PCBの配線は、デバイスが失敗するかどうかを左右する、レイアウト作業の重要なステップです。設計ソフトウェアに適切な配線ツールが備わっていないと、時間がかかる可能性もあります。PCB設計ソフトウェアには、配線プロセスの多くの部分を自動化するよう設計された、高精度の配線ツールが備わっている必要があります。高度なPCBには最高の自動配線ツールが不可欠です。自動配線ツールは、設計者のワークフローを向上させ、どのような用途であってもPCB設計に有効です。
Altium Designer
優れた自動配線ツールを備えたPCB設計ソフトウェア パッケージ
簡単に実行できるが習得の難しい作業に、PCBの配線があります。ポイントAからポイントBに導線を接続するというのは、どちらかというと単純な作業と思われます。実際のPCBでは、コンポーネント間でこのような線を何十も何百も接続することになります。これらの配線を基板上に収めることは至難の業です。自動配線ツールを使用すると、この重要な作業にかかる膨大な時間を節約できます。
PCBを、生きて呼吸する電子機器に変えるには、高性能の配線ツール、および非常に精密なCADツールが必要です。これら2つのツールが連携して、シミュレーション、製造、設計の検証で使用できるPCBレイアウトを作り出します。レイアウトや他のツールと統合された自動配線ツールは、基板を短時間でレイアウトし、デバイスが全ての性能仕様に確実に適合するようサポートします。
PCBで使用するための最善の配線戦略は、回路図の設計段階では必ずしも明白ではありません。一流の配線ツールを備えた、優れたPCB設計ソフトウェア パッケージであれば、コンポーネント間の接続を簡単に定義し、レイアウトに接続を自動的に配置することができます。このプロセスは、簡単に自動化できます。レイアウトの時間を節約し、特定用途に最適な設計を確実に行います。
高速デバイス、ピン密度が高いコンポーネント、多層基板、高密度接続PCBなどを扱う作業では全て、高精度で汎用性の高いPCB配線ツールが不可欠です。これらの用途の配線は多大な時間を要する可能性があり、汎用性の高い配線ツールが配線プロセスを自動化できます。差動ペアのような機能は、特に注意が必要です。その配線ペアは、特に高速回路では並行で同じ長さでなければなりません。
自動配線ツールを使用すると、確実に、重要なデザインルールに従ったデバイスを作れる一方、信号ネットを非常に短時間で配線できます。自動配線ツールは、ビアを通る配線、複数基板に渡る配線、差動ペアのネットがある配線など、回路基板のどのような機能の組み合せも簡単に処理できるようにする必要があります。自動配線ツールは、差動ペアを維持し、デザインルールに従いながら、ピン、および部品のスワップを簡単に行う必要があります。
Altium Designerの自動インタラクティブ配線
レイアウトエディターから直接、配線を開始した場合、あらかじめ定義されたデザインルールに従って配線されます。高速設計では、特定の配線長の許容差に関するルールを満たす必要があり、高密度のピンコンポーネントでは、効果的で直感的なピンスワップ機能が必要です。差動ペアは、PCB全体でほぼ完全に一致するよう配線する必要があります。これらの設計ツールは、連携して動作し、あらかじめ定義されたデザインルールと同期する必要があります。
自動配線ツールを使用すると、膨大な時間を節約できます。各信号ネットの配線を自動化すると、確実に、デザインルールに従ったレイアウトを作成し、正確なトレースを配置することができます。自動配線ツールを使用するというだけで、結果が確約されるわけではありません。強力な自動配線ツールを使用すると、回路基板上で部品のスワップ、新しい部品の追加、要素の再配置などが必要な場合、レイアウトを簡単に調整できます。
高度なPCBアプリケーションを操作する設計者には、他の設計ツールと完璧に統合された配線ツールが必要です。より高度な設計では、柔軟性を備えながらも特定のデザインルールに従った配線が必要です。回路の設計中や、初期のレイアウト検討であらゆる配線状況を予測できる設計者はいませんので、配線ツールは、ピンや部品のスワップのような複雑な操作をすばやく簡単に行える必要があります。最高の自動配線ツールを使用すれば、こうした状況での作業はずっと楽になります。
Altium Designerで配線長を調整した差動ペア配線
ローエンドのデザインパッケージでは、矛盾するルール設定のため、一般的な配線の問題が生じる可能性があります。不十分な設計ソフトウェアでは、配線や不正確な差動ペアに加え、アドオンとして配線機能を購入しないと配線機能を使用できないという問題があります。シングルトレースを全て手動で配線し、目視で配線長の許容差をチェックし、手動でミアンダ配線 を挿入したいと望む設計者がいるでしょうか?
統一設計環境で作業することは、基板全体を通して、デザインルール、配線ツール、その他多くの機能が同期することを意味します。これは、1つのプログラムに必要なツールが全て含まれているというだけではありません。これらのツールは、統一された設計モデルを使用して、相互に通信します。これにより、設計者のワークフローが改善され、設計エラーやルール違反がすぐに見つかり、各機能は相互に情報にアクセスできます。
差動ペアの配線、ネットの定義、配線長の許容差の一致、レイヤー間の配線は、時間がかかる作業であるため、設計ソフトウェアには、そのプロセス全体の時間を短縮するインタラクティブな機能が搭載されている必要があります。デザインルールやネットの定義に同期する自動配線ツールは、設計者のワークフローを改善し、配線の変更も簡単にします。
ばらばらなPCB設計ソフトウェアでの作業が配線方法の妨げになっている場合は、統一設計環境での作業を試す価値があります。Altium Designerでは、回路設計、配線、およびルールチェックが1つのインターフェースに統合されています。PCB設計ツールが適切に同期していることがわかれば安心できます。そして、PCBエディター アプリケーションに適した配線方法を柔軟に実行できます。
全てのトレースを手動で配線することは忘れましょう。Altium Designerのような優れたPCB設計ソフトウェア、およびActiveRouteパッケージは、信号ネットの定義やコンポーネント間のトレースのすばやい配線を容易にします。優れた設計、配線、ルールチェック、シミュレーションなどのツールの全てに、1つの設計環境でアクセスできるようになります。