PCB設計データ管理システムの成功の定義

John Watson
|  投稿日 May 27, 2019  |  更新日 October 19, 2020

私の好きなZig Ziglarの言葉の1つに、「成功とは、自分の持っているもので最善を尽くすことです。成功は行動そのものであり、成果ではありません。試みの中にあり、勝利の中にはありません。成功とは個人の基準で、自分の中にある最高地点に到達し、自分がなれるものすべてになることです」というものがあります。

私はこの言葉、自分の持っているもので最善を尽くすことを目指しています。また、何かに成功するには現実的な予測と、何をもって成功とするかについて正確な理解が必要だということも付け加えておくべきでしょう。これらは、人によって異なるものです。

このブログでは、PCBデータ管理における成功とは何かについて考えてみましょう。情報は、常に活発に変化しているため、ライブラリは生き物として呼吸を続けます。次に、データシステムのベースラインは何かを検討し、可能な限り最低限の危険性で運用できる方法を考えます。

第2部では、すべてのPCBデータ管理システムに関係するS.M.A.R.T.のルールと、それらのルールを規定することで成功がどのように保証されるのかについて詳しく説明します。 

PCBデータ管理の成功とは何ですか?

PCB設計管理における「成功」は、いくつかの側面に分けられます。私が自社のPCBデータ管理システムを開始したとき、これは膨大な作業であることをすぐに理解しました。これで終わりという目標は存在しません。ライブラリとPCBデータ管理プロジェクトは典型的なプロジェクトではありません。典型的なプロジェクトは最初から明確な照準と目標が規定されており、その目標に達した時点で終了します。設計したものが正しく動作すれば、それで成功とみなされます。PCBデータ管理はそうではなく、条件付き成功レベルとでも呼ぶべきもので評価されます。この点については、後でさらに詳しく解説しましょう。

静的な情報と動的な情報

データシステムについて「条件付き成功」を考える主な理由は、データ自体の性質です。データシステム内のデータは2つの主なカテゴリに分類できます。1つは静的なデータ、すなわち、一切、変更されないデータです。静的なデータの例として、製造業者、部品番号、回路図のシンボル、3Dモデルなどが挙げられます。

データのもう1つのカテゴリは動的なデータ、、すなわち、変更、または進化が発生する情報です。動的なデータの例として、供給ベンダー、価格、利用可能数量などがあり、場合によってはパラメーター情報も含まれます。

動的な情報は変化するため、定期的にコンポーネントを更新する必要があります。これらの情報が存在するため、PCBデータ管理システムは生き物で、活動し続けていると言えるわけです。PCBデータ管理システムで動的な情報が最新の状態に維持されていなければ、データは不適切なものとなり、PCB設計者の役に立ちません。ライブラリの用語では、この状態をstaleと呼びます。

PCBデータ管理システムの最初の範囲と目標は何ですか?

コンポーネントが常に変化し続けるなら、データ管理システムの最初の基準線はどのようにすればいいでしょうか。データの一部が、いずれかの時点で変化することは事実です。しかし、最低限の基準を必ず満たせば、可能な最小限の危険性でPCBを設計できます。その最低限の基準とは、最小コンポーネント要件とレビュープロセスの2つです。

最小コンポーネント要件

新たに作成されたコンポーネントは、要件のチェックリストを満たす必要があります。例えば、標準的な回路図シンボルで特定のアイテムが必要なら、ピン接続、ピン番号、ピン名、回路図本体、デフォルト参照デジグネータ、部品名、説明を含めます。フットプリント (デカール) 側には、パッド、実装情報、シルクスクリーン、placement courtyard、3Dモデルを含める必要があります。その後で、特定の部品名/説明、部品のパラメータ情報、調達情報、回路図シンボルのモデル、フットプリント、および場合によってはシミュレーション モデルを含めて、完全なコンポーネントを構築します。

レビュー プロセス

他の基準としてレビュー プロセスがありますが、これについては、このブログの第2部で詳しく説明します。

コンポーネントに何を含めるか、および参照ドキュメントの基準線を決定することで、その情報がデータシートに存在することを検証できます。 

一般的な方法は、新しいコンポーネントのレビュー プロセスが完了するまで、そのコンポーネントを隔離することです。これによって、問題がPCB設計、特にPCB製造業者に広がることを防止できます。 

PCBデータ管理の照準と最初の目標は、必要最小限のアイテムでコンポーネントを作成することです。次に、それらのコンポーネントがデータシートと比較して正確かどうかをレビューします。これには、特定の情報(の動態)を時間とともに更新することが含まれます。しかし、この時点で、堅牢かつ適切なデータ管理システムを構築できたことになります。

まとめ

これで、PCBデータ管理システムの成功に関する現実的な期待ができ上がりました。Zig Zilgarの言葉を借りれば、「自分の持っているもので最善を尽くすこと」が可能になります。最初に強固な基盤を作り上げ、それに基づいて構築を開始します。最も重要な点として、この基盤は決して崩されません。 

第2部では、S.M.A.R.T.ルールを使用してデータ管理を構築する具体的な方法について説明します。それぞれのシステムは細部が異なっていますが、使用される一般的なルールは同じです。 

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筆者について

筆者について

Johnは、電子業界に約40年携わり、そのうち20年はPCB設計とエンジニアリングの分野で活躍してきました。設計者/技術者としてPCB業界の最先端を走り続け、最近ではトレーナーや指導者としても活躍しています。彼の専門は製造分野ですが、PCBサービスに関するいくつかの領域にも手を広げています。退役軍人として、陸軍の軍事情報の領域にも携わってきました。CID認定PCB設計者として、現在はAdvance CID認定の取得を目指しています。現在、Legrand IncのシニアPCBエンジニアとして、米国と中国のさまざまな部門でPCB設計者と技術者を率いています。

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