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ガーバーからAltium Designerの完全なPCBデータを復元する ガーバーからAltium Designerの完全なPCBデータを復元する ガーバー(Geber)はアートワークフィルムの作画の為のフォーマットとして定着しており、市販されているPCB-CADツールでは例外なくサポートされています。このガーバーデータはアートワークフィルムの作成だけでなく、CADツールに読み込んでアートワークイメージを再現し、それを編集するという用途にも利用できます。 このガーバーの読み込み手順を、以前のブログ記事「 Altium DesignerでGerber編集」で紹介しましたが、その手順によって再現される基板のデータはCAMデータの範囲を超えるものではありません。例えば、パッドスタックは再現されているものの、コンポーネントの概念は存在せず、Altium Designerの本来のPCBデータとはほど遠いものです。そして、この事はPCBデータを再利用する際に、Altium Designerが持つ機能の、ほんの一部しか利用できない事を意味します。そこで、今回は一歩前に進み、この不完全なPCBデータに対してインンテリジェントな情報を付加し、回路図とリンクする完全なCADデータへの変換を試みます。 ガーバーはPCBの生データが読めない場合の唯一の代替手段 PCBレイアウトを外部に委託する時、Altium Designerでの設計を希望してもそれが叶わず、他社のCADツールで設計が行われる場合があります。このような場合にはインポータを使ってAltium Designerに読み込む事もできますが、該当するインポータが用意されていない場合には、ガーバーを読み込むしか方法がありません。 そこで、今回はインポータが用意されておらず、「他社ツールで保存された生デ-タが読み込めない」場合や、「PCBデータが見つからない」というような場合を想定して、ガーバーデータから完全なPCBデータを復元する手順を紹介します。 1. 必要なCAMデータと回路図を用意 PCBデータに互換性が無く読み込めない場合や、PCBデータを遺失した場合には、製造の為のCAMデータが役立ちます。ガーバーデータはこの中核を成すものですが、これにはグラフィカルな情報しか含まれていませんので、ガーバー以外に以下のデータを使って必要な情報を付加します。 Excellon-NCドリルデータ Pick and Placeデータ(マウンタ用の座標値データ) Altium Designerで描かれ、フットプリントが割り付けられた回路図
Altium Designerで完璧なPCBスタックアップを設計する方法 Altium Designerで完璧なPCBスタックアップを設計する方法 過去20年以上にわたり、電子機器は複雑になり続けてきました。基板の密度は限界に達しつつあります。EMC/EMI規制は進み、より厳格化しました。高速化できる余地は小さくなりました。このため、PCBレイアウト技術者が今日のPCBを確実に設計するには、EMC、PDN、EMI、SIを十分に理解することが必要です。この記事では、PCBスタックアップを正しく作成するための考慮事項についていくつか解説します。 解説する内容 このブログでは、PCBスタックアップをどのように計画し、基板設計CADのAltium Designerで実装するかについて解説します。HSD(High Speed Digital Design、高速デジタル設計)を行うときのSIの問題を最小化するための設計最適化について検討します。 学習内容 PCBの積層材料のデータシートを理解する方法 信号層の数を推定する方法 AltiumでPCBスタックアップを設計する方法についてのいくつかの推奨事項 一般的な誤りと落とし穴、およびAltiumを使用してそれらを回避する方法 PCBの積層材料データシートについて PCBレイアウト技術者が行う最初の手順は、applicationに使用するPCBの積層材料(樹脂、銅箔、ガラス繊維)を選択することです。選択するPCB積層は、applicationの種類により決定されます。 以下のデータを追加できます: HSD(High Speed Digital Circuit、高速デジタル回路)はサーバー、ルーター、高速データチャンネル(例: PCIe、10Gbeなど)で一般に使用されるもので、FR408HR、I-speedなどの積層が必要です。
回路図作成の事始め - 部品を探す・選ぶ・並べる 回路図作成の事始め - 部品を探す・選ぶ・並べる 回路図の作成は、新しいシートを開いて、部品シンボルを配置する事から始めます。そして、そのシンボルを動かしたりワイヤーで接続したりしながら回路図を完成させます。今回はこの部品配置の段階で使う機能を中心に、順を追って利用方法をおさらいします。 ファイルベースのライブラリと、クラウドベースのライブラリ 既成の部品を利用して部品作成の手間を省く事により、素早く回路図を描き上げる事ができます。これには、その要となる社内のライブラリ環境の充実が重要ですが、現実には他のソースを利用しなくてはならない事も多いと思います。そこで、Altium Designerでは、ファイルベースとクラウドベースの、2種類の方法でライブラリが提供されています。ファイルベースのライブラリには「Components」パネル、クラウドベースのライブラリには「Manufacturer Part Search」パネルを使ってアクセスする事ができます。 なお、この2種類のライブラリの利用方法については、ブログ記事「 部品ライブラリとその活用法」をご覧ください。また、Altium DesignerではBXL形式で提供されているライブラリを利用する事ができます。この利用方法についてはブログ記事、「 BXL形式のライブラリを利用する」をご覧ください。 まず、使用するライブラリファイルを登録 ファイルベースのライブラリでは使用する部品を事前に登録しておかなくてはなりません。この登録はいつでもできますが、使用する予定の部品の全てを事前に登録しておき、回路図を描き始めた後はその作業に集中できるようにしておいた方が良いでしょう。 登録の際には回路図のシンボルだけでなく、フットプリントやシミュレーションモデル等の有無やその内容を確認し、目的に合ったものを選ばなくてはなりません。 使用するライブラリの登録はComponents パネルのメニューから、「利用できるファイルベースのライブラリ」画面を開いて行います。 なお、Components パネルは、[配置]メニューの[パーツ]コマンドの実行、または回路図編集画面の右下にある、[Panels]メニューから[Components]を選ぶ事によって表示されます。 部品を探す シートへの部品の配置は、Componentsパネルに表示されたリストから部品を選ぶ事によって行います。パネルには、登録されたライブラリファイルごとに、その中にある部品がリストアップされ、この中から目的のものを選んで配置します。 もし目的の部品が見つからない場合には、「ファイルベースのライブラリ検索」画面で他のライブラリを検索する事ができます。検索で見つかった部品は、Componentsパネルに一覧表示されます。