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大衆文化に少し遅れていると感じたことがありますか? 私は、Lady Gagaについて知ったばかりですが、数年前から大スターだったようです。遅ればせながら知ることができて、少しうれしいです。今、彼女の音楽を楽しんでいますが、肉でできたドレスを着て歌うのを見ないで済みました。セレブの奇妙な最新ファッションには興味がないかもしれませんが、注目すべきトレンドがいくつかあります。PCB設計界における希望の星の1つが、マイクロビアです。ここでは、マイクロビアとは何か、マイクロビアはどのような素晴らしいことができるのか、について説明します。マイクロビアは歌やダンスはできませんが、基板で多くのスペースを節約し、EMIを大幅に減らすことができます。
Lil Yatchyの最新の曲をオフィスで聞いたことはないかもしれませんが、きっとマイクロビアについては少しは聞いたことがあるでしょう。あなたの知識を更に強化させてください。
マイクロビアは、確かに小さなビアですが、正確には、どれほど小さいのでしょうか? ほとんどの人は、マイクロビアを直径が150μm未満のビアだと考えています。これらの小さな穴はレーザーで開けますが、そのプロセスは絶えず改善されています。レーザー穴開け技術の新しい進歩によって、マイクロビアは15μmまで小さくできます。レーザーは、一度に1つのレイヤーにのみ穴開けできます。一方、製造業者は、複数のレイヤーに別々に穴を開け、積み重ねることによって、マイクロビアを作成できます。
製造上の欠陥が発生する可能性は、マイクロビアの方が、通常のビアより低くなっています。レーザー穴開けでは、開けられた穴に材料が残らないためです。ただし、メッキやはんだリフローについては、マイクロビアも通常のビアもリスクは同じです。したがって、マイクロビアのtenting、またはfillingについて製造業者と話し合うことが重要です。
マイクロビアとは何か分かりましたが、何の役に立つのでしょうか?
マイクロビアは、マイクロビアを開けるレーザーと同じくらい未来的
ハリウッドで高価な家を買うことはないでしょうが、高価な不動産については心配する必要があります。基板のスペースはコストであり、マイクロビアは、コスト削減に役立ちます。マイクロビアはサイズが小さいので、当然、通常のビアよりスペースを節約できます。また、via-in-pad(VIP)をより活用するのに役立ち、より簡単に埋め込むことができ、高密度相互接続(HDI)設計が簡単にできます。
通常、VIPは、ショーのスターであることを望みますが、PCBでは、VIPはほぼ隠されています。表面実装技術(SMT)によりパッド内部で接続を行うことによって、VIPはスペースを節約します。マイクロビアは、フォームファクターが小さいので、特にVIPに適しています。時に、通常のビアは、ピッチが細かいボールグリッドアレイ(BGA)など、SMTでパッド内部に収めるには大きすぎます。マイクロビアは、製造上の問題を引き起こすことなく、パッド内部に収まります。
多くのベリードビアやブラインドビアを設計に組み入れるのは、少しためらわれる場合もありますが、マイクロビアは、それを変えます。従来のブラインドビアやベリードビアは、スペースを節約しますが、製造が困難です。一方、マイクロビアは、すでにレイヤーごとに作成されているので、ベリードビアやブラインドビアの用途に最適です。また、従来のビアより小さいので、基板を更に縮小できます。
マイクロビアは、BGAのブレークアウトなど、一定の用途に特に役立ちます。前に述べたように、マイクロビアVIPは、ピッチが非常に細かいBGAでもパッド内部に収まり、ブレークアウトが簡単にできます。ただし、マイクロビアVIPは、ブレークアウトチャンネルで、更に役立ちます。表面スペースを節約するためにVIPを使用しても、それらの出力を基板の他の部品まで届かせるのに、まだ多くのレイヤーを必要とします。マイクロビアを使えば、エスケープパスの幅が大きくなり、BGAのブレークアウトに使用するレイヤーが減る可能性があります。
音楽をより良くすることはできないが、ノイズを減らすことはできる
新しいポップミュージックの一部は好きですが、その多くは、ひどい騒音のようにしか聞こえません。騒々しい音楽は好きではないし、回路のノイズも好きではありません。マイクロビアは、オーディオ回路のクロストークを削減できますが、残念ながら音楽自体については何もできません。マイクロビアは、高速や高周波の用途など、EMIが発生しがちな回路に最適です。
注意していないと、高速デジタル回路は、ポピュラー音楽のラジオ放送局と同じくらい、ノイズを放射します。高速回路の大きな問題の1つは、ビア内での信号の放射と反射です。ビアは、これらの騒音信号に適した放射アンテナになってしまいます。アンテナのパワーを下げるのに適切な方法は、アンテナのサイズを小さくすることです。従来のビアの代わりにマイクロビアを使うと、簡単な幾何学によって信号放射が減ります。ビアスタブも、高速回路にとって大きな問題です。スタブは、信号を導体へと反射し、元の信号を弱めたり、更には打ち消してしまいます。マイクロビアは、レイヤーごとに作成されており、したがって、わざと置かない限り、スタブはありません(そんなことはしないでください)。
マイクロビアに最適な用途が、高周波伝送線にあります。例えば、マイクロ波やミリ波のストリップライン導体について考えます。それらは、基板の誘電体に張られており、ブレークアウト信号へのビアを必要とします。従来の大きなビアは、EMIが多すぎて、高周波ストリップラインでは有用ではありません。EMIの放射が少なく、また、反射があまり多くないので、シグナルインテグリティーを悪化させないため、マイクロビアが最適です。
高周波回路は、より一般的になりつつあり、私たちは今後、それらをずっと多く設計することになります。これらのタイプの基板でEMIを制御するため、マイクロビアをマスターし始める時期です。
最近のポップスターを全て紹介する時間はありませんが、少なくともマイクロビアの重要性については理解していただけたと思います。レーザーで開けた、これらの小さな穴が、PCB設計の状況を変えつつあります。それらは、基板のEMIを減らし、また、表面積を減らすのに役立ちます。
マイクロビアを理解したので、それらについていくらか知っているPCB設計ソフトウェアも必要となります。Altium Designerは、マイクロビアや幅広い他のツールを使って高度な基板を強化するのに役立ちます。
マイクロビアについて、まだ疑問をお持ちですか? Altiumの専門家までお問い合わせください。