PCBの種類
PCB設計を開始すると、アプリケーションごとに専用の異なる設計要件があることに気づくでしょう。ワークフローの生産性を損なうことなく、全ての設計要件を満たすには、どのような設計要件にも適応するPCB設計ソフトウェアが必要です。統合設計インターフェースを備えたPCB設計ソフトウェアを使用すれば、アプリケーション固有の設計要件を定義し、満たすことも簡単です。
Altium Designer
あらゆるアプリケーションに合わせて固有のPCBを設計できるPCB設計ソフトウェアパッケージ。
完全に電気を使わない生活をしている人以外は、常に多数のPCBに囲まれていると言っても過言ではありません。これらのPCBは、どれも固有のアプリケーションに合わせてカスタマイズされており、デバイス間で交換できるPCBは1つとしてありません。PCB設計には、暗黙的にカスタマイズ性が求められるため、設計者と技術者には、あらゆるアプリケーションに対応するPCBを構築できる設計ソフトウェアが必要です。
PCBにはさまざまな種類がありますが、最新の設計プロセスで使用されるPCBには、リジッドPCB、フレキシブルPCB、リジッドフレキシブルPCBなどがあります。しかし、使用するPCBの種類についてはさらに多数の考慮事項があり、プリント回路にはどのような銅箔要件があるのか、それによって半田、およびソルダーマスク要件はどうなるのか、表面実装コンポーネントやスルーホール技術は使用されるのかなどを検討する必要があります。
片面PCBでも、細かい調整や正確な計算を必要とする制約や寸法線が十分にありますが、多層、またはマルチボードのシステムではどうなるのでしょうか。PCBの種類は、技術者が考慮に入れる技術的な性能や要件に合わせて適応し続けていますが、お使いの設計ソフトウェアはこの変化に追いついていますか。
あらゆるアプリケーションに対応するPCB設計
全てのPCBが同じように作成されるわけではなく、ほとんどのアプリケーションには独自に設定された機能要件があります。同様に、全てのPCB設計ソフトウェアパッケージが任意のアプリケーション向けの設計に合わせて即座にカスタマイズできるわけでもありません。シングルレイヤーなどのより単純なPCBや低速デバイスの場合、必要なデザインルール数とコンポーネント数はその他のデバイスよりも比較的少なくなります。どのようなアプリケーションであっても、PCB設計ソフトウェアで設計仕様をカスタマイズできる必要があります。
全ての要件は、デザインルールを使用して実現されます。多くのPCB設計ソフトウェアパッケージには、業界標準のデザインルールが含まれており、これを使用することで大幅に設計時間を節約できます。これに加えて、どのデザインルールがアプリケーションに適しているかを設計者が選択し、独自のデザインルールを指定できるような設計ソフトウェアが望ましいでしょう。また、設計の検証時には、ソフトウェアによってこれらのルールを基準にレイアウトがチェックされ、簡単にエラーを修正できる必要があります。
PCBアプリケーションに合わせた設計ソフトウェアのカスタマイズ
特定のアプリケーションに合わせた構築には、設計環境のパラメーターを定義できる設計ソフトウェアが必要です。これには、カスタマイズしたデザインルールの定義、カスタマイズしたコンポーネントの構築、レイヤースタックアップの指定、電源とGNDの配列が含まれます。これら全ての側面によって特定のアプリケーションに合わせた設計の基盤が築かれます。
- PCB設計ソフトウェアには、デザインルール チェックとカスタマイズ機能が含まれている必要があります。これにより、特定のアプリケーションが持つ要件を満たす設計を実現しやすくなります。
デザインルールの設定、およびチェックの詳細については、こちらをご覧ください。 - 特別なPCBアプリケーションでは、特殊な機能を備えたカスタマイズコンポーネントの作成が必要になる場合が少なくありません。
カスタマイズ コンポーネントの作成の詳細については、こちらをご覧ください。 - 設計ソフトウェアには、ボードシェープからレイヤースタックアップ、および材質オプションまで、あらゆる基板配置に必要な全てのオプションが含まれている必要があります。
基板のカスタマイズの詳細については、こちらをご覧ください。
代替テキスト: Altium Designerでの完全なカスタマイズ
高度なアプリケーション向けの設計
PCBの設計では、ある時点で製造について考慮する必要があります。PCBの実装とその計画には、コーティング、ベース材質、穴、ビア、基板の半田付けに関する知識がいくらか必要になります。どのような設計でも、PCBの製造と実装は大きな部分を占めるので、その詳細に関して基準となる機能的な知識を持っておくと、設計および製造段階を通じて大いに役立つと考えられます。
高度なアプリケーションを設計するには、多数のデザインルールとレイアウトルールを実装する必要があります。種類が異なるPCBには、その機能に応じてそれぞれ異なるデザインルールが必要です。ここで、デザインルール チェックの使用によってワークフローを大幅に合理化することができます。設計プロセスを全て終えた後で、表面実装コンポーネントが予定している筺体から突き出ていることに気づいたとしたらどうでしょうか。アプリケーション別に全てのデザインルールを記憶する時間が誰にでもあるわけではありません。優れたPCB設計ソフトウェアには標準化されたデザインルールが含まれており、設計者がカスタムデザインルールを作成することもできます。
デザインルールに合わせてカスタマイズされたプロジェクトテンプレートの使用により、プロジェクトワークフローを大幅に効率化することができます。プロジェクト テンプレートを使用した場合、古いデザインと新しいデザインを行ったり来たりしながら、デザインルールを手動でコピーする必要はなく、新しいデザインで効率的に設計を開始できます。アプリケーションに必要なデザインルールを素早くインポートして、ワークフローを改善できます。
カスタマイズしたデザインルール、およびテンプレートによる生産性の向上
現代的なPCB設計につきまとう設計上の課題を全て克服するには、ワークフローを合理化し、標準化されたデザインルールに対してシームレスに設計をチェックできるソフトウェアが必要です。特定のアプリケーション向けにカスタマイズされたプロジェクトテンプレートを使用することで、設計時間を短縮し、設計のための設定を1か所にまとめることができます。
- 特定のアプリケーションに合わせて現代的なPCBを設計する際、レイアウトと配線に関して重大な課題に直面する場合があります。
現代的なPCBでのレイアウト課題解決の詳細については、こちらをご覧ください。 - プロジェクト テンプレートを使用すると、特定のアプリケーション向けの設計プロセスを簡略化することができます。
PCBプロジェクト テンプレートによるワークフロー合理化の詳細については、こちらをご覧ください。 - ルールチェック機能を利用することで、製造業者から出荷された最初の基板を受け取る前に、デザインに含まれる潜在的な問題や目下の問題を識別することができます。これらのチェックは回路図またはレイアウトレベルで実行します。
ルールチェックによる一般的な設計エラー回避の詳細については、こちらをご覧ください。
Altium Designerでのデザインルールの編集
Altium DesignerでのPCB設計のカスタマイズ
必要なツールを全て利用するために、設計ソフトウェアや、プログラム、機能を何度も繰り返し使用した経験は、たとえ自分にはなくても、チームの誰かにはきっとあるでしょう。しかし、PCBの種類が増え続けていることを考慮すると、あらゆるプリント回路形状に対応できる、全ての半田、および銅箔要件を満たす設計ソフトウェアが必要です。デザインで指定したもの以外に穴が存在してはなりません。
その他のPCB設計ソフトウェアパッケージでは、必要な機能が別々のモジュール、または完全に異なるプログラムに切り離されています。Altium Designerがその他の設計プログラムと違うのは、設計ツールが1つのインターフェースに統合されている点です。別々のモジュール間を移動しなくても、設計ツールが確実に同期されます。ばらばらな設計ソフトウェアを使用するよりも、1つの環境で操作が完結する唯一のPCB設計プラットフォームをご検討ください。
Altium Designerでの業界標準設計ツールの利用
シンプルなPCBの設計でも最新スマートフォンの設計でも、Altium DesignerならPCB設計業界に必要とされる優れた設計ツールを全て利用できます。ユーザーインターフェースとデザインルールのカスタマイズ以外にも、多くの機能が搭載されており、最高品質のシミュレーションツール、製造プロセス向けの成果物生成、コンポーネント作成ツールを利用できます。
- Altium Designerは、生産性を最大限に高めてワークフローを改善するように設計されています。設計インターフェイスは、要求に合わせてカスタマイズできます。
Altium Designerのユーザーインターフェースをカスタマイズする方法の詳細については、こちらをご覧ください。 - Solidworksなどの外部設計ツールとAltium Designerを同期すると、固有のフォームファクターを持つデバイスを構築できます。
Altium DesignerとSolidworksの同期の詳細については、こちらをご覧ください。 - Altium Designerのコンポーネント エディターでは、独自のコンポーネントをPCBに追加できます。任意のアプリケーションに合わせてPCBをカスタマイズすることもできます
。Altium Designerでの回路図シンボル、およびフットプリント作成の詳細については、こちらをご覧ください。
Altium Designerでは、1つのインターフェースに全てのツールが統合されているので、設計から製造までをスムーズに進めることができます。別々の設計ツールを使用する必要はもうありません。設計、シミュレーション、検証、製造業者成果物ツールが1つのインターフェースに統合された環境の使用をお試しください。どのような種類のPCBに対しても、最も効果的な設計戦略を柔軟に実装することができます。
切り離された設計機能が正しく同期されないことに嫌気がさしているなら、Altium Designerの統合PCB設計環境がその解決策を提供します。固有のアプリケーションに合わせて、どのような種類のPCBでも設計することができます。統合設計環境を使用すれば、次世代の電子デバイスを最高レベルの基準に合わせて設計できます。