一人で使うだけでは勿体ない!Altium Designerをチームで活用

Altium Designer
|  投稿日 August 17, 2021
一人で使うだけでは勿体ない!Altium Designerをチームで活用

Altium Designerは、デザインエントリーからCAM出力までの一連の開発プロセスの全域をカバーする多彩な機能を備えており、しかも、それらの機能は一体化されています。

これさえあれば、他のツールや他の設計者の力を借りずに基板のレイアウトまできてしまうため、設計者にとって大変便利なツールです。しかし、多くの開発現場では、回路設計とPCBレイアウトはそれぞれの専門家によって分担されており、その傾向は組織の規模が大きくなるほど強まります。

このため、回路図エディタとPCBツールの両方を備えた Altium Designerは、自分たちの現場には不向きなツールに見えてしまうかもしれません。しかし、それは誤りであり、一連の設計工程を通じて設計データの整合性が保たれ、各設計者がそのデータを共有できるAltium Designerこそ、設計の分担に必要なツールであると言えます。

Altium Designerをチームで活用

Altium Designerは、回路設計技術者が基板のレイアウトまで仕上げる場合だけでなく、それぞれの担当者が分担する場合にも適したツールであると言えます。そこで、複数の技術者によって設計が分担される設計チームを想定して、Altium Designerの効果的な導入と運用法を探ってみたいと思います。

図1. Altium Designerによる設計分担
図1. Altium Designerによる設計分担
回路設計者と基板設計者は、どの段階からでも設計を分担する事ができます。また、全ての段階のデサインデータを共有する事ができ、基板データから回路図データへのバックアノテーションも容易です。

なお、Altium Designerでの設計分担とその優位性については、Altium Designerで設計分担をご覧ください。

必要な数のライセンスを揃える

まず、必要な数のライセンスを揃えなくてはなりません。Altium Designerでは、すべての機能に対して1つのライセンスが発行されています。このため、1人が回路図を書き始めれば、PCB機能もふさがってしまい、複数の技術者が個々に機能を使いまわすことはできません。例えば、1つのライセンスを導入し、その回路図編集機能を回路設計者が利用し、同時に一方のPCB機能をPCB設計者が利用するという使い方はできません。このためチームで利用する場合には、その人数分(または、同時に使用する人数分)のライセンスが必要になります。

ライセンスタイプを選ぶ

Altium Designerには、Standalone(スタンドアロン)、On-Demand(オンデマンド)、Private Server(プライベートサーバー)の3種類のライセンスタイプが用意されています。これらのうち、On-DemandとPrivate Serverはフローティング形態のライセンスですので、同時に使用するユーザ数のライセンスを揃えるだけで済みます。また、On-Demandはインターネットへの接続が前提ですが、ローミングモードへの切り換えによって、インターネットに接続できない環境でも利用できるようになります。

図2. Altium Designerのライセンスタイプ
図2. Altium Designerのライセンスタイプ
Altium Designerには、3種類のライセンスタイプが用意されています。これらのうち、On-Demandは、Standaloneの簡便性とPrivate Serverの柔軟性を兼ね備えた利便性の高いライセンスタイプであると言えます。

Altium DesignerとAltium Designer SE

Altium Designerには、プリント基板のレイアウトを終えるまでに必要な、全ての機能を備えたものだけでなく、プリント基板の配線機能が省かれた、Altium Designer SEが用意されています。そして、全ての機能を持つものは「拡張セット」、配線機能が無いものは「基本セット」という呼び名で区別されています。

この基本セットは、PCBレイアウトを行わない回路設計者向けに特化した機能を備えており、回路設計者の常用ツールとして最適なものであると言えます。

なお、基本セットと拡張セットの違いについては、Altium Designer SE - 回路設計者のもう一つの選択肢をご覧ください。

拡張セットと基本セットを有効に組み合わせる

設計現場では、回路設計とPCBレイアウトの担当者が分かれており、PCB設計者よりも回路設計者のほうが多いのが一般的です。このような現場では、基本セットと拡張セットを組み合わせて必要な数のライセンスを揃えると効果的です。

基本セットには、PCBの基板外形作成やPCB部品の配置機能が含まれています。すなわち、PCBの配線を行う直前までの作業ができます。このため、回路設計者が主要な部品の配置までを行い、その後の作業をPCB設計者に任せるという分担が可能です。また、基本セットではAltium DesignerのPCBファイルを読み込んで表示させることができますので、設計が終ったPCBファイルが意図どおりに出来上がっているかを精密にチェックすることができます。

基本セットは機能が制限する事により、安価に提供されています。このため、回路設計者には基本セット、PCB設計者には拡張セットを充当する事により、投資効率の良いライセンスの運用が可能になります。

拡張セットの追加により機動力を高める

開発が進み実装設計の段階に入ると、PCB設計ツールの使用頻度が高まります。開発の過程で生じる設計変更などの際には、PCBのレイアウト変更に手間取り、開発スケジュールが圧迫れてしまうような場面が出てきます。

このボトルネックを解消するためには、PCB機能を持つ拡張セットの数に余裕を持たせておくことが必要です。ちょっとした配線の修正であれば、回路設計者が自分自身で行った方が手っ取り早い場合があります。拡張セットの数に余裕があれば、このような柔軟な作業分担によって機動力が高まり、設計チームとしてのワークロードの軽減が可能になります。

ビューアの活用

Altium Designerには、Altium Designerで作成したデータを読み込んで表示させる事ができるビューアが無償で提供されています。これのビューアには、クロスプローブや、ドキュメントの出力・印刷機能も含まれています。設計の進捗の確認や内容のレビューなどで、デザインファイルを表示したい場合があります。そのような場合、このビューアを使う事によってAltium Designerの製品ライセンスを節約する事ができます。また、ファイルが上書きされる心配がなく、安全にデータを閲覧する事ができます。

Altium Designerの運用をサポートするエコシステムの構築

すでに、他社製のPCB-CADツールが稼働している場合があります。Altium Designerは、他社のCADツールで保存された設計データを読み込むためのインポータが充実しており、他社ツールで蓄積された設計資産を、容易に再利用する事ができます。

この再利用の際には、一過性の利用ではなく、ライブラリの構築などを計画的に行いAltium Designerでの設計環境をサポートする、エコシステムを築く事が重要です。新しい設計環境への移行に対して最大の障害になるのは、既存ツールの運用によって培われたエコシステムの存在です。ナレッジベースや外部事業所との関係など、一朝一夕には築けないものもありますが、まず、インポータを利用して、既存のデザインファイルや部品ライブラリ、図面のフォームなどをAltium Designerのリソースに置き換える事が、エコシステム構築への重要な第一歩であると言えます。

クラウドベースの共有環境を活用

Altium Designerは、バージョンコントロールシステム(VCS)としてSVN、及びGitをサポートしており、Lan、またはクラウド上に置かれたリポジトリを介して設計データを共有する事ができます。さらに、クラウドベースのAltium 365では、包括的なデザインデータの共有環境が提供されています。Altium Designeを用いた設計チームでは、これらを利用することによってより緊密な連携が可能になります。

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筆者について

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Altium Designerは、回路・基板設計から基板製造・実装までの一貫したソリューションを単一の環境で提供するPCB設計総合プラットフォームです。

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