Altium 365により回路図が30日で完全に機能

Judy Warner
|  投稿日 五月 8, 2020  |  更新日 八月 20, 2020
Guy Sitting on Clouds

Judy Warner: Velocity Research社では以前から、ベータグループの1社としてAltium 365でAltium Designerを活用されていますよね。またアルティウムは、御社とOpen Source Ventilator(OSV:オープンソースの人工呼吸器)プロジェクトとのこのたびの協業に際して、Altium 365プラットフォームで動作するAltium Designer 20.1およびAltium Concord Proのライセンスへのアクセスを御社のチームに提供することでサポートしています。Altium 365の環境で作業してみて、初めの頃の印象と、重要だと思ったことを教えてください。

Dugan Karnazes: 人工呼吸器プロジェクトの前は、Altium 365をシングルユーザー設定で使用していました。これは整理整頓には役立つのですが、使用できる共同設計ツールを完全には活用していませんでした。追加のライセンスを受け取ってからわずか24時間後には、アップロードされた設計の作業が開始され、世界中の10人の設計者がその作業に取り組んでいました。4週間後には、サーバーに50人のユーザーが登録され、6つのPCBマルチボードプロジェクトがほぼ完成し、設計者、基板製造業者、プロジェクトマネージャー、およびアセンブリ業者がすべて、統合された同じ情報を使用して作業していました。すべての作業は、誰もが対面することなく行われました。デジタルツールは企業を成功に導くものであり、OSVチームと同じくらい迅速にこの人工呼吸器を設計するという点において、Altium 365は重要な要因でした。 
 
Warner: Altium 365を使用したクラウドベースの環境で作業している今、初めてできるようになったことは何ですか?

Karnazes: 私達にとって、クラウドベースのプラットフォームの最大の利点は、誰もが常に最新の情報に基づいて作業できることです。ドキュメントとコミュニケーションは既にクラウドベースです。最新の設計環境もそうである必要があり、Altium 365はそれをみごとに促進しています。今の業務環境では、物理的なオフィスをすべて閉鎖する必要があっても、設計環境がクラウドベースなので、ワークフローにはほとんど影響がありませんでした。私達のチームでは、在宅勤務への移行は円滑に行われました。クラウドベースのツールを使用することで、5人の社内チームから50人のグローバルチームに、あっという間に拡張できました。

Warner: 御社は、グローバルチームを編成して、完全にオープンソースの救急用人工呼吸器を1か月で製作しました。世界中の見知らぬ人から成るグループが、Altium 365プラットフォームでうまく作業を進められるようにするのは、どのような感じでしたか? 

Karnazes: Altium 365でクラウドの環境を立ち上げていたとき、私達が送信したボランティアのスキル評価調査に800人が回答してくれました。チームの編成は、Altium Designerに習熟している人をリストから検索し、メールを送信して、ユーザーとしてサーバーに追加するだけのことでした。10分で、多くの技術者がつながりました。セットアップはスイッチを押すだけのようなもので、すぐに、同じ言語でコミュニケーションを開始し、プロジェクトを進めることができました。

Warner: コロナウイルス(COVID-19)の危機から徐々に抜け出し始めている中、Velocity Research社のエンジニアリングチームでの経験とオープンソースの人工呼吸器プロジェクトチームでの経験から、Altium 365に対する感想や、その最適な活用方法について教えてください。

Karnazes: 急成長している会社の目標は、新しい責任を負えるよう常に自分を陳腐化することです。Altium 365に慣れるまでに約9か月かかりましたが、その後一晩で10倍ものユーザーを獲得しました。最も重要なことは、Altium 365は、ユーザーとともにシームレスに成長し、コミュニケーションの途絶や不足からユーザーを守るシステムであるということです。もう前の状態には戻れません。今の環境にすっかり夢中です。
 
Warner: Altium 365に関して、他の設計技術者にアドバイス(または注意)するとしたら、どのような言葉をかけますか?

Karnazes: ボトルネックを取り除けば、変化はあっという間です。そうなったとき、チームの他のメンバーが後れを取らないといいですね! 

Warner: 最後に、Altium 365はユーザーを選ばないシステムでしょうか、それとも一部のユーザーや組織向けでしょうか?いずれにしてもその理由も教えてください。

Karnazes: ライセンスが1つしかなかったときでも、非常に便利でした。PDFをメールで送信することはもうありません。ファームウェア技術者は、CAD環境がなくても、Webから信号をマッピングおよび追跡することができます。設計レビューが一層簡単になります。基板ごとにデータシートのライブラリを個別に維持する必要がありません。データシートはすべてブラウザから直接リンクされていますから。Altium 365の最大のポイントは、設計に取り組んでいる誰もが、質問と回答にかかる手間をなくせることです。

Warner: Duganさん、お考えをお聞かせいただき、ありがとうございました。今後ともVelocityで成功なさることをお祈りします。また、人工呼吸器のプロジェクトの件、おめでとうございます!

Karnazes: Judyさん、ありがとうございます。アルティウムの皆さんのサポートと励ましにも感謝いたします!
 

Karnazes

 

Ventilator Image

 

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筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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