PCB設計者の面接で訊かれる質問とは:新人エンジニア向けガイド

Zachariah Peterson
|  投稿日 一月 24, 2022  |  更新日 五月 19, 2024
PCB設計者の面接ガイド

2021年下半期には、あらゆるニュースが「大量離職時代」が本格化したことを告げていました。パンデミックや大幅に加速したデジタル変革、かつてない刺激要因、先進技術への注目により、世界中の人々が新たな機会を求めて転職を行っています。

PCB設計、組み込みソフト開発、一般的なハードウェア設計以外でも、アイデア、仕事、ベンチャーキャピタル資金の量は、それを追求するエンジニアの数を上回っています。特に北米の新人エンジニアにとっては、PCB設計などの分野に参入する絶好の機会です。米国のPCB設計業界は高齢化が進んでおり、また多くの企業がソフトウェアやクラウドサービスをハードウェアコンポーネントと統合する重要性を認識しつつあります。

あなたが新人PCB設計者で、人材市場に参入し始めたばかりなら、このガイドが役立つことでしょう。このガイドの目標は、採用プロセスおよび、ハードウェア設計者、組み込みソフト開発者、PCB設計者を求める革新的な企業に期待できることについて、私なりの見解をお伝えすることです。

PCB設計者の面接で期待されること

私はまだPCB設計者として何十年ものキャリアがあるわけではありませんが、就職面接に関しては両方の側に立ってきました。自分の会社でエンジニアを雇わなければならなかったことや、過去にPCB設計者の面接で成功・失敗したこともあります。複数のベンダー企業との面接も受け、そのうちの数社とは偶然クライアントとして協業することにもなりました。これからお伝えすることは、私自身の経験と意見を反映したものです。そのことを念頭に置いてお読みください。

経営陣とチームメンバーとの技術面接

私の場合、ベンダーまたは個人請負業者として小規模な企業と仕事をする場合を除き、雇用/請負契約プロセスで次のステップに進む前に技術面接を複数回受けました。技術面接では通常、技術に関する評価が関わってきます。複数のチームメンバーと1対1で面接を行い、彼らと同じ技術レベルで業務を遂行できるかどうかが評価されます。またチームのワークフローや雰囲気への適合性を評価するために、マネージャーも面接に関与する場合があります。

技術面接で訊かれる質問のほとんどは、能力や背景知識を中心にしたものです。よく聞かれる質問には次のようなものがあります。

  • どのインターフェースに精通していますか?特定のインターフェースの配線プロセスを説明させられることもあります。私の経験では、DDRやUSBのようなシリアルプロトコルについて最もよく訊かれました。
  • 高速差動チャンネルでノイズの問題が発生した場合、どのように対処しますか?
  • HDI設計の手法についてどのような場合に懸念する必要があり、またそうした設計をどのように配線しますか?
  • 当社のファームウェア/ソフトウェア開発者にわからないことがある場合、対処方法を見つけるのを手伝ってもらうことはできますか?
  • デジタル回路と同じ基板上にRF回路がある場合、どのように基板を配置すればよいですか?
  • 業界規格名)という技術規格を知っていますか?
  • 設計に関してUL/FCC/CE/その他の認証テストを受けたことがありますか?受けたことがある場合、結果は最終的にどうなりましたか?
  • 基板レベルのテストとデバッグの経験はありますか?(パフォーマンス指標を挿入)を評価するためにはどんなテストを実施しますか?

以上の質問をここに挙げたのは、企業がコンプライアンスを維持する必要性(つまり、安全性とEMI/EMCに関するある程度の知識)に加え、コンポーネントの小型化・高速化を引き続き目指しているためです。また、私が過去に関わってきた中程度のDC/スイッチング電源設計と混在信号設計に共通している要素であったためです。この種の質問は、応募する仕事によって異なります。たとえば、モータードライブに関連する仕事の面接では、Hブリッジドライバ、MOSFET回路やその他さまざまなもののレイアウト方法について訊かれるでしょう。

PCB設計者の採用面接

 

上記は、訊かれる可能性のある直接的な質問のほんの一部にすぎません。私も過去に人材を採用したときに、テクノロジーに焦点を当てた同様の質問をしたことがあります。ただし、面接官が知りたいこと、または応募者が知っていたら嬉しいことで、直接質問しない項目も多くあります。また、面接中に他の候補者と差をつけるために、遠慮せずに強調すべきこともあります。

ワークフローを理解する

大企業は、拡張しやすいプロセスとワークフローを実装しているためその規模の大きさを実現できているのです。小規模なエンジニアリング会社や機関は、そうしたプロセスを理解しなければなりません。そのために最善を尽くすかどうかはあなた次第です。PCB設計に関しては、フロントエンドエンジニアリングから始まり、プロトタイピング、テスト、拡張までの製品開発プロセス全体を理解しているとアピールすることが大切です。設計ワークフローに関する重要な点は次のとおりです。

  • 調達を開始する適切な時期はいつか
  • 試作品の製造会社と大規模な製造会社では、それぞれどのようなタイミングで従事するのが良いでしょうか?
  • 文書や設計データはどのように追跡・保管されるべきか
  • 設計に影響するのは、機械的制約か電気的制約か

プロフェッショナルな、またはエンタープライズレベルのPCB設計ワークフローを理解すればするほど、速いスピードで作業をするための組織内あるいはチームのトレーニングは少なくて済みます。

能力と経験を持つ

技術面接で上記の点について話すときは、自分の経験から例を引き出してくる必要があります。問題、戦略、結果を明確に定義できると、経験や能力に具体的な説得力が生まれ、面接官に高く評価されるようになります。自分の経験や能力を自慢するのではなく、自分の思考プロセスを紹介し、それがどのように有意義な結果につながるかを説明しましょう。画面上での即興の設計レビューでそれを裏付けることができれば、さらに説得力が増します。面接官に対して自分の能力をきちんと説明できるように、設計例を共有できるよう準備しておくのもよいでしょう。

PCB設計者の採用面接

特にスキルや経験について尋ねられたときは、PCB設計に直接関係していなくても、エンジニアリングの他の分野での業績も遠慮せずアピールしましょう。異なる工学分野と提携して達成した実績がある場合は、さらなる強みになります。自分の専門分野を超えて働く能力をアピールでき、また電気工学以外の業界の人たちとのコミュニケーションの仕方を知っていることを示すことができます。

ポッドキャスト「Altium OnTrack」でのJudy Warner氏とのお話(私が司会を務める前のエピソード)で、Warner氏が大手航空宇宙会社のマネージャーとの会話について話してくれました。その話の重要なポイントは、「すべてを知る必要はないが、他の人がしていることを少しは知っておく必要がある」ということです。そうすれば、あなたが幅広い技術的背景を持っていることも示せますし、他のエンジニアとより良いコミュニケーションをとるのにも役立ちます。

DFM/DFAと調達

ベンダーインタビューでDFM/DFAの実践について質問されたことがあります。これは、社内にPCB設計の専門知識を持つ人がいない中小企業で特に多い質問です。そうした企業は、サプライチェーンのリスクを低く抑えながら製品を大規模に製造できるように設計を行う方法を知らないためです。また、調達戦略について、あるいは設計が調達できなくなるリスクを軽減するための基板設計方法について質問されたこともあります。私は通常、コンポーネントの調達という観点から話しますが、同じことは他の材料、特に設計に必要なラミネートにも当てはまります。

PCB設計者の採用面接

BOMがコンパイルされ、ベア基板が計画されているフロントエンドで、設計にアプローチする方法を説明できれば、あなたが提供できる他の価値も示せることになります。ベンダー契約の面接では、これは自らの価値を説明する大きな要素となるでしょう。クライアントは、設計が製造可能であることを確認する方法を知っていることを高く評価します。正社員の面接であれば、これはあなたが先々を考えて新製品のリスクを最小限に抑えようとしていることを示すものとなります。

すべてが組み込まれ、統合されている時代

今日のハードウェアは、多くの重要な処理タスクを携帯電話やクラウドから取り除き、エンドデバイスに持ち込むものとなっています。2010年に始まった、あらゆるものが携帯電話、ノートパソコン、ウェブ上のエンドサービスとつながっているという傾向の逆の現象を、今私たちは目の当たりにしているのです。処理負荷の高いタスクをエンドデバイスに載せたからといって、製品がインターネットに接続しなくなるというわけではありません。これは単に、アプリケーション開発に関するリソースが製品の組み込み面に集中するようになり、ハードウェアはそれをサポートするように設計される必要があるということです。

PCB設計者の採用面接
CやPythonなどの言語の基本を学ぶと、組み込みソフト開発者とのコミュニケーションに役立ちます。

現代のPCB設計者には、基本的なプログラミングとソフトウェア開発のスキルが求められます。プロの多言語ソフトウェア開発者と同レベルである必要はありませんが、ソフトウェアとプログラミングの原則を理解することは重要なスキルとなります。C言語やPython、その他の言語を少しでも知っていれば、少なくとも開発者と意見を合わせて話すことができるため、大きな助けとなるでしょう。たとえプログラマーとして高い技術はなくても、タイミングチャートなどの細かな要素を理解していると、開発者とのコミュニケーションがしやすくなります。このスキルは、請負業者でも正社員でも、多機能チームの一環として働くうえで重要です。

面接に合格したら

結局のところ、技術的なスキルを十分に備えていることが必要であり、それによって他の候補者と差が付くと言えるでしょう。あなたが面接官を圧倒し、希望の仕事を手に入れたのであれば、素晴らしいことですね。おめでとうございます。それならば、基板レイアウトだけでなく、幅広いエンジニアリング作業に参加する心の準備をしてください。今日の設計者は、物理的なレイアウトを含むパズルのような設計を行うだけでなく、エンジニアリングや製造においても積極的な役割を果たすことが求められています。

PCB設計者の採用面接

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筆者について

筆者について

Zachariah Petersonは、学界と産業界に広範な技術的経歴を持っています。PCB業界で働く前は、ポートランド州立大学で教鞭をとっていました。化学吸着ガスセンサーの研究で物理学修士号、ランダムレーザー理論と安定性に関する研究で応用物理学博士号を取得しました。科学研究の経歴は、ナノ粒子レーザー、電子および光電子半導体デバイス、環境システム、財務分析など多岐に渡っています。彼の研究成果は、いくつかの論文審査のある専門誌や会議議事録に掲載されています。また、さまざまな企業を対象に、PCB設計に関する技術系ブログ記事を何百も書いています。Zachariahは、PCB業界の他の企業と協力し、設計、および研究サービスを提供しています。IEEE Photonics Society、およびアメリカ物理学会の会員でもあります。

関連リソース

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