Altium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardを使って、一貫したライブラリ フットプリントを作成

Zachariah Peterson
|  投稿日 January 9, 2020

IPC® Compliant Footprint Wizardを活用すると、Altium Designerの統合ライブラリでそれぞれのコンポーネント シンボルのPCBフットプリントを正確に作成できます。

Altium Designer

確実に規格に沿ってPCB設計を進められます。

 

 Altium Designerのウィザードを使って作成されたPQFPパッケージとIPC 準拠のフットプリント

 

Altium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardで作成されたPQFPフットプリント

PCBの設計には、コンポーネント フットプリントの作成と管理が伴います。フットプリントとは、電気コンポーネントがPCBと接続される導電インターフェースを表すものです。現在、市場では多様な電気コンポーネントのパッケージとそれらに関連するフットプリントが提供されています。コンポーネントのパッケージには、少なくとも2つ、最大で数百個という導電リードが組み込まれています。業者間でのパッケージの一貫性を確保するため、パッケージとフットプリントは業界で標準化されています。Association Connecting Electronics Industries(IPC)では、「IPC-7351: Generic Requirements for Surface Mount Design and Land Pattern Standards」が策定されています。この規格に従えば、製造業者や実装業者間の信頼性と品質が向上します。

IPC-7351ではさまざまなコンポーネントとフットプリントが標準化されています。この規格に沿うことで、BGA(ボールグリッドアレイ)から巻線型インダクタまで、基準に準拠したフットプリントを作成できます。表面実装ディスクリートでは、標準のパッケージとフットプリント(一般的に0402、0603、0805と呼ばれています)が共有されます。トランジスタなどの回路ブロックが含まれる統合回路は、DPAKなどのパッケージ、quad flat no-lead (QFN)、または3リード/5リード/6リードのSOT23パッケージのsmall outlineトランジスタで使用されています。数百のリードが使用される大規模な統合回路については、BGAやPFQPがあります。それぞれのパッケージは共通のフットプリントに標準化されています。これらのコンポーネントは、寸法やlanding patternとともに、EDAライブラリ内でシンボルとして表示されます。寸法の情報を含めることで、PCBのレイアウト作業がスムーズになります。

もうコンポーネントモデルやフットプリントを手動で構築する必要はありません。Altium DesignerのIPC® 準拠のフットプリント ウィザードを使用すれば、ライブラリ部品のフットプリントを容易に作成することができます。このウィザードには、コンポーネント データシートにある寸法を入力することも可能です。また、IPC規格に沿ってIPC許容差、シルクスクリーン、landing patternがコンポーネントモデルに追加されます。規格に沿えない場合は、許容差や他の寸法を変更することもできます。PCBのフットプリントとcourtyardを指定すると3DのSTEPモデルが自動的に構築され、ECADと MCAD間での共同作業が可能になります。

多様なコンポーネント フットプリントのコンポーネント モデルを構築することが容易になります。確認してみましょう。

電気的なコンポーネントには、フットプリントとキープアウト領域の正確なモデルが必要

電気的なコンポーネントを実際のアプリケーションに統合するには、機構的な寸法記入について慎重な検討が必要になります。この記入では、コンポーネントの幅、奥行き、高さのほか、部品パッケージ回りの導体の寸法が対象となります。「1つの部品で多くに対応」というのが、初い段階でのデバイス開発やPCBプロトタイプ/許容差の管理の原則になります。

機構技術者や電気技術者はまず、システムによって設定された筐体に大きな部品をどう収めようかと考えます。その次の検討事項は重要な回路ブロックの適合で、さらに配線へと続きます。PCBの実装と製造をスムーズに進めるためには、共同作業とプロセスの管理を実現する優れた方法をECADとMCADで確保する必要があります。

 

 Altium Designerのフットプリント ウィザードを使って、規格に準拠するフットプリントを容易に作成

 

コンポーネントモデルでAltium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardを使用

設計時にIPC-7351に準拠したコンポーネントを選択

回路設計の早い段階でIPCに準拠したコンポーネントを選びましょう。PCBフットプリントを対象としたIPC規格に準拠するコンポーネントを使用すれば、設計のライフサイクル全体で有益な波及効果を得られます。馴染みのあるフットプリントを使用すると、製造業者がガーバーを正確に解釈できるようになります。正しい間隔の確保に余分な手間をかける必要もありません。一方でアセンブラーは、標準的な機器を使ってコンポーネントを読み込んで、自動的に基板に配置できます。購買部門は、標準化されたコンポーネントを容易に入手して、早い段階からコストを削減できます。こうして、それぞれの組織に利益がもたらされます。

機構的な外形でコンポーネントの寸法を確認した後は、コンポーネント モデルをレイアウトに配置します。

PCBレイアウト ソフトウェアに組み込まれたコンポーネント フットプリントとLanding Pattern

多くのPCBレイアウト向けソフトウェア ツールでは、回路基板のレイアウトごとにライブラリが必要になります。回路設計ライブラリに組み込まれるモデルやフットプリントの寸法、コンポーネント シンボルは、PCBレイアウトライブラリにうまくポートできません。いずれにしても、正しい値を使って作成したPCBレイアウトのガーバーを製造に向けて提出するには、 IPCに準拠するモデルを構築しなければなりません。

 

 フットプリントのcourtyardを指定するウィザードのメニュー

 

 

IPC® Compliant Footprint WizardによるPQFP courtyardの寸法記入

MCADとECADでコンポーネントの寸法を明確にする

各部品のライブラリ モデルは、部品サプライヤーのデータシートから構築されます。そのため、回路基板のレイアウト中のライブラリ モデルの配置で、正確な寸法を使用できます。また、IPC規格に従ってフットプリントを作成すると、コンポーネントから基板まで、各導電リードの半田付けをスムーズに進められるようになります。IPC規格ではすべての部品とフットプリントを網羅するcourtyardが指定されており、スムーズに実装を進めるための十分なスペースがPCBレイアウト ソフトウェアで確保できるようになっています。

統合ライブラリの重要性について理解したところで、今度はコンポーネント モデルの構築で活用できるAltium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardについて見ていきましょう。

コンポーネント モデルを構築するAltium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizard

コンポーネントを選択した後は、規格に準拠するフットプリント モデルを作成しなければなりません。Altium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardなら、この作業を簡単に完了できます。このウィザードではIPC-7351に準拠するすべてのフットプリントが認識されるうえ、部品の寸法を簡単に入力できる便利なメニューも用意されています。courtyard、シルクスクリーン、STEPモデルの自動寸法記入にも対応しています。

 

 ディスクリートからBGAまで、あらゆる要素に対応するウィザードを使用

 

BGAの電解コンデンサーのモデルを作成

統合ライブラリの作成にIPC® Compliant Footprint Wizardを選択

Altium DesignerのIPC® Compliant Footprint Wizardでは、正確な部品ライブラリを簡単に作成できます。回路の設計中に作成したモデルは、PCBのレイアウトに使用されるのと同じライブラリに保存されます。もう個別のライブラリを維持したり、フットプリントの寸法を確認したりする必要はありません。インテリジェントなツールを使ってライブラリを構築し、正確な製造と実装を実現できます。

コンポーネント ライブラリの構築は、PCBのレイアウト、製造、実装の準備に不可欠です。コンポーネントの寸法やモデルは、初期の構想からMCADパートナーとの共同作業まで、回路シンボルの生成やPCBのレイアウトにも必要になるものです。PCBのレイアウトでは、製造に送られるガーバーでフットプリントやlanding patternを的確に示す正確なモデルが必要になります。Altium Designerの統合環境では、MCADからPCBのレイアウトや製造までの各開発段階でIPC® Compliant Footprint Wizardを使って、MCADとECADの連携が可能なSTEPモデルを活用できます。

筆者について

筆者について

Zachariah Petersonは、学界と産業界に広範な技術的経歴を持っています。PCB業界で働く前は、ポートランド州立大学で教鞭をとっていました。化学吸着ガスセンサーの研究で物理学修士号、ランダムレーザー理論と安定性に関する研究で応用物理学博士号を取得しました。科学研究の経歴は、ナノ粒子レーザー、電子および光電子半導体デバイス、環境システム、財務分析など多岐に渡っています。彼の研究成果は、いくつかの論文審査のある専門誌や会議議事録に掲載されています。また、さまざまな企業を対象に、PCB設計に関する技術系ブログ記事を何百も書いています。Zachariahは、PCB業界の他の企業と協力し、設計、および研究サービスを提供しています。IEEE Photonics Society、およびアメリカ物理学会の会員でもあります。

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