことです。当社のロボットが除雪作業の60~80%を担い、階段や狭い場所などの残りの作業は専門業者が行います。さらに、当社の成長にともなってSnowBot Proを開発するために、より高賃金の雇用を提供できれば、と思っています。

 

Warner: ところでShaneさんは、電気技術者であり基板設計者でいらっしゃいますが、内部に組み込まれている電子機器について教えていただけますか?

 

Zinner: 多数の機能を備えた、カスタム基板が組み込まれています。コントローラー基板には、GPS、センサーからのデータの処理機能、ライダー、超音波、アナログ-デジタル変換機能が備えられています。低ノイズ機能とノイズコントロールシステムが同時に1つの基板に組み込まれるので、開発には苦労しました。

 

Circuitboard

Shane Zinnerが設計したマルチ機能のコントローラー基板

 

Warner: 基板のレイアウトにAltium Designerを使っていただきましたよね。特に便利な機能は何かありましたか?

 

Zinner: 全ての部品を一緒に実装できることを確認するのに、3Dモデリングがとても役に立ちました。他のEDAツールも使ったことはありましたが、Altium Designerの3D機能はずば抜けており、そのおかげで適切な基板を1回で作ることができました。1回で最適な結果を得られるということはいつでもすばらしいことです。

 

Warner: それは喜ばしいことですね。ツールもさることながらShaneさんの腕がいいということでしょう。とは言え、おほめいただきありがとうございます。製品の販売は開始されているのですか? 販売が始まっていないとすると、製品は開発サイクルのどの段階にありますか? また売り込むためにどのような戦略をお考えですか?

 

Zinner: 当社は、出荷開始の前に最終的な修正を行うため、全米およびカナダでパイロットプログラムを実施してフィードバックを集めています。その一方で現在予約も受け付けており、間もなく出荷を開始します。

 

Warner: 最後に、設立者たちはどこから着想を得てこの自律型SnowBotを開発したのでしょうか?

 

Zinner: 彼らは2人とも長い間テクノロジー企業に勤務し、すばらしいキャリアを重ねてきました。その一方で、10年以上にわたって、FIRSTに参加するロボットチームを指導してきたことが最大のきっかけになりました。実際、彼らが指導した子供たちの何人かは、Left Hand Roboticsに入社して、製品開発に非常に貢献してくれました。また、毎シーズン歩道や道路の雪かきをすることに彼ら自身がうんざりしていたことも開発のきっかけになりました。

 

Warner: すばらしいお話しですね。私たちAltiumは、FIRSTのロボットチームを後援していますので、他の方々が次世代の技術者や設計者の指導を支援しているというお話しを聞くと、非常にうれしく思います。Shaneさん、今日は貴重なお時間を割いてLeft Hand Roboticsについてお話しいただき、ありがとうございました。成功をお祈り申し上げます!

 

Zinner: どういたしまして。こちらこそありがとうございました。

 

 

 

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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