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真空管アンプのシミュレーションを試す 真空管アンプのシミュレーションを試す 1 min Blog 電子機器に使用されるスイッチング・増幅素子は、真空管に始まりトランジスタに進化しました。そしてその後、多くのトランジスタと周辺回路を1つのパッケージに集積したIC (Integrated circuit)が現れ、集積度は急速に向上し続けています。 デジタル機器の心臓部にICが使われるようになってからもう半世紀以上経ちますが、その間の進化は凄まじく、最近のCPUには1パッケージに400億個ものトランジスタを集積したものもあり、その端子数は4,000を越えています。ちなみに、ハリネズミの毛の本数は5,000~7,000本だそうです。 このような進化の中、古いデバイスも姿を消しておらず、さまざまな世代のデバイスが使い続けられています。今では過去の遺物のように見える真空管でさえ、音を扱うアナログ機器の分野ではまだ現役を保っています。 そしてAltium Designerでは先端技術だけでなく、古い世代の技術に対してもサポートされており、シンボルライブラリやサンプル回路図などにその一端を見る事ができます。 真空管アンプのシミュレーションを試す Altium Designerは A/D混在回路シミュレータを備えており、この機能を試すためのサンプルデータとして、ディスクリート部品で構成された多数の回路が用意されています。そしてその中に真空管アンプが含まれており、Altium Designer がサポートする古典的なアイテムの一例としてこれを取り上げ、シミュレーションを試してみました。 サンプル回路を開く 真空管アンプのサンプル回路は[Vacuum-Tube Power Amplifier.PRJPCB]に含まれています。このプロジェクトを読み込み、[Vacuum-Tube Power Amplifier.schdoc]を開くと画面には真空管パワーアンプの回路図が現れます。 [Vacuum-Tube 記事を読む
シグナルハーネスで繋ぐ シグナルハーネスで繋ぐ 1 min Blog 回路図エディタでは部品の端子間を接続する方法がいくつも用意されており、Wire(ワイヤー)やBus(バス)、Net Label(ネットラベル)などが良く使われます。これらの伝統的なものに加えAltium Designerには「Signal Harness」(シグナルハーネス)というユニークなオブジェクトが用意されており、これを利用して端子間の接続を行う事ができます。 これはちょうどワイヤーハーネスのように複数の配線を束ねるもので、1本のハーネスを配置するだけで一度に多数の接続を行う事ができます。 シグナルハーネスの概要 シグナルハーネスで配線する場合には、ハーネスコネクタで配線を束ね、シグナルハーネスでその束ねられた配線を引き回します。以下はシグナルハーネスを使った回路図の例です。ただ単に 2 本のコネクタの間を接続するだけの単純な回路です。 シグナルハーネスを使用した回路図 3枚の図面で構成された階層回路図。コネクタだけが置かれた2枚の子回路図を、シートシンボルとワイヤーハーネスが配置された上位の回路図で接続している。2枚の子回路図の回路は同じだが、信号名が異なっている。 この回路図を見るとシグナルハーネスがどのようなものなのかすぐにわかると思います。中央付近に淡い青色の見慣れないシンボルが配置されていますが、これがハーネスコネクタです。ここに示されているように、シグナルハーネスでは、ワイヤーとバスの両方を一つに束ねる事ができます。このようにシグナルハーネスを使ってバスと制御信号を一本に束ねると配線を簡素化する事ができ、読み取りやすい回路図を作成する事ができます。 また、シグナルハーネスでは、ネット名が一致しないバスやワイヤーを同電位に接続する事ができます。例えば、このサンプル回路図では、信号名が一致しない2枚の子回路図をシグナルハーネスで接続しています。また、シグナルハーネスにはネットラベルを付ける事ができますが、この回路図では使われていません。そして、回路図からは以下のようなネットが出力され、回路が意図どおりに接続されていることがわかります。 サンプル回路図から出力したネットリスト 2枚の子回路図に使われている信号名が食い違っているが、P0~P7とD0~D7が接続され信号名はD0~D7が 優先されている。また、/CE、/WE、CS はそれぞれ、P8、P9、P10 と接続され、信号名はP8、P9、P10 が 優先されている。ネットリストのフォーマットはTelesis。 記事を読む
ネットリストを読み込む ネットリストを読み込む 1 min Blog プリント基板のレイアウトを行う場合にはまず、回路図から接続情報を受け取らなくてはなりません。プリント基板CADのAltium Designerでは回路図とPCBの機能が統合されていますので、PCB画面から[Import Changes From ...]コマンドを起動するだけで回路図の接続情報を取り込む事ができます。しかし、基板の回路図がAltium Designerで描かれているとは限りません。特に、外部からの依頼で基板を設計する場合にはなおさらです。 幸いな事にAltium Designerには他のフォーマットで保存された回路図を読み込む為のインポーターが用意されています。これを使えばAltium Designerで作成された回路図と同じ方法で接続情報を取り込めます。しかし、インポーターでサポートされていない場合にはどうしても、ネットリストファイルでのやり取りが必要になります。 コンパレータによるネットリストの読み込み ネットリストファイルによる接続情報の取り込みは現在の設計現場でも普通に行われており、回路図が利用できない場合にはこれしか方法がありません。しかし、Altium Designer のどこを探しても、ネットリストを読み込むためのコマンドが見つかりません。それもそのはず、Altium Designer にはネットリストを読み込むための専用のコマンドは用意されておらず、データの比較と整合化の機能を使ってネットリストを読み込むようになっているのです。 基板設計CADでは、最初から最後までデータの整合性を維持しなくてはなりません。このため、Altium Designerは2つのデータ間の違いを検出できるコンパレータを備えており、ネットリストの取り込みにもこの機能を使います。 ネットリストの取り込みの際、コンパレータはネットリストファイルとPCBとの内容の違いを検出し、違いが見つかればそれを解消する手続きとしてPCBにネットリストを読み込みます。今回のように空のPCBの場合、違いはネットリストそのものですのでネットリストがそのまま読み込まれます。もし、PCBにデータが含まれていた場合には、ネットリストとの差分を抽出し、データの追加と削除を行って双方を一致させます。 ネットリストを読み込む まず、事前の準備として、空のPCB 記事を読む
Copy and PasteでPCBに画像を貼り付ける Copy and PasteでPCBに画像を貼り付ける 1 min Blog Windowsアプリケーションの便利な機能のひとつにCopy and Pasteがあり、プリント基板CADにも不可欠な機能としてこれが備えられています。 しかし、普段使っているワープロやグラフィックツールからCopy and Pasteで貼り付けができるか?というと、決してそうではありません。なぜなら、Windowsクリップボードがサポートされていない場合が多いからです。 Windowsクリップボードがサポートされていない場合、Copy and PasteはそのCADツールの内部だけに限られ、ワープロやグラフィック編集などの外部のツールとの間でのCopy and Pasteはできません。 しかし、Altium Designerでは回路とPCBの両方でWindowsクリップボードがしっかりサポートされており、他のアプリケーションで作成したテキストや画像をCopy and Pasteで、回路図やPCBに貼り付ける事ができます。 Copy and Pasteによる画像の貼り付けを試す この機能は、PCBに画像を貼り付ける時には欠かせないものです。しかし、画像データは千差万別であり、コンディションによってはうまく貼り付けられない場合があるかも知れません。そこで、13種類の画像ファイルを用意して、うまく貼り付けられるかどうかを実際に試してみました。また、Copy and 記事を読む
基板外形の作成と加工情報の受け渡し 基板外形の作成と加工情報の受け渡し 1 min Blog プリント基板を設計する時には、始めにその外形を作成します。これを終えると基板はグリッドを伴う黒いエリアで表現され、画面の中央に現れます。設計者は、この画面で基板の領域を認識しレイアウトを行います。 Altium Desugnerでは、この基板外形を次の方法で作成する事ができます。 ・外形の数値入力 ・ウィザード ・テンプレート ・他のオブジェクトを基板外形に変換 ・3D外形を読み込んで基板外形に変換 そして、これらの方法で作成された基板外形は次のような用途に利用されます。 ・内層プレーンの基板端面からの逃げ(プルバック)の生成と内層の分割 ・外形加工データの生成 ・クリアランスチェック これらの「用途」は、基板外形を作成する事の「目的」でもあり、CAMプロセス側から見ればその目的は、加工データの自動作成とデータの受け渡しの自動化であるといえます。 外形加工の為の情報の受け渡し Altium Designerでは、外形加工の為のデータを2種類の方法で自動的に作成する事ができます。その一つは、[製造用データ出力] - [NC Drill Files]コマンドで穴加工用のドリルデータと同時に出力する方法です。この方法でデータを出力する場合には、[NCドリル設定]のダイアログボックスの[その他]の項目にある、[基板外形からルータパス作成]オプションにチェックを入れます。 記事を読む
Altium Designer 統合プラットフォームの機能 Altium Designer 統合プラットフォームの機能 1 min Blog プリント基板CADのAltium Designer統合プラットフォームは、各ツール共通のユーザーインターフェイスとしての機能を、包括的に提供します。ユーザーが対話編集を行ったり自動機能を利用したりする為に必要なドキュメントウィンドウやコマンドメニューなどの画面要素に加え、ライセンスとエクステンションを管理する為の機能を備えています。 ライセンスの管理 [License Management] ページでAltium Designerのライセンスを管理できます。このページには購入したライセンスの種類やコンディションなどの明細がリストされます。ユーザーはこのリストから使用するライセンスを選んで認証します。 [License Management]ページ:ユーザーアイコンをクリックしてメニューから [Licences…]を選択すると、[License Management]ページが開きます。 Altium Designerをお使いの方は、すでにこの [License Management] ページでライセンスを認証されているはずですが、単にライセンスを有効にするだけでなく、ライセンスタイプの変更やローミングモードへの切替えなど、より便利に使用するために役立つ機能を備えています。また、無償の評価版やビューワのライセンスもここで管理できます。 Altium Designerでは、On-Demand(オンデマンド)、Private Server(プライベートサーバー) 、Standalone(スタンドアロン)の3タイプのライセンスが用意されており、On-DemandとStandaloneのライセンスをここで管理できます。このうちのOn-Demandにはローミングというモードが用意されており、このモードの切り替えもこの画面で行います。 記事を読む