クラス最高のパッドとビアのライブラリやドリルペアマネージャーでは、あらゆる種類のビアを定義して保存できます。
Altium Designer
専門家を対象とする、効果的で使いやすい最新のPCB設計ツール。
PCBのレイヤーの接続に使用されるビアでは、途切れのない信号経路の確保が要求されます。最も一般的なビアはPCBのすべてのレイヤーを貫通する円筒状の穴ですが、これはスルーホールと呼ばれます。スルーホールのそれぞれの端にはパッドが含まれます。密度の高い基板でのスペースの節約とシグナルインテグリティーの確保という特殊な用途向けのビアもあります。
PCBでは通常、少なくとも1つの内層と片方または両方の外層を接続するためにビアが使用されます。ブラインドビアは1つの外層と1つ以上の内層を接続し、その終端は内層になります。ベリードビアは内層の信号を接続しますが、外層には到達しません。それぞれの内層のビアの交点で接続が確立され、連続した信号経路が確保されます。コストに応じてこの種類のビアを選択します。
最も一般的なビアはスルーホールビアで、すべてのPCBのうちの99%で使用されています。また、重要な信号に対処するために使用されるビアもあります。ここでは、シグナルインテグリティーを確保するために追加機能が必要になります。この用途で最も利用されているのはブラインドビアです。このビアは基板全体ではなく数レイヤーのみを貫通するので、誘導性が制限されます。そのため、内層の接続で外層からの遮蔽が必要な場合に使用されます。サーマルビアは、サーマルリリーフのパッドでパターンを使って、大量の電力を消費する機器から熱を逃がします。
ブラインドビアの開始レイヤーと終了レイヤーの指定
それぞれの種類のビアは、パッド/ビアテンプレートエディターで作成、定義して、設計のローカルパッド&ビアライブラリに保存できます。このインテリジェントなエディターでは、IPC寸法が認識され、カスタムで作成したビアに名称が割り当てられます。この名称には、それぞれのビアのIPCの定義が含まれます。これが、PCBベンダー機能に関連付けられ、カスタムパッドやビアをユーザーが入手できるようになります。Altium Designerには、ユーザーの要求を予測するエディターが備わっています。これにより、製造に関する適切な制約を維持しながら、カスタマイズされたビアを設計に使用することができます。
各ビアの特長に基づいてカスタムのビアを作成し、保存しておきましょう。
それぞれの種類のビアには、基板の電気設計全体で果たすべき目的があります。一般的なスルーホールビアは、接続先まで連続させることを目的に外層のネットが内層に向けられている場所に使用されます。カスタムのビアは高速信号に効果的で、シグナルインテグリティーを促進してノイズが発生するリスクを除外します。ブラインドビアとベリードビアは表面への露出が最小化されるため、ノイズに対する脆弱性が解消されます。また、スルーホールの誘導性を低減するトレースの長さが最短になるため、ビアからのノイズの放出も防止できます。サーマルビアは、高温部分の熱を周囲の空気へと逃がす経路として機能します。
定義済みのビアにルールを設定して表示する
Altium Designerには、ビアを柔軟に定義して本来の目的どおりに使用するためのツールが用意されています。ビアを配置するたびに定義したり、設計でルールを設定したりする必要はありません。カスタマイズされたビアはローカルビアライブラリに保存され、設計を進めながら再利用できます。そのため、ビアを配置するたびに同じコマンドを繰り返さなくても、レイヤー間のトレースを配置しながら設計を正確に進められるようになります。
シグナルインテグリティーの課題への対処に向けてビアを効果的に使用するために、Altium Designerで以下の機能が提供されています。
Altium Designerでは、エディター、テンプレート、ルール定義、ライブラリを活用しながら、ビアの割り当てに使用するプロパティに対処できます。ブラインドビアとベリードビアは、バックドリル工法で定義します。また、ソルダーマスクを指定して外層にビアを配置すれば、密集したコンポーネントでショートのリスクを回避できます。さらに、スタブ長、ドリルサイズ、メッキを指定して製造用の指示を作成すると、ビアの周辺に銅箔を適切に配置できるようになります。
PCBエディターでビアのドリルレポートを作成する
レイヤー構成マネージャーでは、バックドリルを簡単に定義できます。ここでは、テンプレートを作成してビアライブラリに保存します。制約ルールエディターでは、カスタムのビアを入手するためにドリルの要件を定義します。バックドリル設定パネルでは、ドリルテーブルとバックドリルレポートを作成できます。これらの機能は連動しているため、ビアの定義が変更されると、その内容がテーブルとレポートの両方にリアルタイムで反映されます。
テーブルとレポートを作成できる設定ツール
どんな種類のビアでも容易に定義、設定できる優れたツール以外には目を向けないでください。Altium Designerでは、定義したビアをパッドとビアのライブラリに保存して後から再利用できます。また、インタラクティブ配線でパッド内ビアやビアスティッチングを使用すると、シグナルインテグリティーが確保されたPCBを設計することが可能です。さらに、ドリルテーブルとレポートを作成すれば、ビアに関する指示を製造業者にはっきりと伝えることができます。強力なツールが手元にあれば、いつでも簡単にビアを配置できます。