ごちそう、セーター、それと歓声はさておき、ホリデーパーティーで 本当に一番大事な要素は何でしょう?もちろん、写真を撮ることですよね。そこで私は、ホリデーパーティーの準備をしている時に、携帯電話よりも質の高い写真を撮ろうとHDカメラを取り出しました。しかしカメラを取り出した時、以前に使用して以来、実にどれほどの時間が経っているのか気づいたのです。それに、しばらく使用していないテクノロジーと同じように、画像ファイルをどうやってコンピュータに転送したらいいかをすっかり忘れてしまっていました。
横に隠れたUSBポートが付いていることをすぐに思い出しましたが、おかしな考えが浮かびました。プロセスのバックエンドを理解することなくプリント基板設計の世界に関わっている人のことを想像したのです。CADシステム内のこれらのパッドとトレースは全て、何らかの方法でプリント回路基板に変換する必要があります。私が撮影しようとしていた写真へのアクセス方法を思い出せなかったのと同じように、設計データを製造業者に送ることに何が関わっているのかを理解していない人は、何人ぐらいいるのでしょうか。
設計データを製造業者に渡す最も一般的な方法は、「ガーバー」と呼ばれるファイル形式を使用することです。ホリデーパーティーの最初の数時間をどのように過ごすのか、去年のパーティーのおふざけを回想するのと同じ具合に、ガーバーファイルはちょっとした背景知識があると最適です。ガーバーファイルの由来を知ることで、それがどのように成長してきたか、また将来どのようになるのかについての理解が深まります。そのプロセスと発展を理解した後には、製造業者と設計チームの橋渡し役となるための最適な準備が整っていることでしょう。
CADシステムでプリント回路基板を設計すると、様々なスタイルの線や形状で表される回路基板の金属が表示されます。これらのグラフィック画像は何とかして、基板製造業者が回路基板の作成に使用できるデータに再フォーマットする必要があります。これが、ガーバーファイルの仕事です。
ガーバーファイルは、 4つの要素で構成されているASCII テキストファイルです:
構成パラメータ
アパーチャ定義
ドローコマンドとフラッシュコマンドのXY座標値
ドローコマンドコードとフラッシュコマンドコード
ほとんどのプリント基板CADシステムは、設計データからガーバーファイルを生成する機能を備えています。スルーホールピンの丸パッドは、いくつかの位置座標と共に、フラッシュコマンドによってガーバーファイル内で表されます。クロックライントレースは、トレースの各頂点に対する一連の座標置と共に、ドローコマンドコードによって表されます。
これらのコマンドコードの理由は、フィルム上に基板レイヤーを作成するプロッタを駆動するように、元々ガーバーファイルが設計されていたためです。このフォトプロッタは、ランプまたはレーザーからの光を使用してフィルムを露光し、それを使用してPCB製造者が必要とするツーリングを作成します。その種々のコードは、光を点滅させるか、光で描写するか、光なしで移動するかのどれかです。また、アパーチャとして知られている光のサイズと形状を決定するためのコードもあります。従来のフォトプロッタは今日もまだ広くつかされていますが、ガーバー情報が回路基板材料上に直接画像化される レーザ直接描画(LDI)技術によって、取って代わられ始めています。
ガーバーファイルによってプリント基板CADシステムから
データを取り出し、製造業者に手渡す
元々のガーバーファイルは、RS-274-Dフォーマットとして知られていました。初期のファイルは、XY座標位置とドロー&フラッシュコマンドのみで構成されていました。基板設計者は、ガーバーファイルの作成プロセス中、手動でアパーチャコードを割り当てる必要がありました。その後、全てのアパーチャデータを構成パラメータと共に個別のファイルに抽出しました。正確なガーバーファイルを作成するには、正確なコードの割り当てに入念に取り組む必要がありました。
今日プリント基板CADシステムからガーバーファイルを作成する場合は、おそらくRS-274-Xフォーマットを使用していると思います。このバージョンでは、ガーバーデータの4つの要素(構成パラメータ、アパーチャ、XY座標、ドロー&フラッシュコマンド)が、全て1つのファイルに結合されています。また、プリント基板CADシステムによってアパーチャの位置が自動的に割り当てられるため、人為的な入力ミスの可能性が削除されることにも気づくことでしょう。
ここ数年の間に、追加データを含む新しいバージョンのガーバーフォーマットが、利用可能になりました。Gerber X2ファイルには、そのファイルのレイヤー機能、パッドタイプなどのオブジェクト機能、インピーダンス制御トレースの位置など、その他にもたくさんの情報が含まれています。この目標は、ガーバーフォーマットを強化してODB++などのデータベースのようなものにしながらも、フォトプロッタやLDIシステムを駆動するレガシー機能を依然として持ち合わせることです。
ガーバーファイルを使用して、このようなむき出しの基板を作成
基板設計者もPCB設計チームの全てのメンバーも、製造業者のニーズを理解し、それに応じてガーバーファイルやその他の出力ファイルを作成する必要があります。製造業者によっては、今でも個別のアパーチャリストやその他のデータファイルを必要とする場合があり、それらのファイルが何をするのか、またどのようにファイルを作成するのかを知っておく必要があります。最近では多くの設計プロセスが自動化されていますが、それでもなお、プリント基板CADシステム内で何が行われているかをより深く理解するために、時間をかける価値はあります。
最良の方法の1つは、利用可能な最良のプリント基板CADシステムを、基板設計に使用してしているかどうかを確認することです。最先端の場所や配線技術が必要なだけでなく、ガーバーやその他の出力ファイルを、簡単かつエラーなく、最新のフォーマットで作成できるようにする必要もあります。
Altium Designerは、標準ガーバーRS-274-Xと新ADガーバー X2がすでに組み込まれたプリント基板設計ソフトウェアです。これにより、製造業者が使用しているどの画像システムにでも機能する設計を、製造業者に引き渡すことができます。
アルティウムは、これらの次世代出力ファイルの作成について皆さまをサポートします。 ぜひ、アルティウムの専門家にお問い合わせください。