Altium DesignerならPCBリレーの選択、設計、レイアウトが簡単

Zachariah Peterson
|  投稿日 二月 3, 2021
Altium DesignerならPCBリレーの選択、設計、レイアウトが簡単

ユーザーの安全と基板を電気的損傷から保護するには、回路保護が欠かせません。小型中電圧PCBであろうと、大型高電圧電気機械システムであろうと、電力サージや電気回路の故障によりコンポーネントが破壊され、ユーザーに危険が及ぶ可能性があります。高電圧ESDや大電流サージが起きないようにする最善の方法は、シンプルなPCBリレーを使用することです。

金属製の筐体に取り付ける必要がある大型リレーと比較して、PCBリレーはスルーホールコンポーネントとして回路基板に直接取り付けることができます。これにより、基板とそのコンポーネントを電気的危険から簡単に保護できます。次に手掛けるシステムにPCBリレーを導入する場合、Allium Designerを使用すると、選択および配置プロセスがシンプルです。高電圧または大電流回路基板設計を順調に進めながら、Altium Designerから調達プロセスを迅速に進めることができます。

ALTIUM DESIGNER®

高電圧または大電流回路基板設計におけるPCBリレーの選択、レイアウト、配線のための業界標準の設計ツールを備えた唯一のアプリケーションです。

高電圧または大電流のシステムを扱うときはいつでも、安全性を最優先に考える必要があります。高電力システムに伴う危険は甚大で、コンポーネントの信頼性を運に任せることはできません。一方、設計者が動作中の高電圧 / 大電流放電から自分自身や機器を保護する方法はたくさんあります。

高電圧システムで使用される標準的な部品の1つにリレーがあります。これらのスイッチには、回路基板に取り付けることができるPCBリレーをはじめ、さまざまなサイズがあります。これらの部品は、信頼性を維持し、動作中の電力サージに耐えるために必要な保護を高電圧システムに提供します。

PCBリレーとは?

PCBリレーは、PCBに直接取り付けることができる小型のリレーです。これらのリレーは定格電圧が高くなる傾向があり、そのサイズと重量のためにスルーホールコンポーネントとして基板に取り付けることができます。リレーは、小さな電圧回路で高電圧回路を制御する必要がある場合に使用されます。また、リレーを使うことで、トランジスタベースのスイッチングではできないガルバニック絶縁が可能になります。

PCBリレーは他のリレーと同じように機能しますが、よりコンパクトで定格電圧が低くなります。また、これらの部品は大型リレーに見られる標準的なシステムにも組み込まれています。リレーには以下の種類があります。

  • 高電圧リレー:これらは、非常に高い電圧と電流で動作するように設計されています。
  • 過電流リレー:このタイプのリレーが開くと、大電流が回路の周りを間違った方向に流れるのを防ぎます。
  • 半導体リレー:電気回路の切り替えを行うソリッドステートリレーです。
  • 遅延リレー:これらのリレーは、限られた時間にトリガーされます。
  • サーマルリレー:これらのリレーは、温度が特定のしきい値を超えると作動します。
  • 差動保護リレー:このタイプのPCBリレーは、回路の2つの異なる部分の電圧または電流が異なる場合にトリガーできます。
  • 周波数保護リレー:これらのソリッドステートリレーは、AC 電流の周波数が高すぎるか低すぎるとトリップします。

各リレータイプには特定の用途がありますが、通常は高電圧PCBおよび大電流回路で使用されます。

PCBにおける高電圧保護

全体として、PCBリレーは、アーマチュアコイルに大電流が流れるとトリップする重要な保護デバイスとして使用することができます。PCBリレーに大電流が流れると、リレーがトリップして開回路となり、それがデバイス内の電流の流れを遮断します。一方、高電力回路で静電気放電(ESD)対策をする方法は、リレー以外にもあります。

次に手掛ける基板が高電圧環境で使用され、何らかの保護が必要な場合は、電力サージに耐えるために、TVS ダイオード、ヒューズ、ガス放電管など、複数の保護デバイスが必要になる場合があります。システム内およびエンドユーザーへの放電を防ぐため、安全コンポーネントに加え、特定の安全規則に従って高電圧設計をレイアウトする必要があります。適切なPCBレイアウトソフトウェアを使用すると、これらの設計ルールに従い、回路保護デバイスをPCBに簡単に配置できます。

PCBリレー

高密度の高電圧設計では、PCBリレーやその他の部品による過電圧および過電流保護が必要です。

最適なPCBリレーの検索と調達

市販されているPCBリレーには非常にさまざまなタイプがありますが、設計者は回路保護に必要となる最適なリレーをどのように見つけることができるでしょうか?販売店や製造業者のウェブサイトを閲覧する必要はありません。むしろ、ご自身に必要なリレーを調達し、設計に組み込むのに役立つサプライチェーンツールが、ご使用のPCB設計ソフトウェアで利用できる必要があります。

Altium Designerでは、高電圧回路基板に必要なリレーを見つけるために必要なサプライチェーンを明確に表示しています。Altium Designerのサプライチェーン機能は、部品リストを表示しているだけではありません。フィルタリング機能でサプライチェーンを検索したり、部品の種類 / 説明から絞り込んだり、注文手続きをする際に販売店の在庫を確認したりできます。Altium Designerのサプライチェーン機能を使用することで、高電圧回路の保護に必要なPCBリレーを見つけることができます。

Altium Designerは生産に向けた電源システムの構築を支援

適切なPCBリレーを配置し、回路基板のレイアウトを完成したら、Altium Designerのデバイスパッケージ機能を使用して、本格生産に向けて迅速に準備することができます。高電圧基板を設計している場合でも、高度デジタルシステムを設計している場合でも、Altium Designerの調達・デバイスパッケージ機能を使用して、本格生産のための新しい設計を行うことができます。

Altium DesignerでPCBサプライチェーンを統合

Altium Designerの「Manufacturer Part Search(製造業者別部品検索)」パネルは、手頃な価格での見積もりを表示し、ライブラリ内のPCBリレーを見つけるのに役立ちます。

PCBリレーに必要なものはすべてAltium Designerで見つけられます

新製品を安全に保つため、高電圧システムの開発に取り組む設計者チームには、レイアウト、評価、シミュレーション、調達まで一連の機能が必要です。Altium Designerのサプライチェーンツールを使用すれば、PCBリレーを簡単に調達し、新しい基板に取り付けられるので、回路基板レイアウトに即座に組み込むことができます。高品質の回路基板を設計し、部品を調達し、製作準備をするためにわざわざ管理システムを切り替える必要はありません。必要な作業はすべて1つの管理システムで行うことができます。

Altium Designerでは、設計、製造、シミュレーション、評価を、その土台となるルール主導型の設計エンジンで行うことができます。Altium Designerで利用できるすべての設計機能は、この管理システム全体で単一の設計ルールセットが適用され、同じエンジン上に構築されています。すべてが単一プログラム上で実行されるため、基板上でのエラーを瞬時に特定でき、設計の終盤になってようやくエラーが判明するようなことはありません。

高電圧基板に最適なルール主導型の設計ソフトウェア、Altium Designer

ルール主導型のPCB設計ツールセットにより設計者は、業界の安全性と信頼性の基準に合わせて、PCBリレーを備えた回路基板を設計することができます。IPC、IEC/UL、およびその他の基準は設計ルールとしてエンコードでき、これらのルールはAltium DesignerのすべてのPCBレイアウトツールで適用されます。DRCエンジンは基板作成時に実行され、リアルタイムでエラーを特定するため、設計を安全に保ち、高い生産性を維持します。

PCBリレー

Altium Designerの充実したCAD機能セットにより、PCBリレー設計者は2D / 3Dビューで基板をリアルに表示して確認することができます。

次回、回路基板でPCBリレーを調達、配置、配線する必要がある場合は、Altium Designerの業界標準のPCB設計機能をご利用ください。設計を管理し、本格生産に向けて準備するために必要なものがすべて揃っています。設計が完了したら、Altium 365 プラットフォームから、クラウド上で共同作業者とデータを共有できます。このようなシームレスな共同作業を可能にする設計管理システムは他にありません。

Altium 365のAltium Designerは、ソフトウェア開発の分野において前例のないレベルで電子機器業界との統合を実現しており、設計者は自宅でもこれまでにないほど効率的に作業を進めることができます。

ここでは、Altium 365とAltium Designerでできることについて、その一部を紹介したに過ぎません。より詳細な機能の説明については、製品ページまたはオンデマンドのウェブセミナーをご覧ください。

筆者について

筆者について

Zachariah Petersonは、学界と産業界に広範な技術的経歴を持っています。PCB業界で働く前は、ポートランド州立大学で教鞭をとっていました。化学吸着ガスセンサーの研究で物理学修士号、ランダムレーザー理論と安定性に関する研究で応用物理学博士号を取得しました。科学研究の経歴は、ナノ粒子レーザー、電子および光電子半導体デバイス、環境システム、財務分析など多岐に渡っています。彼の研究成果は、いくつかの論文審査のある専門誌や会議議事録に掲載されています。また、さまざまな企業を対象に、PCB設計に関する技術系ブログ記事を何百も書いています。Zachariahは、PCB業界の他の企業と協力し、設計、および研究サービスを提供しています。IEEE Photonics Society、およびアメリカ物理学会の会員でもあります。

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