Altium Designerを使って製造データ出力を単純化する三つの方法

投稿日 February 10, 2017
更新日 December 22, 2020
Three Ways To Simplify Output Generation Using Altium Designer

PCB設計から製造プロセスの過程で発生する遅延の多くは、製造とアセンブリのための正確なデータとドキュメンテーションで回避することができます。さらに、必要なデータを簡単に再現することは、PCB設計者と製造者の間のコミュニケーションのための大きな時間節約になります。Altium Designerで利用可能な出力ジョブ設定ファイルは、PCB設計の出力生成を制御し、最終的に単純化するための適切なソリューションを提供することができます。

なぜ出力生成プロセスをシンプルにするのか?

毎回、問題なく設計が終了すると、製造、実装のプロセスが始まります。多くの場合、このプロセスはそれ自体でプロジェクトになり、製造、実装担当者に送るためにさまざまなファイルを揃える必要があります。必要なファイルの典型は、部品表 (BOM)、ガーバーファイル、NCドリルファイル、ODB++ファイル、IPC-2581ファイル、Pick and Placeファイル、実装図面などです。

製造、実装の要件に応じて、このリストに他の項目を追加または削除することができます。また、最初にドキュメントを提出した後で、基板製造業者がプリント回路基板(PCB)設計者に新しいデータや追加データを求めることもよくあります。特定のフローを標準化したり、少なくともデータ生成の標準的な出発点を決めることで、設計後のプロセスをより簡単にすることができます。

基板設計と製造サイクル

通常、PCB設計者には、設計完了後に生成する標準的な一連のファイルがあります。必要な各ファイルを生成、アーカイブして、製造業者に送信する必要があります。これは、複数のステップからなるプロセスであり、特に新しいレビジョンや変更のためにこのプロセスを繰り返す必要がある場合は、貴重な時間を費やさねばなりません。これは、一般的な手順であり、生産性に影響を与える問題として当初は表面化しない可能性があります。ただし、製造、実装に必要なファイルの数により誤りの危険性があります。 

下の図は、典型的なプリント基板製造のサイクルを示しています。

Basic PCB design-to-manufacturing cycle

1: 製造サイクルに対する基本的なPCB設計

最初にデータを受け取った後、多くの基板製造業者は、新しいデータ、追加データ、あるいは基板設計者からの修正データが必要になる問題を見つけることに慣れています。新しいデータや修正データが要求されると、基板設計者は、必要な各ファイルを生成する最初のプロセスから実行しなければなりません。この再実行にかかる余分な時間は、PCB設計者が出力生成に使用する特定のプロセス、またはワークフローに大きく依存します。手順を繰り返すごとに時間と費用が失われるので、手順の再実行は全体的な生産性を損なう可能性があります。

PCB設計者と製造業者の間の流れは、可能な限りシームレスでなければなりません。特に、そのコミュニケーションは、製造プロセスのPCBにとって欠かせないからです。

出力の標準化

製造、実装のためのデータ、およびドキュメントをすべて生成し管理する一元的な方法があれば、設計者が直面する多くの課題に対する適切な解決策が得られます。

Altium Designerには、出力ジョブ設定ファイル (*.Outjob) と呼ばれるファイルタイプがあります。このファイルは、どのプロジェクトにも追加でき、必要な出力をすべて生成できる一元的なソースになります。出力ファイルの種類には、ネットリスト、ドキュメント、実装、製造、レポート、検証、エクスポートなどの出力があります。 

PCB設計者は、必要な全出力を生成する準備ができた出力ジョブ設定ファイルを設定することができます。下の図2では、この標準のOutjobが、複数の出力を含むよう設定されています。この時点で、Pick and Placeファイル、テストポイント レポート、ガーバーファイル、NCドリルファイル、部品表 (BOM) を生成できる状態になっています。製造、実装に必要な目的に応じ、このリストで、必要なファイルを追加、または削除します。

Standard  Output  Job file

2: 標準的な出力ジョブファイル

出力場所の管理

生成された出力はすべて、特定の場所に保存できます。ファイルは、簡単に転送できるように共有ネットワークドライブに保存することも、単純にローカルドライブに保存することもできます。下の図3では、生成されたファイルはローカルディスクドライブに保存されています。ファイルの保存場所に関係なく、PCB設計者は、保存場所とそこに含まれるファイルを管理することができるようになります。 

Specify a location to save the output files

3: ユーザーによる保存場所の指定

出力ジョブ設定の再利用

出力ジョブ ファイルで最も便利な機能の1つは、複数プロジェクトでファイルを再利用できることです。特定の出力のデータソースを、再利用可能なソースに設定することができます。たとえば、以下の図4では、「Flex_Rigid_DataBuffer...」という特定の名前を持つ実装図面のデータソースが、「PCB Document」に設定されています。基板設計者は、必要なファイルをすばやく生成または再生成できるだけでなく、新しいプロジェクトに対して標準ファイルをすばやく生成、または再生成することもできます。

Data source for Outjob

4: 出力ジョブのデータソース 

まとめ

PCBの設計から製造へのプロセスにかかわる遅延の多くは、製造、実装のための正確なデータ、およびドキュメントによって回避できます。さらに、必要なデータを簡単に再生成する機能は、PCBの設計者と製造者の間のコミュニケーションという避けることができないプロセスにおいて膨大な時間の節約を可能にします。Altium Designerの出力ジョブ設定ファイルは、PCB設計の出力生成を管理し、最終的に簡素化するための適切なソリューションを提供します。 

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